延岡というまちをアーカイブ化していくには。

延岡というまちについての記憶を考えていく。

シンポジウム"新しい学芸員養成と大学間連携"に参加して。

2011-11-23 17:36:36 | アート・文化

11月12日、最近学会等で九州産業大学に行く事が多いのだが、一度足を運んでみたいと思っていた学食にいけるチャンスがあった。学食に行くと結構その大学のカラーがわかって面白いと思ったのは、学部生の頃母校の隣りの大学に行って以来だろうか。

デイリーランチ370円という内容。値段は悪くないしなかなかいける。メインディッシュはなんとチキン南蛮であった。

さて、この日は"新しい学芸員養成と大学間連携"と題されたシンポジウムが実施された。会場となってる九州産業大学と九州大学・西南学院大学との共催である。タイトルと内容からこれら大学間での連携した学芸員課程の事を扱うのかと思っていたのだが、内容は同じ大学内での学芸員養成課程と大学博物館での連携の話が主であったのがちょっとアレレ...。

文化庁の栗原祐司氏の講演"新しい学芸員養成について"は、前半は氏が文部省による大学への説明会をはじめ、他の学会や講座でも話している内容であったが、氏が口酸っぱく話されているお陰で、大学の直接の担当教員である僕は事務方にも詳しく説明出来るようになったので大変助かっている。繰り返して説明する-聴く事は大事だなとつくづく思う。あと、"社会に開かれた博物館"という事を大学において実践・展開していこうとする場合、その根拠になってくれる施策や方針を挙げて動向を説明してもらえるのは心強い。

後半は台湾・韓国・中国・アメリカでの大学博物館と学芸員養成の現状。特に台湾には日本統治化の大学博物館施設がのこっているようで、是非とも訪ねてみたい。

続いて事例発表。最初に大西智和氏の"鹿児島国際大学の博物館実習への取り組み"。氏は"やっている内容が小規模でお恥ずかしい"旨述べられていたが、どうしてどうして、一般的な私立大学の規模としては適正であり、しかも厳しい現状において取り組まれているすばらしい内容に脱帽。学内実習でのフレックスタイムを制度として行っている点など、次年度から僕の所でも取り入れたいと思う。時間があれば非常勤講師の確保の事をお聞きしたかった。

九州大学の三島美佐子氏の発表("九州大学におけるカリキュラム")は、九大という大規模大学ならではの問題点があるんだなあと思った。これは栗原氏や広島大の清水氏もおっしゃっていたが、特に旧帝大系の学芸員課程では学部単位での講座開講がバラバラであり、外部に出す館園実習なんかも独立して行われていたという。大きな大学博物館が出来た現在において、異なった分野であっても学芸員課程としての統一した方針を持つ必要性があり、これに苦労されているとの 事。あと、実習を3系統にしているというのにただ驚嘆。

続いて館園実習を受け入れる側として福岡県立美術館の竹口浩司氏による"学芸員にならない人のための博物館実習"という話。タイトルに"あれっ?"と思ったのは、前日の福岡大学で行われたコミュニティー・デザインのシンポにおいて、土肥真人氏が"市民が参加しないデザインの場を考えるべき"と発言されたのを思い出したからであった。ひょうひょうとした語り口からは、実習生に子供の夏休み向けワークショップを長期間にわたって計画-実行させるプロセスが述べられた。なるほどこのようなワークフローの経験は、学芸員にならずとも博物館の"よき理解者"・"よき支援者"を産み出していく。

続いてディスカッション。広島大学と西南学院大学の事例。どちらも大学の規模に応じたそれぞれの取り組みが行われていた。それにしても広大は広い。うちも大学構内を活用した教育普及活動は出来ないだろうか?野鳥やカブト&クワガタ、それに野良猫とかも棲み付いてるし。

ディスカッションではいくつかの問題点が提示された。例えば学内に博物館を有している場合、学内実習と学外実習をどのように切り分けるのか、大学内でも養成プログラムに参加している教員に、温度差がある点等がそれである。

会場からコメントしたマリンワールドの高田浩二氏の、"実務実習に来た学生からの、館への評価が知りたい。自分の所でやっている実習が果たして他の館と比較してどうなのかという情報があまりなく、送られてくる年報は数少ない情報である。"という話は、大学側からのフィードバックとして必要だろうと思った。丁度年報を編集している所だが、今年は初年度なんで難しくとも、次年度から考えたい。

少し感想を言うと、前の方に書いたようにタイトルと内容に若干の食い違いがあった。学芸員養成の現状と課題というのは、様々な大学の知見を得る事が出来たが、大学間連携というのが今一つ。これは今回各大学の現状を俎上に載せたという意味での連携なのか?

#南九州とはかなり温度差があるなあと....。

##終わった後で、同大学の美術館で見学。丁度上野彦馬賞の展示をやっていた。今年は震災直後の被災地を撮影した写真が大賞。一緒に幕末・明治期の古写真も展示されていた。大久保利通の著名な肖像写真なんかも。今回は展示場撮影OKだったので、スマホで一枚。

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