放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

春光乍洩

2005年08月23日 | 電影
日本語題「ブエノスアイレス」。

香港から見て、地球の反対側、ブエノスアイレスで起こる、ゲイのカップルの憎愛劇。
何かを捨てることができる、世界の果て。
圧倒的な迫力で流れ落ちるイグアスの滝。
バックに流れるアルゼンチン・タンゴ。
悲しくせつない愛の形、それは男同士であっても、男女であっても同じで、地球の反対側でも、自分たちの立っているところでも変わりない。


この作品の舞台が、なぜブエノスアイレスだったのか。
いままで香港を撮り続けてきた王家衛(ウォン・カーウァイ)監督が、地球上でまったく正反対の場所に位置するところを撮り、香港をさかさまの映像でしか表さず、いままで撮り続けてきた男女の問題ではなく、男同士の恋愛を描き、地球の反対側の現実(ブエノスアイレス、世界の果ての岬)から、台湾(イラ・フォルモサというスペイン語で麗しの島、宝島という意味をもつ島)に主人公を降り立たせた。
そして公開された年は、香港がイギリスから中国に返還される1997年。
この作品以降、王家衛は今現在の香港の姿を作品のメインの舞台にしていない。「花様年華」では60年代を、そして「2046」では近未来を舞台にしている。
それを知っていたので、よけいに最初と最後のあたりで流れる、さかさまになった香港の映像に深い意味を考えてしまった。

そんなことを考えずとも、いい映画。
映像、音楽、すべてよし。
ただ、気になるのは、行き当たりばったり的に撮ったため、都合7つの結末ができあがっていたということ。「ブエノスアイレス摂氏零度」というこの作品の別の人間ドラマを描いた作品があるんだけど、こっちも非常に気になる。
本作には男しかでてこなかったけど、7つのうちのいくつかには、女もでているらしい。

近い将来、僕がもし、イグアスの滝に行くことができ、世界の果てにもいけるのだとしたら、いったい誰と行き、なにを捨ててくるんだろう。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ユウジ)
2005-08-24 01:36:16
友達のHPを紹介しますhttp://www.geocities.jp/gore2000/index.html

かれも旅中毒
返信する
見てみます (にいや)
2005-08-24 13:20:26
ユウジさん>

ありがとうございます。

一度覗いてみます!

返信する

コメントを投稿