放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

まつりのあと

2007年04月20日 | 半死的世界旅行
祭りも終わり、チェンマイの街にも日常が戻ってきた。
一部の店は、祭り中に開いていたため、振り替えの休日をとっているが、それ以外は、もうなにも起こらない、普段のチェンマイに戻った。

12人いたソンクラーンメンバーの半分は、祭りが終わり、それぞれの旅へと帰っていった。
バンコクへ戻る人、帰国する人、ラオスへ向かう人、さまざまだ。
祭りの最終日、いままではバカ話に興じているばかりの彼らの中に、ポツリポツリと旅の話が混じり始め、なかにはガイドブックをさりげなく読んでいる人もいた。
僕の口車に乗って、三日間の祭りで燃え尽きて、旅人は次の目的地へと向かっていく。
まつりのあとは、やはり寂しいものだ。感傷的になるに決まっている。
毎年のことながら、参加してくれた旅人を見送るたびに、僕は決まって少しだけセンチメンタルになってしまう。

そして、考えるのは、僕自身の旅について。
「世界の果て」に行ってしまい、会うべき友人たちにもすべて会って、僕は今帰り道の途上にいる。それはいつも僕が書いているとおりのことだ。
そして、僕は、このチェンマイから次を目指さなければならない。
僕の次は、いったいどこだ!?
ソンクラーン前は、祭りが終わるまでに考えると公言していたが、いざその時期を迎えてしまうと、じつは何も考えていないことに、いや違う、考えたくなかった自分がいたことに気付いた。


次に僕が向かうのは?



ソンクラーン二日目の夜。
ターペー門というチェンマイのランドマーク横では、灯篭上げが行なわれていた。
紙で作られた灯篭のなかに火を焚き、空気を暖めることによって、灯篭を空に流していた。
夜空にふわふわと浮かんでいく、いくつもの紙の灯篭。
僕たちは、ひとつの灯篭を買い、みんなで願い事を書き、それを空に送った。
僕の願い事も、夜空へと消えていった。


次に僕が向かうのは?


東南アジアを廻って帰るということもできるけれど、やはり僕はモンゴルに行きたいと思った。
観光地に行っても、もう何も感動ができなくなっている僕だけれど、やはり一番初めに決めたルートで、最後までキッチリ自分の予定通りに旅を終えたいと思った。
それが僕の旅だと思うし、後悔はしたくないから。
もうしばらくタイ、そしてラオスでのんびりしてから、一気に夏のモンゴルへと疾走しようと思っている。

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GIVE ME WATER!!

2007年04月17日 | 半死的世界旅行
三年連続で、チェンマイでソンクラーンを迎えることができた。

最初に参加したのは、まだ旅をはじめたばかりのころ。東南アジアをまわっていて、偶然にチェンマイでのそれが世界でもっともすさまじい水掛け祭りだと聞いて参加を決めたのだった。
そのときの体験はえらく刺激的で、三日間ある日程のうち、二日目に熱を出して倒れてしまうほどだった。

来年もやろう!

そう決めて、世界のどこにいても、この祭りのためだけにチェンマイに戻ってこようと思った。

そして二年目は、インドからタイに戻っての参戦。

そして、今年、三年目。

二年目から作り始めたオリジナルTシャツは、この前の記事に書いたとおりだが、年々気合も入り、クオリティが高くなっていっている。
来年にはどこかでパクられているのでは? と冗談半分で言っていたのだが、コピー商品が(中国ほどではないものの)あふれるタイにおいては、あながち冗談ではなくなるのかもしれない。

二年目は四人だった、我らがソンクラーンチームも、今年はなんと十二人!
同じ宿に泊まっていたメンバーが、誰もみんなおもしろくノリのいい人ばかりで、僕のくだらない発想につきあってくれ、みんなで揃いのTシャツを着て、大の大人が昼間っからビールを飲んで、夜中まで騒いでいた。
さらに、日本からわざわざチェンマイまで水を掛けにやってきてくれた人、世界一周中なのに、わざわざ中断してやってきてくれた人など、本当に、今年の祭りはメンバーに恵まれていたと思う。
彼らがこのブログを覗いてくれているかどうかはわからないけれど、この場を借りて、本当に彼らに感謝したい。彼らがいてくれたからこそ、今年の盛り上がりがあったと思うし、本当に楽しかった。

毎年、祭りの前には、もう今年でよそうよ…。なんて弱気な事ばかり言っているのだが、やはり今年も、祭りが終わるころになると、よーし、来年も参加するぜ!と気合が入ってしまう。
今年偶然にもここでソンクラーンを迎えてくれた我らがメンバーのなかの何人かは、また来年もここでやりたいね、と言ってくれた。その言葉を聞いただけでも、くだらないとは知りつつも企画をしてよかったと思っている。

2007年4月13~15日。
水鉄砲で何百リットルもの水を無差別に掛け続けた。
翌日の筋肉痛も、祭りの場に出ると、もう忘れて、体温が冷えて体に震えがくるギリギリの瞬間まで、水を掛けていた。
そして、何千リットルもの水を浴びた。
道路を歩いているとき、水を掛け合ったとき、トゥクトゥクを貸しきって堀の周りを走っているとき。
数回、堀に蹴落とされもした。
汚い水の中、笑顔で泳いでいた。
夜は、酒を飲んで、バカ話に興じて、朝を迎える直前に、ベッドに倒れるようにして眠りについていた。

僕は、こんな時間が送れるソンクラーンを、チェンマイでの、みんなとのソンクラーンをたまらなく愛している。

来年はどうなるかわからない。
でも、きっと僕はここにいるのだろう。

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これが我らのソンクラーンTシャツ

2007年04月17日 | 半死的世界旅行
ソンクラーンも無事終わったので、著作権の関係上、公開できていなかった、ソンクラーン用に特注したTシャツのデザインを公開です。

デザインは、今年で三年連続チェンマイでソンクラーンを一緒に迎えている、世界のHONDA氏。
企画は、僕です。

写真が小さく見にくいかもしれませんが、フロント部にはタイ語で「一緒に水をかけよう」と書かれており、その下には今年のデザインマスコットのムンクの「叫び」クンとともに、「GIVE ME WATER!」と書かれてます。
さらにその下には小さく、Songkran(ソンクラーン)2007という文字と、僕たちのチーム名、Japan Songkran Friendship Membersとあります。

色は全部で五色。
赤、青、オレンジ、緑、桃でつくりました。
一応、ゴレンジャーをイメージした色使いです。
黄色では文字が見えないということで、オレンジの使用でした。

キチンとしたTシャツに、キチンとしたプリントで、1000円くらいで、こちらではつくれます。
安いね。

狙い通りの大好評で、道行く人からは、書かれている文字を見て水を思い切りかけられました。
一部の外国人からは、これはどこで売っているんだ? 一枚ほしいんだけどわけてくれないか?などと聞かれることもありました。

来年も、当然、参戦の予定です。
Tシャツはこれよりもクオリティが高いものがつくれそうなので、来年はもっとスゴイことになるでしょう。
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サイコロください

2007年04月10日 | 半死的世界旅行
最近はソンクラーン関連の事務仕事も一段落して、めっきり暇になったので、以前ブログにも書いた中東方面で遊ばれているバックギャモンをしたいと思い、おもちゃ屋を数件回ってみたのですがどこも売っておらず、それでもあきらめきれずに、手製ギャモンを製作しました。

バックギャモンに必要なのは、ボードとコマとサイコロです。
ボードは宿のチェス盤の裏を使って、マジックで書いて代用。
コマはビールの王冠で代用。
しかし、サイコロがなく、おもちゃ屋に行っても、文房具屋に行っても見つからず、挙句の果てには、ある文房具屋の親父に「サイコロなんて売ってるわけねぇだろ!」と怒鳴られる始末。
たかだかサイコロに、なんか変な反応だったので、宿のタイ人に聞いてみると、なんとタイではサイコロの販売が禁止されているらしいです。
賭博性が強いからなんでしょう。
タイには昔、カジノもあったらしいですが、今は禁止されてますし、ある時期にカジノだけでなく、サイコロまでもいっせいに取締りがあったのでしょう。


サイコロがないので、鉛筆で代用してます。
ちょっと情けない…。
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もう水かぶる

2007年04月10日 | 半死的世界旅行
何度もこのブログで書いてますが、今年のソンクラーンinチェンマイでは、オリジナルTシャツをつくってみんなで遊ぼうやないかと思っていて、旅先で会った人や帰国しているのに無理やりにタイに遊びに来させた人も含め、なんと総勢10人を超えるチームができそうな運びとなりました。
年々、大掛かりになっていく僕のソンクラーンですが、今年はゴレンジャーをモデルにした5色のTシャツでがんばろうと思ってます。


今年は例年にくらべ暑い日が多く、すでにチェンマイでは子どもたちを中心に水掛けが始まっています。
日中、うかうか外を歩いていると、まだ本番のようにバケツで、ドリフのように、頭から水をかぶるということはないですが、水鉄砲の強力版で、体にかけられてます。
ま、水をかぶったくらいが涼しくてちょうどいいのですけど。


今年もエキサイトしたいと思います。
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飲んだくれの断片

2007年04月08日 | 半死的世界旅行
タイのチェンマイで毎日飲んだくれている。

ソンクラーン(水かけ祭り)のために来ているので、祭りの準備は着々と進んでいるものの、それ以外はこうやってネットをするくらいしかやることがなく、まあ、夕方になればビールを飲み始めるのは、日課になってしまっている。

昨日、飲みながら、ふと考えてみたのだが、いったい僕はこの旅のなかで、いったいどれだけの酒を飲んできたのだろう。
2年ほどの旅のなかで、酒がまったく飲めなかったのは、イエメンくらいしかなく、あとの国は毎日ではないものの、それでも2日に1回は確実に飲んでいた。酒のある国では、もう毎日だ。確実に。


7年ほど前、僕は中国の新疆ウイグル自治区を旅していた。
パキスタンで約1か月を過ごし、このときもほとんど酒を飲むことができず、かなりアルコールを欲していて、酒が白昼堂々飲める中国に入った瞬間に僕はビール瓶を一本一気飲みした記憶がある。
そんな直後のことだから、僕は本当に毎日、朝からビールを飲んでいて、2週間の中国滞在で、僕一人で、ビール大瓶を100本空けた。カウントしていたので、本当に空けた。
毎日朝起きて、とりあえずホテル下の商店に行き、ビールを購入し一気飲み。観光に行くときもビール。水を買うことはなかった。食物以外の水分はすべてビールから摂っていた。
もちろん体重増加も著しく、パキスタンで痩せ細った体に、たった2週間で6キロ以上の肉がついた。デ・ニーロも真っ青の太り方だ。


ドイツでドイツ人を呑み負かしたこともある。
モンゴル人と10対1の飲み対決をして、3時間でノックアウトさせられたこともある。

僕の旅は、つねに酒と一緒だった。



チェンマイで、いままで飲んできた酒、今まで一緒に飲んでくれた仲間、飲んで騒いだ場所を回想しながら、氷の入った薄いタイのビールを喉に流し込んでいた。

酒が好きで、酒を飲んでいるときは、本当に幸福を感じる。
一人でも飲めるけれど、やはり酒は大勢で飲んだほうが楽しい。
今、ソンクラーンのために、チェンマイに多くの旅行者が集まってきている。今年はTシャツをつくります、と言ったら、多くの人が市価よりも高い値段だけれど、Tシャツをほしいと言ってくれた。おかげさまで、当初10枚限定の予定が、追加で印刷をしなければいけないようになりそうだ。

毎晩3時とか4時まで、宿の庭に面したテーブルで飲んでいる。
旅行者は下戸の人も多いけれど、今年の祭りは、どうやらほとんどの人がイケるくちのようで、うれしい。
毎日朝方まで飲んで、昼まで寝る生活。寝すぎで、体がだるい。でも、今夜もまた大量のビールを空けてしまうのだろう。


とりあえず、ネット屋からの帰りに、ビールを一本買って帰ることにしよう。

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UDON

2007年04月06日 | 電影
バンコクに来ると必ずチェックするのが、映画館。
バンコクでは必ずどこかで日本映画を上映しており、それを見るのが毎年の恒例になっている。
今年のバンコクは、「NANA2」が大ヒット中。日本では流行っていたんでしょうか、これ。なんか、タイではもう爆発的です。どこのシネコンに行っても上映しているほどで、へたなハリウッド映画なんかよりもよっぽど宣伝されてます。タイの日本にあこがれる少女たちのツボをしっかりとつかんでいるようです。先日も、ローカルテレビを見ていたら、NANA2のプレミア試写会の前に大勢のコスプレ少女たちが集まって、そっくりさんコンテストをやってました。もちろん日本語で歌なんか歌ったりして。


そんな状況なので、日本映画は「NANA2」しかやっていないかと思っていたら、一日一回きりの上映で、「UDON」がやってました。
NANAは初作を見逃しているので、こっちを観ました。


「UDON」というタイトルからも連想されるように、まさしく「うどん」の話。
主演は、ユースケサンタマリア、小西真奈美、トータス松本。
作品がはじまってすぐに、カメラワークとか音響とかがやけに「踊る大捜査線」にソックリだなと思っていたら、やはり製作が同じ人でした。
香川県のうどんブームをつくった麺通団結成の話をベースにした、笑いあり涙ありのエンターテイメント作品でした。
「踊る」が好きな人ならば、これは好きなんじゃないかな。テンポもよく、あまり考えないで、素直に作品を楽しめる感じです。うどんというテーマをもってきたところも、なかなかおもしろい視点でした。うどんを撮るときのカメラワーク、色合いがとてもきれいで、うどん食いてぇー! ってなります。
日本食が食べれるバンコクで見ておいてよかったです。これがカイロとかなら、間違いなくうどん食いたさにホームシックになること必至です。

とはいっても、作品の完成度、役者の演技、演出などから判断するに、わざわざ映画でやるほどの作品ではない気がします。それよりもワンクールでテレビドラマとしてやったほうが、もしくは2時間ドラマでやったほうがウケがよかったのでは、と思いました。



そして、いちばん気になったのは、うどんを食べるシーンでの、ユースケサンタマリアの箸使いの悪さ。
観ているほうが不快になる箸使いしてます、この男は。
どんなにいい感じで演技してても、この箸使いだけで、すべてをパーにしました。ユースケを主役に置いたということだけで、この映画は駄作です。
グルメをテーマにした映画なんだから、せめておいしそうにうどんを食べて、観ているほうにも不快感を残さない役者を選んでほしかったです。

作品としては、まあまあですが、箸使いの悪さにムカツく人は、精神衛生上観ないほうがいいでしょう。
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やる気は、男>女

2007年04月03日 | 半死的世界旅行
(はじめに)
この記事、エッチィので注意してください。
エッチなことに目くじらを立てる方は読まないほうが、よいです。









































えー、人間ヒマになるといろいろなところに行き始めるもので、ヒマに任せてというか、ネタに困って、ついに行ってきました。


ゴーゴーバーのゲイ版に。



こう見えても、じつは僕はゲイに間違われることが今まで多く、最近であれば、シリアのアレッポという町で、道を聞いた男にその後2時間ほどしつこく付きまとわれ、挙句の果てに髪の毛や耳をいぢられたりしたり、同じくシリアのダマスカスでは、昼食にふらりと入ったファーストフードの店員が、僕が店を出た後に激しく走って追いかけてきて「電話して」と携帯番号の書かれた紙を渡してきたりと、まぁ、こんな感じで、女にゃもてないが、男には時折激しくもてているのであります。

そんなわけで、ゲイゴーゴーバー(略してゲイゴバ)にネタ半分、もしかして本気でタイプがいたら、もうこの際30目前だし開眼してもいいんじゃないかってな開き直り半分で、行ってきました。

現在僕は、10年ほど前にインドで出会って、今はバンコクで駐在員をしている男の家に居早漏させてもらっているわけなんですが(残念ながら今のところ肉体関係はなし)、ソイツと、彼の友人で同じくバンコクで留学生をしている女性と、僕がトルコで出会った自転車に乗らないチャリダー、そして飲みすぎのコリアンガイの6人で、酔っ払った勢いを借りて、バンコクの歓楽街タニヤストリート近くにある、ゲイゴバに行ってきました。

ソイというタイの路地全体がゲイゴバ各店になっていて、路地に足を踏み入れた瞬間から、その手のアニキもしくは小姓たちが、激しく客引きをしてきました。

まぁ、どこのゲイゴバもどうせ一緒だろうと、あんまり奥に挿入することはせずに、路地を入ってすぐにあった、その名も「H♂T Male」という店に入りました。ネーミングセンスは、一流です。


だいたいタイのこの手の店は、入場料はとくにない、らしい、のですが、ワンドリンクを頼まなければいけないことになっている、らしく、それが200バーツ(日本円で800円しないくらい)。ビールでも、カクテルでも、ソフトドリンクでも。
とりあえず、ビールを注文し、案内された、舞台かぶりつきの席に腰掛けました。

店の中央には、吉野家のカウンターような形の舞台があり、そこを囲むように席が設けられています。このあたりは男の店も女の店も同じ感じ、らしい、です。

すでに舞台では、夜の蝶ならぬ、夜の蜻蛉たちが、自らの体をさらけだし、ついでにブリーフから、暑く煮えたぎった自らのオティムティムもさらけだして、舞台を周遊しています。

なんてこった。
おねーちゃんのいるゴバのほうは、だいたいがきわどい水着や下着どまり、らしい、ですが、ゲイゴバのほうは、もう最初っから、エレクトしてます。天狗さんだらけの鞍馬山です。
客の好みに100%満足保障のさまざまなタイプが周遊していて、全身にタトゥーのいかつい弁慶さんがいれば、吹けば飛ぶような牛若丸さんもいます。
そして、彼らの名刀を眺めながら、酒を飲んだり、もうすでに静御前をはべらせたりしている白い清盛さんがいたりと、舞台下からも目が離せません。

と、最初のうちはその名刀っぷりに驚いていた僕ですが、ちょっとおかしなことに気がつきました。


<気がついたことその1>
みんな小次郎並の長刀ばかりで、脇差級が誰もいない。


<気がついたことその2>
みんなブリーフをはいており、刀の先っちょの亀さんと茎の部分半分ほどが、ブリーフの上からはみ出ている。


<気がついたことその3>
つねに手と指が自らの刀に触っており、みんな刀のお手入れに余念がない。





<その1>については、若干僕のプライドを傷つけただけでなく、やはり見れば見るほど、おんなじアジア人なのに、それはないだろう、その長さはないだろうと思うようになりました。
いや、僕のが、そうなのかもしれませんが、いやいや、それにしても、彼らのは長すぎです。



…。







…。








えっ、それが標準?











<その2><その3>については、理由はすぐにわかりました。
つまりエレクトしているかのように思っていたのですが、じつはエレクトしていないのです。商品としての立場では、やはりエレクトして、自己ベストを更新し続けるくらいのほうが、見栄えもいいのでしょうが、男性諸君はもうお分かりのとおり、人間そんなにエレクトし続けることはできません。最高瞬間速度がすごいといっても、やはりそれは瞬間のもので、それをキープし続けるのはやはり難しいのです。
なので、彼らはブリーフに挟むようにして、あたかもそれがエレクトしているように見せているのですね。
しかし、それがわかったところで、詐欺じゃないか!と怒るという気分にはなりません。彼らも見栄春クンなのです。女性が寄せて上げるのと大差ないじゃあございませんか。
彼らも、ニンゲンを大きく見せたいのです。うん、それはよくわかる。





と、番号札のついたブリーフは店のコスチュームらしく、みんな青ブリーフです。
番号札のついているのは、もちろん指名しやすいようにで、野球選手の背番号みたいなものです。女性の店のほうも、こういう番号はついている、らしい、です。
そして気に入った子がいれば、その番号を言えば、もれなく横に座ってくれるシステムのようです。






彼らはただダラダラと愛想笑いを振りまきながら、その舞台を回っていましたが、それだけじゃあ客も飽きてきます。
入札タイムがしばらく過ぎると、彼らは全員舞台からはけてしまいました。
そして、舞台上部に設置してある、電車のつり革のようなものを用意し始めました。
そうやらこのあとはショータイムの時間のようです。





と、ここまできて、店の熱気も一段落し、僕も隣の一緒に来た彼らを見る余裕ができました。
偽チャリダーとコリアンガイの3人は、もうゲロを吐きそうなくらい落ちています。さっきまで陽気に酔っていたとはまったく思えないような、通夜の帰りのような雰囲気。偽チャリダーなんか、テーブルの上に突っ伏してなるたけ舞台の方を見ないようにしていました。ウブなんですね。

ハイネケンビールをちびちびやりながら、待つこと数分。いよいよショーが始まるようです。

まず出てきたのは、明らかにニャンコちゃんな男の子2人。ひとりは頭にバンダナ、もうひとりはジャニーズ系な髪型です。もちろん、彼らは登場したときから全裸。顔つきに似合わず、大筒を携えての登場です。
彼らがナニをするんだろうと思っていたら、すぐにもうふたりが登場しました。ガングロ筋肉質タトゥーバリバリのアニキ系です。彼らのキャノンには、すでにコンドームが標準装備されています。

と、いうことは…



想像通り、舞台に上がるや否や、すぐに挿入です。
ズッポリです。
だいたい、男同士の、ナニがナニにナニしてるところなんて、まさか僕の人生の中で、生で目にすることがあるとは夢にも思っていませんでした。
そういう意味では、ここはパリに並ぶ、僕の中の「世界の果て」です。
ナニがナニに奥の方までナニしようとしてるのですが、あんれまぁというくらいに簡単に入っていきます。バンダナ君が「ううっ」と吐息交じりの声を漏らしています。ま、そういう感じです。

そして王座防衛級のピストン堀口。

バンダナニャンコちゃんは、やはりストロー級なので、フェザー級のガングロに軽々と持ち上げられて、そのまま。「後ろから前からどうぞ♪」。
つい、畑中葉子を思い出してしまいます。

成城かと思いきや、後輩に、さらに入れたまんまで、グルングルンとガングロがピストンしながら回転を始めました。
すごい、すごい。
ロシア人ならばハラショーと叫ぶべきところですが、僕は日本人なので、すっげー!と言うことしか出来ません。
とにかくすごい。雑技団並み。
これは、人間風車です。かつてプロレスにそんな技がありましたが、それは今思うと風車でも何でもありません。ただまわしてるだけ。こっちのほうが風車です。
風車の弥七のあとは、つり革らしきものを持って、二人ともに空中交尾です。鳥だって木やどこかに止まって交尾をしよるのに、彼らはそれすらも超えてます。翼をくださいと歌った赤い鳥も仰天の、まさしく反重力とはこのことを言うのでしょう。




そんなこんなな、ナニが延々と30分くらい続きました。
さらに持ち上げて運びながら、ただでさえ狭い観客席も回りだしました。ブッチャー顔負けのファンサービスです。白い弁慶さんからは、容赦なくタオルならぬ、100バーツ札が乱れ飛んでます。それをニャンコが咥えて、さらにファイティング原田。

もう、ナニが正しくて、ナニがどうすごいのか、今まで僕が行なってきたナニがどうだったんだ!?と完全に、価格ならぬ、意識破壊です。
そんな破壊王も、いつかは果てるときが来ます。再び舞台に上がり、大震災級のゆれがバンダナニャンコを襲い、そして、マジで昇天し、ショーは終了しました。



僕、大満足。

ソッチ系ではないものの、ここまでエンターテイメントしてるとは思わなかったです。セックスって、すばらしい。男同士って、すばらしい。無限の可能性を、今ここに見せてくれました。






一緒に行ったメンバーはほぼドン引き。
紅一点の女の子だけは、あーおもしろかった、と言ってます。ところが、僕の方も、ショーとしては楽しめたものの、風俗としては楽しめませんでした。ボッキもナニもしませんでした。そりゃそうなんだけど。もしかすると、男が風俗に行ったときの女の子の気持ちって、こんなものなんじゃないかしらんとちょっとわかった気がします。



女の子のゴバのほうは、まあ半裸に近い状態で立っているだけで、まるで見本市のよう、らしい、ですが、男の方は、いやぁこれは200バーツ分しっかり楽しめました。
やる気は、完全に、男>女、らしい、です。

バンコクの風俗行に従事する女性たちへのお願いです。
もっと、ショーを見せてよ。
そうしたら、一回行ってみようと思うんだけどなぁ。
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