つれづれ

日記

私の母はサイボーグ 7

2010年03月18日 17時46分33秒 | Weblog

 

私の母は

心臓外科のある病院に転院したが

困ったことが一つあった。

それは

私の進路についての相談が

担任と全く出来ない事だった。

2月には

三者懇談が予定されていた。

担任は

「病院まで行くからお母さんにそう言って」

と私に言った。

しかし

母の病状は思いの他

悪かったらしい。

心エコーを見た医師が

「今まで飛ばなかったのが不思議なくらいだね」

「突然で大変だけど」

「明後日手術しましょう」

「これはやらないといけない手術になるので」

「納得していただけますか」

あれよあれよと言う間に

手術の日程が決まってしまい

三者懇談の日は

ICUに入っている予定だった。

結局

私の三者懇談は

行われること無く終わってしまった。

 


私の母はサイボーグ 6

2010年03月17日 10時52分09秒 | Weblog

 

検査入院すると

抗生物質の点滴と

血液検査

レントゲン

血管造影による

CT

MRI

整形外科

産婦人科

眼科と

毎日何かしらの検査が行われた。

そこで分かったのは

「ヒゾウが異常に腫れている」

という事だった。

検査入院中に

「肝臓も腫れてきて胸水も溜まってきている」

「肝臓の検査をするから細胞を明日取り出す予定だ」

と母は医師から言われた。

翌日

はじめに心エコーで心臓の状態を見ると

「心臓の血液を送り出すソウボウベンというところに」

「ばい菌のかさぶたが2センチある」

「それが今、ヒラヒラと弁が動くたびに揺れており」

「いつ剥がれてもおかしくない状態で」

「脳に飛んだら脳梗塞」

「心臓に飛んだら心筋梗塞」

「病名は」

「感染性心内膜炎というまれな病気です」

「肝臓などの腫れはここから来ているので」

「検査はしません」

「すぐに心臓外科のある病院に転院してください」

といわれてしまった。

 


私の母はサイボーグ 5

2010年03月16日 18時36分04秒 | Weblog

 

職場で倒れてしまい

母は

これはかなりおかしい

ようやく悟った様だった。

その日の午後診で

やっている病院を探し

受診すると

「抗生物質がここまで効かないのはおかしい」

「即、検査入院をお勧めしたい」

と医師から勧められたが

母の中で検査入院は

1.2日の程度

だと考えていたらしく

それだけの仕事をこなして入院すればいいか

安易に考えていた。

結局次の日も体調が悪く

同じ病院にかかる。

昨日の薬も効かなかった事を伝えると

医師から

「検査入院の紹介状を書くから行きなさい」

と強く言われたらしい。

母が

1.2日ですよね

と念を押すと

「何言ってるの。2週間はかかるから」

との事だった。

一人ケアマネの母に

そんな長い間休めるわけがなく

母は

検査入院をしないつもりだったらしい。

受験生が居て

仕事も休めないと

医師に言うと

「受験の日が葬式になったらどうするの」

母は

医師から本気で脅された。

その翌朝

何もしていないのに

右足が痛み出し

夕方には

前のように腫れ上がってしまった。

夜はトイレにも起きれず

母は父に

尿取りパットを買ってきてもらい

それで夜中の用を足していた。

何もしていないのに足が痛む状態が

母の検査入院を決めた。

 


私の母はサイボーグ 4

2010年03月14日 07時32分57秒 | Weblog

 

結局

熱が出なかったのは

4.5日程で

咳も再び出はじめた。

病院へ行くことも

面倒になった母は

大量に残っていた

抗生物質と咳止めを飲んで

仕事に出かけていた。

しかし

抗生物質は全く効かず

熱が出たら

カロナールで下げる

という方法で

日常をなんとかやり過ごしていた。

12月下旬になると

休みの日は朝から寝たきり状態で

私たちは出来合いの物や

外食が増えた。

年末の休みは

4日取っただけで

その4日は全て

母は寝たまま過ごし

実家へすら帰ることが出来なくなっていた。

1月4日、仕事始めの日

母は職場で

倒れてしまった。

 


私の母はサイボーグ 3

2010年03月12日 08時45分39秒 | Weblog

 

足の痛みが治まった母は

多少元気になったが

40度近い熱が

毎日続くようになっていた。

朝は37度台で会社に出かけ

午後になると38.5度以上熱が出る。

我慢できなくなると

カロナールという解熱剤で熱を下げる。

「この方法が一番過ごしやすい」

体調が悪い中でも

自分に合った過ごし方を模索していた。

ある日母は

産婦人科にかかろうかどうしようかと

悩んでいた。

どうも

市販の軟膏では良くならない状態

になったらしい。

ちょうどその頃も

内科にかかっていたため

尿検査があり

ひっかかった。

医者は

「これが原因ですね!ここから熱が来ています」

自信満々に診断し

薬を出した。

母は

「この状態になる前から熱は出ていたから」

「ぜってー原因はこれじゃない!」

力説していたが

不思議なことに

もらった薬で

熱も下がり

咳も治まった事で

治療は打ち切られることとなったが

母は不安を隠せないような感じだった。

 


私の母はサイボーグ 2

2010年03月11日 08時35分27秒 | Weblog

 

熱を出しては内科にかかる

繰り返していた母だったが

熱にも慣れ

38.5℃までなら

普通に仕事へ行き

フルタイムで仕事をした後

妹を習い事に送り

夕食を作っては

私を塾に送る日々をこなしていた。

そんなある日の朝

「右足が痛くてしょうがない」

と痛みを訴えた。

熱が出るだけならまんだ我慢できるらしいが

痛いとなると別なようで

右足は象のように腫れ上がり

地に足をつけて歩くことが出来ないくらいだった。

そんな状態でも仕事に出かけ

職場で車椅子移動していたと言う。

80過ぎのお年寄りが

「あんたどうしたのぉ」と

30代の母の心配をする

異様な光景だったらしい。

足が痛かった母は

整形外科にかかるが

「ちょっと小走りに歩いたらひねった感じ」

と医者に話すと

「ちょっと小走りくらいでこんな風にはならない」

と言われたらしい。

痛み止めの薬と

大量のシップ薬をもらって帰ってきたが

右足の痛みと腫れは

完治までに

1ヶ月以上もかかった。

 


私の母はサイボーグ 1

2010年03月10日 20時39分53秒 | Weblog

 

私は母に

ハグしてもらうことが

中学3年になった今も

大好きだ。

母の胸に耳を当て

心臓の音が

トクトク

聞こえるのを確認していた。

母の胸に耳を当てると

カチカチ

機械音がする。

父が

「瞬間移動とか出来んけど」

「ちょっとしたサイボーグって感じやね」

笑いながら言った。

 

母の体調は

昨年の秋頃から

おかしかった。

一番初めの症状は

熱発。

40度近い高熱が

週末だけ現れるようになった。

病院に行くと

「週末だけ出るのであれば」

「ストレスでしょう」

医者は解熱剤を出すだけだった。

その後

全身に突然

ジンマシンが出た。

血液検査の結果

「アレルギーから出たジンマシンでない事」

だけがはっきりとし

どうして出たのか

分からないまま

ステロイドの薬で痒みを止めていた。

それからは

咳が出て

週末になると熱発を繰り返した。