手の触れし 箇処より氷柱(つらら) 痩せ始む
けふは えびのように 悲しい
角やら ひげやら
とげやら 一杯 生やしてゐるが
どれが悲しがつてゐるのか 判らない。
ひげに たづねて見れば
おれではない といふ。
尖つたとげに 聞いて見たら
わしでもない といふ。
それでは 一体 誰が 悲しがつてゐるのか
誰に 聞いてみても
さつぱり 判らない。
生きて たたみを 這うてゐる えせえび一疋。
からだぢゆうが 悲しいのだ。
遺作。。。。。
角やら ひげやら
とげやら 一杯 生やしてゐるが
どれが悲しがつてゐるのか 判らない。
ひげに たづねて見れば
おれではない といふ。
尖つたとげに 聞いて見たら
わしでもない といふ。
それでは 一体 誰が 悲しがつてゐるのか
誰に 聞いてみても
さつぱり 判らない。
生きて たたみを 這うてゐる えせえび一疋。
からだぢゆうが 悲しいのだ。
遺作。。。。。