延岡というまちをアーカイブ化していくには。

延岡というまちについての記憶を考えていく。

職人として生きていく道もある。

2010-09-28 04:55:42 | アート・文化

障碍者のための就労支援施設、例えば授産施設というと、クッキーやパン、農作物等をそこでつくり、提供していくというイメージがある。だが重度の発達障害よりも、アスペルガーや高次機能障害を持った人々が障碍者施設を利用する事が多くなった今日では、より本格的な就労支援が希求されているようだ。

病院や障碍者向けの施設では、障害者自立支援法が出来た事もあり、こうした施設の整備も整いつつある。

大分市の博愛病院では、芸術活動を実施するアトリエ、花卉栽培を行う中規模のハウス等の施設、さらにはそこそこ内装も整ったイタリアンレストラン等、あたかもそこで一つのまち-さらに言うならば観光地で併設される商業施設群にもその編成が似た-、いくつかの施設が機能していた。

一定の技術を修得させる障碍者向けの職業訓練は、時に健常者以上に最適化した適性を見つけ出す事もあろう。例えばアスペルガー患者の場合、特定の細かな作業を長時間集中し、さらに反復的に行うという分野に秀でている可能性もある。

近代以前の社会においては、彼らを包括して特定分野の専門職-すなわち職人-として育成していく制度があり、それが時には我が国の強固な技術を支える礎ともなったのではなかろうか。

それは職人の世界が、独特な非言語コミュニケーション(日常的な会話とは異なった、身体的なコミュニケーション)の世界を構築していた事からも推測が出来るかもしれない。

今、障碍者の自立を促進していくこうした仕組みは、近代以前にあった職人社会の一端を現代的な姿で再現しようとしているのかもしれない。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿