かなりの「本の虫」だ。しかもかなり偏った「虫」。
子供の頃から「三度の飯より」本が好きだった。小学校低学年の頃、図書室で3冊借り、まず1冊を学校の下駄箱で読み終わり、次の1冊を帰り道歩きながら読み終わり(のどかな時代やね)、最後の1冊はランドセルをしょったまま玄関に座り込んで読み終わった「伝説」を持つ私。ディズニーの絵本にはじまり、イソップ・アンデルセン・グリム・宮沢賢治・椋鳩十・松谷みよ子・芥川龍之介・・・。「赤毛のアン」「少女パレアナ」「長靴下のピッピ」「小公女」も大好きだった。でも「フランダースの犬」「杜子春」は大嫌いだったな。『死んで天国(地獄)』というシチュエーションが苦手だった。
一方自然物も大好きで、昆虫動物その他図鑑関係はいつも手元にあった。だから「ファーブル昆虫記」は「座右の書」(フンコロガシ!)、「シートン動物記」は「座左の書(?)」。ああ、この傾向は今でも続いているなあ。
童話等の児童文学以外で初めて買ってもらった(買った?)本は、モーリス・ルブラン「8・1・3」。アルセーヌ・ルパンに夢中になった。全集そろえた。ところどころ出てくるフランス語と日本語の対比表まで作った。なぜかアンチ・ホームズとなり、ホームズものは中学になるまで読まなかった(ビートルズではリンゴ、新御三家ではヒデキ、たのきんトリオではマッチ、と、一番にはあえて背を向けるひねくれものの私。当時からっ!?)。こうして「本の虫」の好物は、小学校中高学年から中学~高校にかけて、海外推理にはまり、ミステリー・サスペンスを経て海外SFへ流れていった。
「本はENTERTAINMENT」が持論。思想とか考えながら読んでもつまらない。読んでから考えさせられる何かが浮かべばそれがそうであって、とにかく楽しんで読もう!という姿勢。それに加えて、何でもかじりながらもやはり一番にはあえて背を向けるひねくれものであるので、教科書に載っている「文学」はほとんど読まず、これらは教科書の中だけで終わっていた。漱石も「こころ」は読まず「吾輩は猫である」「坊ちゃん」の傾向だし、芥川も「河童」だったり。北杜夫の「船乗りクプクプの冒険」は眼からうろこだし「怪盗ジバゴ」は言わずもがな、遠藤周作も「狐狸庵閑話」最高面白いし。純文学作家といわれる方々のこういう本は宝。
海外ものをいろいろ読みあさっていたころ、雑誌「奇想天外」を見つけ・・・「私の求めていたものはこれだわっ」とばかりに定期購読。が突然の休刊。その後私の興味の対象も日本の小説に。と、「奇想天外」の復刊!しかも日本SF主体!またまた定期購読で。私の青春時代は「奇想天外」と共にあったよなもの。平井和正やかんべむさしや諸星大二郎や横田順彌や夢枕獏等々そこからいろいろな作家を知り、推理小説へも派生して本が増えていった。今見てもすごいな「奇想天外」掲載作家さんたち。このころのデビュー作から読み続けている作家もいる。
あ、ひねくれていても、これらは別。ホームズはやはり面白かったし、エドガー・アラン・ポーも江戸川乱歩も横溝も、この分野の一番は読んでいるのさっ。
平行しての歴史小説へ。大河ドラマ「国取り物語」で司馬遼太郎にはまり、流れで読んだ「燃えよ剣」「新選組血風録」で新選組に興味を持ち、ドラマで古谷土方に・・・。幕末とかわからないながらもその人物にほれた小説。
それでもそこまで。やはりミステリー(推理・サスペンス・SF)等の呪縛からは逃れられず。キングもクーンツもトマス・ハリスも京極夏彦も宮部みゆきも恩田陸も北村薫も森博嗣も有栖川有栖も・・・。講談社の冊子「IN POCKET」定期購読→新刊チェック→ネットで購入するほど「虫」。
そ・れ・が!
様相が変わり始めたのは、大河ドラマで「組!」放映を知り、放映が始まり・・・の頃から。
上述のように、かなり偏食の「虫」だったか歴史小説は司馬遼太郎で満足・満腹してた。後ろに史実が見える小説。司馬マジックかもしれないが、歴史上の人物が生き生きとして、わくわくして読んだ。だから藤沢周平とか平岩弓枝とかのいわゆる時代小説は何も興味がない。あ、捕り物帳は別!半七とか佐七とかなめくじ長屋とか。宮部みゆきの時代物も大好物!
だから戦国ものが主。そもそも幕末は苦手。戦国時代のような単純さがなかった。歴史の授業でも、駆け足ですすむところ。攘夷論がいつのまにか開国論になり、勤皇と尊王、左幕・討幕・倒幕・・・。このごちゃごちゃ感はどうにもしようがなく、そのうえ理系の自分には受験に無関係でもあり、スルーしてきた時代。大河ドラマでも、だから「花神」「獅子の時代」「翔ぶがごとく」「勝海舟」は、あまり興味がわかなかった。司馬遼でも、原作読まなかった。
「組!」を見る限りは、やはり歴史を少しでも知っておこう!と思い、まず史実本に手をつけた。そしてわかり始めると・・・なんと面白い時代であったか!食わず嫌いな、わかりにくいから手をつけない私みたいな人間はいっぱいいる。なぜ、歴史の授業ではこの時代のことを詳しくやらないのだろう。奈良平安時代よりも戦国時代よりも、ちゃんと教えるべき時代。やはりスケジュール上学年末になるから駆け足なのかな?つくづく残念だなあ・・・。
まだまだ官軍の歴史ではあるけれど。
歴史本・史実本、MOOKや雑誌までいろいろ購入。平行して、小説も。基本的に文庫本しか買わない人間が単行本を躊躇なく購入とはっ!かなりの山になっている。背表紙には「新選組」「幕末」土方歳三」の文字が踊り・・・。本棚の奥から出してきた「燃えよ剣」再読しようか迷っているところ。(読本は手元におきたい人間。「燃えよ剣」奥付は昭和52年出版のもの!字も小さい・・・。)
大河に伴って三谷幸喜関連まで手を出してる・・・。本もDVDも。(WOWOW加入してよかったよぉ。)
推理小説とかミステリとか、興味がなくなったわけじゃない。宮部みゆき「模倣犯」文庫で出たから買ってある。キングの「スタンド」も同様。「異形コレクション」もたまってる。買うだけ買って読んでない本が山積み。でもねえ、それ以上に新選組への興味が尽きないのよね~。歴史上のことだから事実はひとつなんだけど、作家によって書き方捕らえ方いろいろだし、それに伴って読後感はやはりいろいろで、それでまた他を探したりする。
でもね、今となっては「組!」キャストでしか読めないのよ。自然に浮かんできてしまうのよね。読みながら頭の中で「ドラマ」になってる。だから、小説に「違う!そんなことしない!」なんて突っ込んでいる私もいたりするんだよね。