放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

モグモグ隊台湾遠征 第1話

2017年01月06日 | モグモグ隊
「集合は終電で」。
その一言を念仏のように繰り返しながら、僕は終電1本前の電車に揺られて関西国際空港に向かっていた。
大阪市内を走る頃は家路を急ぐ人も乗っていたが、うとうとしているうちに車両に人はほとんどいなくなっていた。
電車は鉄橋を渡り空港へと到着した。
閑散としたホーム。人の気配がほとんどない。
若干不安になり、メンバーにLINEを送る。
「ワレ カンクウ ニ トウチャク セリ」

すると、メッセージは一瞬で既読に。
その直後、やはぎ氏から「わしもじゃよ」と返信があった。
JRと南海の電車が違えど、ほぼ同タイミングで空港駅に着いていたようだ。

2016年10月某日。
今回、5年ぶりに再結集した我々モグモグ隊が向かう先は、台湾。
沖縄、名古屋、東京とモグモグを繰り返してきた我々は、2泊3日の初の海外遠征に挑む。
今回は旅費をギリギリまで節約するために、往路の移動はLCCのバニラエアを選択した。復路もタイガーエアというLCCだ。どちらもセール時期をあざとく見つけて購入。一人往復18,500円。
三連休でこの値段だ。安い。

今回のモグモグ旅。事の発端は、海外旅行大好きの僕が、酔いの勢いに任せてやはぎ氏に「海外行こーぜ! LCC使ったら安く行けるし」とつぶやいたことから始まる。
「なんで飛行機に乗らなあかんのじゃ」というミスター高所恐怖症のやはぎ氏は、リーダー・をきな氏に愚痴ったが、「台湾といえばおいしい食事。安くモグモグできるなら世界のどこだって行っちゃう!」というをきな氏の鶴の一声で開催が決定した。やはぎ氏の意見はまるで無視された形だが、いざ行くという段になると、LINEの返信の素早さからも感じられるように、あながち嫌ではないらしい。

JRの改札を出たところで、やはぎ氏が満面の笑みで右手を振っていた。
「久しぶり」でも「今回よろしく」でもなく、僕の第一声は「なんで短パンやねん!」
そう、やはぎ氏は何を考えたのは、10月の深夜、短パン姿で駅にいたのだ。
駅の改札でおちあう40歳手前のオッサン二人(うち一人は短パン姿)。
もうそれだけでホラーだ。今回の開催に暗雲がたちこめている気がする。
「台湾といったら南国だし、暑いやろがい」
10月の台北の平均気温は24℃。現地で短パンになるのはいいが、なぜ君は自宅から短パンでくるのかね? 海パンをはいて登校する小学生のようなテンションのやはぎ氏に、少しクラクラした。

しかし本音をいえば、格好なんてどうでもいい。
我々に必要なのは食欲のみだ。
結婚式ではないが、人生で大切にしたい3つの袋が我々にあるとすれば、それは「胃袋」「胃袋(その2)」「胃袋(その3)」である。
まさか、エネルギーの消費を高めるためにあえて肌を露出する短パン姿で来たのか、やはぎ氏?

空港のターミナルのベンチに腰掛け、短パン姿をディスっていたときに、ふと気付いた。
何かが足りない…。

そう、リーダーだ。
まだリーダーが来ていない!
しかし電車はすでに終わっている。まさかの不参加か。
冷や汗ならぬ脂汗がドロリと背中を流れた。
「おい、やはぎ。をきな氏は?」
「ああ、まだ来とらんな。何しとるんやろな」呑気である。
すぐにLINEを打つ。
しばらくするとをきな氏から返信があった。
「海」
意味不明である。
しかし、我々2人にできることは、リーダーを信じて待つことだけ。
気分はセリヌンティウス(by走れメロス)だ。
その後、再びをきな氏から着信。「島に到着!」とあった。
もしや、をきな氏は船で来たのか? 意外だった。盲点だった。神戸から関西国際空港へは船でアクセスすることができたのだった。
船のタラップを降りて登場! となれば格好よかったのだが、船着き場からバスに乗せられたらしく、をきな氏はエアポートバスの停留所からやってきた。
「悪い悪い」我々が心配していたことを知らないリーダーは、反省の色はまったくない。
しかし、ここでモグモグ隊が揃った。
無事に台湾へ行ける。こうして旅は始まったのだった。



ほぼ誰もいない空港。夜中の空港はさすがに寂しい。


ちなみに、我々が搭乗する飛行機はAM3:00過ぎのフライト。
出発2時間前のチェックインまでもまだまだ時間はあった。
僕は仕事を終えた足で空港に来たこともあり、夕食を食べていなかったが、をきな・やはぎの両名はちゃっかり夕食を食べていた。
台北着はAM5:00すぎの予定のため、空腹で夜を越したくなかった。
「何か食べますわ」とコンビニに入れば、ちゃっかり二人もついてきて、カゴにビールやつまみを入れるわ、入れるわ。
「さっ・か・も・り! さっ・か・も・り!」とテンションマックスの両名である。

もちろんそんな申し出を断る理由もなく、モグモグ台湾遠征の記念すべき第1食目は、空港でコンビニ飯となったのだった。


まずは買い出し1回目!



それで足りるわけもなく、買い出し2回目!
なぜ小指が勃っているのか不明…。


その後、やたらハイテンションの我々は、チェックイン時間ギリギリまで、空港のベンチでどんちゃん騒ぎ。
爆買いの中国人たちも真っ青のひどいありさまであった。



キッズコーナーで爆睡する両名。精神年齢だけがキッズである。


(続く)
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モグモグ隊台湾遠征 序章

2017年01月04日 | モグモグ隊



もはやライフワークと言っても過言ではないであろう。

モグモグ隊のことである。
大学時代のクラブの友人たちと組んだ、旅先のおいしいものを欲張って何でも食べてやろうというユニットだ。
過去に、沖縄や名古屋、東京などで遠征を繰り広げてきた我々だが、実はそれほど多く活動しているわけではない。特にいつ開催するか決めているわけではないので、実態はオリンピックよりも長い5年に一度の開催にとどまっている。
もちろんその間も順調に齢を重ねているわけで、20代前半で結成したユニットも、今回の開催ではメンバーは不惑を迎えている。歳月の過ぎるのは早いものだ。


過去の活動については、以下のリンクを参照されたし。

モグモグ隊名古屋遠征

金八っつぁん!(モグモグ隊名古屋遠征番外編)

モグモグ隊名古屋遠征 第2話

モグモグ隊名古屋遠征 第3話

モグモグ隊名古屋遠征 第4話

モグモグ隊名古屋遠征 第5話

モグモグ隊名古屋遠征 最終話


ご、5年ぶり!(モグモグ隊東京遠征 序章)

結局、東京遠征のときの話はまったく書いておらず、闇に葬り去られてしまっている。
でも、これでいいのだ。
我々の活動の根本原理は記録に残すことではない。刹那の満腹を味わうことにこそある。


ということで、前回に習い、改めてメンバー紹介(ほぼ前回流用)。
正式メンバーは、現在3名。

リーダー:をきな
バイクとギターとキャンプをこよなく愛し、授業よりも昼寝、クラブ活動よりもピザ屋のバイト、恋愛よりも男連中とドライブを選び、大学を余裕で留年するなど、流浪の人生を送ると思いきや、あっさりと就職。さらに職場恋愛の末にいい嫁さんを見つけ、かわいい子どもまで産まれ、これまでの人生のすべてを汚点と言い切り、マイホームパパに。結局人間そういうもんなのね的な人生を邁進している、チーム内の幸せ度ナンバーワン男。最近ミニファミコンを購入し、指にタコができるほどやりこんでいるとか、いないとか。

メンバー:やはぎ
をきな氏以上にバイクと旅と酒をこよなく愛する巨漢の無頼漢。神が与えたもうた試練なのか、数多のブラック企業勤務を経て、現在はトラック運転手。深夜0時を超えると機嫌がみるみる悪くなり、どんな遅くまで起きていても朝4時にはしっかり目覚める、市場で働かせたい男ナンバーワン。高所恐怖症。ドリームキャストにハマっていたことは黒歴史。ミリタリー関係も大好きで、酒の席でうっかり聞いてしまうとかなり長引く。なぜか毎年実家から大量の鴨肉が送られてくる。

幹事:にいや
当ブログの書き手。生来の何でもやりたがり、しきりたがりであるため、結果いつも幹事役がまわってくるが、むしろ喜んで引き受けている。モグモグ隊の活動が5年に一度なのも、海外放浪癖があり、休みのたびにふらふらと出かけてしまい、幹事自身が企画をたてないから。身長は日本人の平均以上にあるものの、モグモグ隊のときは最小身長になってしまうことに、少なからずコンプレックスを抱いている。最近はとみに酒に弱くなったことが悲しい。


そんな我々が選んだ、今回のモグモグスポットは、台湾。
初の海外遠征である。






小籠包から中華料理、屋台の小吃まで、ありとあらゆるものを食べつくしちゃうぜ!

(続く)
コメント (2)
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2017年

2017年01月04日 | 京都編集邁進道
あけましておめでとうございます。
のんべんだらりと、日々の欲望のおもむくままに生きていたら、気付けばもう不惑の年。
前厄になりました。

1年の始めは、今年の目標をたてるべきだろうけど、僕の目標は毎年同じだが、特になし。
人生なるようになる。
いいことも悪いことも平等にふりかかって来ればよいと思う。

そんなわけで、今年も平常運転。
よろしくお願いいたします。

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