笛田の常盤山の辺りは、戦国時代から江戸時代にかけて玉縄城の砦であった。
常盤砦である。
常盤山と言っても鎌倉の山だからそんなに高くはない。
丘といった程度で、かなり手が加えられている。
大きな平地が切り開かれているとともに、所々に数メートルほどの小山が遺されているのは興味深い。
防御のためであろうか。
背後は切岸で、今はその上が宅地開発されて家が建ち並んでいる。
この場所は、大仏坂切り通しへの入口を守るに適している。
また、梶原から化粧坂切り通しに向かう谷戸道に対しても気配りが可能である。
幾度か造り直されたのであろう、現状では戦国時代の遺構という見方しかできないのだろうが、地の利を考えると、そもそもの掘削工事はもっと時代が遡ると思う。