変態おやじの嘆き

変態おやじのあれやこれや

その後(続き)

2008-08-30 | Weblog
9月1日21:00
「どう?明美ちゃん」
「エンジンと各操舵のバランスは完璧までとは言いませんがほぼOKですね」
「あとは動かしながらコンピューターが自己学習してくれれば完璧になると
思います。でも、不具合とかは必ず起きると思います。」
「グレア殿も搭乗するし明美ちゃんもいるから後は現地対応していこう」
「今日はこれぐらいにしておこうか」と倭
「久しぶりにメカニックしたんで少し疲れましたw」と明美
「倭さんはこれからどうするんですか?」
「母船探査機の内部改修の提案書を作成する」
「まだ、やるんですか?」
「これからが本番さ」
「イワノフさんやローズさんロバートさん亮の要望もあるけど空間は限られているし時間は無いしこのわがまま君たちと折衝しながら改修してたら何年掛かるかわからないからおいらが基本改修製図を引いてしまうのさ。
「みんなの要望は出揃ってるんですか?」と明美
「あぁ今日の24時までに要望あれば資料提出と言ってある。それ以後は拒否すると言ってある。」と倭
「倭さんらしいですね。強引ていうか強制ですねw」
「みんなを優秀な科学者と認めてるからできることさ。」
「でも凄い信頼関係ですね」
「信頼関係て言うより友情さ」
「羨ましい関係ですね」
「明美ちゃんも友達さ」
「上下関係なんていらない。歳の差なんて関係ない。友さ」
「はい」
「じゃこれで終了しよう」
「お疲れ様ー」
「お疲れ様でした」
自室に戻った倭コンピューターを起動させメールをチャック
「下記に調査機材名と各寸法を書いておきます。」
「なんじゃこりゃ;;」
「総数158個総重量23t」
「明日の昼に届く予定です。イワノフ」
「おばちゃんの旅行は荷物が多すぎるぞ」
「キャサリンの医療設備で対応できると思う。ロバート」
「総数10個総重量5t ローズ」
「ホワイトアマゾン号だけでいいぞ 亮。」
「PS・明日の夕方届くぞ。改造してもいいけど壊すな」
「フム、亮のやつおいらの考えを読みやがったなw」
「明日、10時に第3会議室に集合 グレア」
「了解」と返信する倭
「さぁ、やるか。おばちゃんのためならえんりゃこら~と」
まだ探査用としての機体が決まらないうちから作業を開始する倭
倭の胸の内では開発されたばかりの日本宇宙機構所有の「モンロー」を
想定していた。
9月2日8:30
「おはようございます」
「倭、おはよう」
「イワノフさん。早起きですね」と倭
「なに言ってるのもう8時半よw」
「明美ちゃんはシュミ室でもう訓練してるわよ」
「コンピューターにありとあらゆる気象状況と事故事例をインプットさせて
キャサリの母船の耐久と事故回避をシュミしてるわよ。」
「シュミのコンピューターでは追いつかないので自分でホスコンに直結してやってるわよ。」
「それに引き換え倭君はなんだ。」
「おいらはおいらでやるべきことはしてるぞ」
「さぁご飯早く食べて逝って来い」
「あ~い」
朝食後倭もシュミ室に向かった。
「ビイィィィ」
「ドカーン」
「バキィィィ」
「くそ。」
「どうしてもこれじゃ帰還できない。」
「推進力が足りないしエネルギー不足」
「どうすれば・・・・今からこれ以上大きなエンジン詰めないし」
「心配することはないよ」と倭
「スペースシャトルと同じことをする」
「え~」
「探査機の推進力をプラスするのさ」
「そして加速すれば切り離す」
「でも万一の時に」
「誰も死なせはしない」
「おいらは全員で帰ることしか想定していない」
「危険と思えばおいらはすぐ帰還するし反対のものがいれば武力を行使してでも
全員で帰還する。」と倭さん
「倭さん・・・・・・」
「おぉ9時50分だ」
「会議行ってくるね」
「は~い。居眠りしちゃだめですよw」
「くだらない会議なら抜け出してくる予定w」
「ホワイトアマゾンの改修予定図も描かないといけないし、無駄な会議で時間を
潰すわけにはいかないからなぁ」
「でも、怒られますよw」
「怒られたっていいさ。」
「ほかにやることは一杯あるから」
「無駄な時間は使いたくないぞ」
「じゃ行ってくるね」
「いてら~」
「あ~い」
9月2日10:00
第3会議室に入る
「おぉ来たか。始めるぞ」と太郎
「母船探査機との仕様変更で要求の出ていた探査機は「モンロー」に決まった。
「キャサリンを改造改修したものだ」
「それとマンボウ君のデーターは母船キャサリン・モンローのホスコンにマンボウ君が届き次第転送する。イワノフ博士が調査機材としてマンボウ君を指定していてくれたおかげだ。」と太郎
「親父。いつからだ」
「今日の朝からだ。探査後方支援部隊の最高責任者となった」
「イワノフ殿とグレア殿が連合に陳情したらしいw」
「誰かさんがわがままで困るとww」
「うるさいw」
「怒るなw連合副議長の北林卿からの指令だ。俺たちだけでは不都合もあるだろうと太郎に前々から言ってあったことらしい。おれも余りにもスピィーディに機材その他が届くので不思議に思っていたが北林卿がこの探査を裏で支援していてくれたのさ。」とグレア
「あのおっさんのやろう。今度首絞めたる」と倭
「でモンローはいつ届く」
「今日の昼過ぎだ。」
「南極の穴が発見された半年前から地上用に仕様変更してあるぞ」
「本来ならこのモンローだけでする予定だったがこれでは帰還することができないとグレアと俺で北林に文句を言ってキャサリンを改造した。まさかおまえが2機とも要求するとは思わなかったので少しは驚いている。」と太郎
「あのキャサリンは途中で帰還させるつもりで作ったのだろう」倭
「ばれたかwwwそうだwww」とグレア
「探査し帰還させるにはあのキャサリンでは無理とだれが見てもわかるぞw」
「横穴が全ての計画を変更させたのだろう」と倭
「そうだ」と太郎
「いちゃ悪いがこの探査は当初真剣に考えられていなかった。南極基地のメンバー
だけで実施予定だった。それが急遽変更。イワノフ博士と俺が呼ばれたのが1ヶ月
半前横穴の痕跡が見つかったのが2ヶ月前だ。余りにも時間が無さ過ぎると北林に
言ったが決行すると連合が決めた。モンローは南極メンバー用に仕様変更されて
いたがまるで片道切符の特攻隊。そこでおいらたちは北林を通じて連合にモンローに代わる探査機を作ると言った。それがキャサリン改俺たちはこの計画を潰す方向
でことを考えた。しかし、イワノフ博士は別次元の思考で動いた。未知の可能性だ
時間はあまり無い。しかし太郎も俺もこの未知の可能性に賭けることにした。
いい加減に作っていたキャサリン改をあそこまで仕上げた。後は倭たちの出来次第と考えた。無理なら計画中止を申請しようと考えていた。しかしお前は単独では探査不可能な機体を組み合わせて可能にすることを思いついた。もう動き出した船は
止めることは出来ないぞ。」
「いいか。サムではないが生き延びることを最優先で考えろ。」
「グレアも行くんだろう」と倭
「行けなくなった。サムから応援依頼が来た。月面拡張でアクシデントがありサム
1人では対応出来なくなった。連合からの命令だ。」とグレア
「了解。それで太郎が後方支援最高責任者ということか」
「そうだww」
「最近の調査で通信可能時間帯が判明した。潮の満潮干潮時に1日4時間は地上と通信できる」とグレア
「見つけてあるぞPWがあって解除出来なかったがたぶん強制帰還システムだろう
おいらたちが暴走した時や太郎が危険と判断した時太郎がこのシステムを作動させるのか」と倭
「隠すことはできなかったなぁ。」と太郎
「そうだ。みんなにまた会いたいからな」
「おいら全員で帰還するつもりだ。」
「そのために今出来ることを全てしている」と倭
「おまえがいくら優秀な指揮官といえどミスはある。そのミスでみんなを犠牲には
したくない。」
「わかっているよ。北林のおっさんからの指示だろう」
「こんなことで犠牲者を出すなとか言ってるんだろう」と倭
「ww倭は全てお未透視らしいな」とグレア
「南極の穴も気になるがおいらたちのことも気になる。心配性なんだよあのおっさん」と倭
「まぁそういうな。俺らも同じ気持ちだ」
「まぁいいや。お守りみたいと思えばw」
「だがメンバーには言うなよ。」とグレア
「わかっています。モンローの件だけは話しますがそれ以外は全て非公開のつもりです。」と倭
「じゃ後は親子で遂行しろよw俺は月面から見守っているぞ」とグレア
「いつ月面に?」
「今日の深夜だ。もうすぐ迎えのヘリが来るw」
「サムに土産は月面センベイと言っといてね」
「おいらは地下に眠る金塊かダイヤモンドだて言っておいてね」と倭
「わかったw」
「倭ご武運を」
「グレアご武運を」
ふたりは握手して別れた。
会議室に残った太郎と倭
「親父、ミッションあるんでこれでいくぞ」
「あぁ。」
なんとも味気ない会話である。
倭はシュミ室に寄らず直接第3格納庫に向かった。