ブイブイ武威

武威の町は、本当になにもなかった。

歩いて30分もしないうちに観光を終えてしまう。

翌日、張掖に向かうため切符を買いにいくも、「当日でいいアルよ」と言われ、やることがまったくなくなってしまう。

しかし、そこに登場したのが、蘭州男4人組。
たまたま泊まったホテル（本当は外国人は泊まれないのだが、バスターミナルそばだったこともあり泊めてもらった）にいた、ナイスガイたち。
チェックインのときにたまたま横にいて、「おいおい日本人だぜ」と興味を持ったのか、いきなり僕の部屋に乱入してきて、勝手にタバコを吸い始め、吸殻を床にほったらかしにしていくという暴挙に出た。

晩飯を食べたあと、ホテルの部屋に戻り早く寝ようと思っていたところ、こいつらに捕まり、部屋に半ば監禁状態で酒を飲まされ、つまみを食わされ、僕はお腹がいっぱいだって言っているのに「外へ飯食いにいくぞ」とタクシーに乗せられ、屋台街でひきずりおろされ、羊の肉のフルコース＆ビールの接待を受けたのだ。

この地方では、羊は本当に無駄なく食べつくす。
このとき出てきた料理は、羊肉の串（BBQ）、羊の肝の串、羊のあばら肉の塩漬け、羊の足の煮込み、羊の頭を茹でたあと真っ二つにかち割ったもの、羊の脳みそ。

日本だったら間違いなくゲテモノ扱いされるこれらのもの。
食べてみると、本当においしい。
とくに脳みそ。クリーミーで舌の上でとろけるよう。
食べる機会があれば、ぜひチャレンジを。

そして、羊のフルコースでお腹いっぱいになった僕が、酔っ払いたちに次に連れて行かれたのが、なんと、



ピンクの電気が怪しすぎる「美容美髪」と書かれた美容院を装った風俗。





にいや「いや、本当に、そういうことは、ほら、やばいし」
蘭州人「＠＠＠＠＠＠＠＠＠（笑）」
にいや「もう、ほんまに、俺、そういうことしないし」
蘭州人「＠＠＠＠＠＠（とびっきりの笑顔）」
にいや、蘭州人に力づくで店内に連れ込まれる。
なかにはミニスカートのおねーさんが一人。妖艶な笑顔で迎えてくれる。
蘭州人「＠＠＠＠＠＠＠＠（ゲヘゲヘ）」
風俗女「＠＠＠＠＠＠＠＠（ニコリ）」
そして、美容院を装っている店内の椅子に腰掛けさせられる僕。
蘭州人「＠＠＠＠＠＠＠＠（にいやの肩をポンとたたく）」
にいや「え？どういうこと？」
風俗女、ニコリと笑って、いきなりにいやの頭にシャンプー投下。
ゴシゴシと洗い始める。
後ろでこの様子を見て笑っている蘭州人。
もくもくと僕の頭を洗う風俗女。
勝手に頭を洗われてどうしたらいいのかとまどう僕。
そして、泡は洗い流され、濡れた髪のまま、奥にある個室に案内された。
にいや「おい、これ、やばいって。これ本番でしょ、そういうことでしょ！」
蘭州人「＠＠＠＠＠＠（ひたすら笑顔）」
風俗女が俺に着衣のまま横になれと言う。
もうこうなればいけるところまでいってしまうぞ、と開き直り、横になる僕。
このあと服を脱がされて、あんなことやこんなことが…。
もう僕のあたまのなかは妄想パラダイス。
風俗女の手が僕の足のつぼを刺激する。
にいや「いやあ気持ちいいじゃないの。フォッフォッフォッ」
と少し飛びはじめた僕の思考回路。
蘭州人は同じ部屋でにこにこ笑って様子を見ている。
にいや「自分、ずっとここにいる気？」
と日本語で言っても、通じず、終始笑顔。
そのあいだにもマッサージは手に移動。
このあとどういう流れなのだろう、と完全に開き直った僕はもうドッキドキ。
風俗女、ジェスチャーでうつぶせになれと指示してきた。
言われるがまま、体を反転させる僕。
マッサージは続き、背中、肩、首に。
あんまり揉まれなれていないので、こうも丁寧にやられると明日の揉み返しがきついなあ、と思っていたことろで、突然笑顔の蘭州男から背中を叩かれ、終わったというジェスチャーをされる。
にいや「え？　終わり？」

そう、これで終わり。
それ以上も以下もなく。



風俗美容院では、普通にシャンプーとマッサージもできるのだった。
蘭州人がどうして僕に、そんなことを体験させたかったのかはいまいち不明なのだが、とりあえずこの場はすべて蘭州人のおごりなのであった。


っていうか、めちゃくちゃ消化不良なんですけど。