母の手術は
7時間に及んだ。
肋骨の中心を切り
骨をずらし
心臓の処置をするとか
そういう話だったような気がする。
もちろん
心臓を止めて。
7時間後
手術室から出てきた母に
父が声をかけたが
全く母は意識がなく
反応がなかったらしい。
手術から数時間後
意識を取り戻した母は
口や胸
首からたくさんの管が出ていた。
口の管を取ってもらった後
喉の渇きが尋常ではなかった。
「水を下さい」
とナースコールを押すが
「まだ飲むことは出来ません」
と言われては
意識がなくなる。
再び
「水を下さい」
とお願いすると
「まだ飲めません。5分しか経っていませんよ」
と言われる。
時間の経つのが
長く長く
喉の渇きが
とても辛く
初めて水を飲ませてもらった時
この世の物で一番おいしいのはこれだ
と
真剣に思ったらしい。