goo blog サービス終了のお知らせ 

ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

大根の味

2009-01-18 13:26:27 | 日記・エッセイ・コラム

人ごとにご馳走し、
更に継ぎ足していくうちに
おでんの汁が一流店をしのぐほどの深い味わいになってきた。

料理には足すことで深まる味わいと
引くことで高まる味わいがある。

----------思えば人生も然り
なにもかも貪欲に吸収して深まっていく時代と
そぎ落とし、そぎ落として高まっていく時代。

さても人生の第四楽章をどう演奏しようか

おでんのような煮込みの人生は
もはや沢山のような気もする。

シンプル イズ ビューティフル
-------引くことの人生。

わずらわしい下世話の事柄には関わりを持たないように
静謐で孤高の世界。
若葉を吹いてくる風の囁きに耳を傾け
落葉の辛夷の幹を滴る雨の祈りに心を寄せ
ひたすら流れ消え行く雲の行方に人の生涯を重ね見て
大根という存在そのものの醍醐味を知りたいと思う。

駄菓子まころんを齧りながらラフマニノフを聴いていると
一編の穏やかな詩が生まれそうな気がしてくる。

     
大根やあかぎれの母夢のごとし