自室に戻ると琴音からメールがきていた。
ちわ
琴音です。
計画の変更案です。
倭ちゃん忙しいから
考えておいたよ。
じゃね
「ふむ、まだちゃん付けかw」
倭は添付されている計画書を大型モニターで見ながらつぶやいた。
倭と琴音
人間とアンドロイド
琴音は倭より3ヶ月早く産まれた。
産まれたとき琴音は身長150cm体重42kgであった。
ここで問題になったのは雅がプログラムした人工知能の取り扱いである
自己成長プログラムというべきもの、より人間らしい頭脳思考を求め作られた琴音
の頭脳。無人探査機「初音」の頭脳を更に進化させたアンドロイドの頭脳
残された科学者たちはありとあらゆる情報を琴音に入れ込んだがこれでは歩く
コンピュターでしかない。ある科学者はアンドロイドに感情が必要なのか
人類の妨げになるのではないかと反対した。残された科学者たち特に日本の科学者たちは雅の意志を継ぐべき方法を模索した。ちょうど倭が産まれ12ヶ月を過ぎた
ところであった。父、太郎は深海海洋調査などで家を空けることが多く家政婦が倭
のお守りをすることが多かった。そこに目をつけた日本の科学者たちは倭のお守りをさせながら人間というもの「感情」「理性」というものを琴音に学習させようと決めた。父、太郎も雅の意志「人間とアンドロイドの共存」を望みこの計画は始まった。世界最初のアンドロイド琴音と倭の生活が始まった。家の中には科学者たちが24時間琴音と倭の生活を見守るため監視カメラが取り付けられた。必要に応じ
科学者たちは訪れ琴音の学習能力と倭の成長を見守った。
倭が大きくなり歩くようになると琴音と倭は人間の母親に手を引かれた子供と見間違う錯覚にとらわれるぐらいまでになった。ここで科学者たちはあることに気がついた。このままでは倭が琴音を母親として認識してしまう。そこで琴音のプログラムを変化させ母親から姉へと感情を変化させた。死んだ母親の変わりに育てている姉琴音に倭は自分の子ではない。兄弟であると認識させたのである。このことが
後にもたらせられる重要なことになるとは誰も予測できなかったことである。
こうして、倭は12歳になるまでに大学を卒業し13歳の春に宇宙士養成学校に入学したのである。ここは全寮制のためしばらく倭と琴音は別々の生活を余儀なくされた。倭はこの学校を3年で終了しnasaへ旅立ったのである。nasaで本格的な
宇宙活動訓練を経て月面基地へ17歳の時移った。ここで姉である琴音に再会し火星探索機のメンバーと合流し火星探索のシュミレーションなどを行った。
このときすでに倭は琴音がアンドロイドであり母、雅が開発しことは承知していた。また、琴音もアンドロイドあることは理解していた
すべてのことを理解し倭は琴音を姉とし琴音は倭を弟として火星探索に出向いたのである。初音に関してはこの月面基地ですべてのことを知り琴音も形は違えど同じ
科学者の手で産まれたことで初音をお姉さまと呼んでいる。琴音のこのアンドロイドではあるが人間的な感情に倭はしばし「もしかしてにんげんでは?」と思ってしまうことがある。このアンドロイドを作りし母、雅の頭脳に驚くことがしばしある
はぁとわれに返り琴音が送ってきた計画書の見直しを再開した倭であった。
「こりゃ少しむちゃだなぁ」
「23時間の遅れか」
「まぁなんとかなるな。琴音が納得しなくてもこれでいこう」
「計画はあくまで計画wぶっつけ本番でいこうw」
「よし。寝る」
つづく^^