アンコウ物語

徒然なるままに

冬の味覚-鮟鱇

2012-01-05 18:16:17 | グルメ

  

  代表的な冬の味覚の一つ、鮟鱇。 茨城県北部や福島県南部ではどぶ汁が有名です。
   今では鮟鱇は高級魚となりましたが、30年から40年前までは一番安価な魚の一つ。
    昔、漁船ではこの鮟鱇が底曳き網に入るとがっかりしたものでした。しかし今では、
    スーパーでもなかなか手を出しにくい高値の魚。これほど出世した魚も珍しい。当時は
    東京などの消費地では身(肉)と肝以外は殆ど食べる習慣がなく、水揚げされた漁港では
    身と肝以外は全て、中には肝さえも捨てて市場へ出荷しておりました。

 

  どぶ汁発祥の地とされる茨城県平潟漁港とその周辺では、昔からどぶ汁が食卓に上り
    鮟鱇の七つ道具である肝、卵巣、ひれ、えら、胃、皮、身は全てこのどぶ汁に入れ捨てる
    ところがありません。また、「鮟鱇の共酢」もかなりポピュラーな料理でした。最近、
    北茨城市を始め全国の多くの旅館、民宿や料理屋では高級料理として鮟鱇鍋が提供されて
    おります。どぶ汁と鮟鱇鍋では調理法や中身が異なり、旅館や民宿では価格も違います。
    元々、漁師料理であったどぶ汁は鮟鱇、「大根のイチョウ切り」と味噌しか使われず、水も
    入れません。鮟鱇以外に大根、春菊、ネギ、白菜などの多くの野菜が入ったあんこう鍋とは
    大きな違いがあります。当然、鮟鱇の量の比率が多くなるどぶ汁の方が価格が高くなります。

    さて、鮟鱇の水揚げ量日本一はどこか?平成20年のデータでは、茨城県平潟漁港 25トン、 
    福島県相馬漁港 193トン、島根県浜田漁港 248トン、 山口県下関漁港 857トン、となり
    下関がNo.1です。しかし、鮟鱇料理、鮟鱇鍋、どぶ汁と言えば茨城県、特に平潟が有名です。
    40年前は平潟漁港でも700トンを超える鮟鱇の水揚げがありました。漁獲高は減少しても
    平潟のどぶ汁の名声はまだ続いています。

 

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