変態おやじの嘆き

変態おやじのあれやこれや

第2章続き

2008-06-26 | Weblog
「美紀どう」
「技術的には可能です」
「腹部にあるシステムを30%縮小」
「雅さんの理論を適用・応用し今の臓器を30%縮小し全てのシステムを収納
これでも摂取量は人間で言うと5歳児ぐらいです。」
「大人の摂取量は無理です。」
「摂取量はそれぐらいあればいいわ。」
「味覚、臭覚、視覚、満腹感、消化、吸収、固形化、便意、排便これらの行為を
琴音に備えることができればいいのよ」
「それよか先輩はどうなんですか?」
「硬いのよ。」
「割れそうにありませんか」
「特殊合金並に硬いのよ」
「あきらめるつもりはないけどね」
「それと問題はだれの味覚を基準にするかなのよ。」
「琴音が旨い不味いを判定する基準」
「これが一番の悩みね」
「腹部にあるシステム縮小予想は20%だったのよ。」
「もう一度見直しするわ」
「先輩、無理しないでくださいね。」
「美紀も臓器縮小できるかどうか自信ありませんから」
「やれるところまで縮小してあとはこちらでスペース空けるから」
「は~い」
琴音が作られてから7年が過ぎ人型アンドロイドの量産が少し可能になりつつあった。アンドロイドを巡る国際間の紛争を防止するため国際連合は各国内に最高意思決定機関の枢密院を設置しここで承認されたものを国際連合会議において世界が承認するという幾重もの規制をかけたのである。このまま技術が進歩すればアンドロイドが世界を征服するのではないかと危惧し人類はアンドロイドを認めるものの人類とは共存しないさせないという意に反する答えをだしたのである。開発においても人型アンドロイドは雅と日本の科学者が作りし琴音が基準となり細部に渡り技術的倫理的な規制が設けられた。由美は琴音に喫食させることよりこの枢密院を認めさせることが数万倍難しいとわかっているが雅の意志「アンドロイドとの共存」
を実現させるため超えなければならない1つの階段と考えていた。琴音をより
人間らしくさせることにより人類の置かれている状況が打破され人類の進むべき道
を示してくれるのではないか。琴音を残し志半ばで息途絶えた雅の意志を継ぐ大袈裟かもしれないがこれが私の使命と思うようになった。
21世紀初頭の過ちにより地球は温暖化しジワジワと人類を消滅させているが
技術は目覚しく発展し連合体いう大きな枠組みが出来た。
アメリカロシア中国・全ての軍事力を淘汰され石油天然ガスその他資源は国際連合が管理し地球がひとつの国いう概念が構築された。温暖化により人類が選んだ
共存である。人口減少にともない労働力不足が表面化した。
その中で日本は労働力として他国民の移住よりアンドロイドを望み開発先進国となった。島国根性丸出しであったが日本のアンドロイドに対する思いは世界中で飛びぬけていた。平和目的のアンドロイドとはいえ琴音が出来上がると世界中は規制
へと走ったのである。ここまで完璧なものができるとは世界中の誰も思っていなかった。琴音完成後技術は公開され各国で研究がさらに進んだがそれと平行して
技術的規制・倫理的規制・利用目的規制などが作られた。
由美のしていることはこのことへの挑戦である。