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猪熊隆之の観天望気講座46

2014-09-03 20:01:20 | 観天望気

今日は、朝曇っていても天気が良くなる場合の雲について解説します。

上の写真は、どんよりとした雲に覆われていますが、赤い線で囲んだ部分で雲が湧きあがっているのが見えます。これは、前夜の雨で地面から蒸発した水蒸気が上昇して再び雲に戻っていく様子を表しています。このとき、雲が昇っていきながら消えていくときは、天気が回復するときの特徴です。

次の写真は、ほぼ同じ時間帯のものですが、どんよりとした雲の向こうに明るい光が見えています。これは、雲の向こう側で太陽の光が射しこんでいることを現わしています。この方角には八ヶ岳があり、山の上の方がむしろ天気が良くなっていることを示しています。この雲は実は、薄く低い雲で、雲の上は晴れているのです。気温が低くて、風が弱いとき、そして雲の上に空気の安定した層があるときにできる雲です。この雲は気温の上昇とともに消えていき、日中は回復することが多くなります。

案の定、最後の写真を見ると、雲は次第に少なくなっていきました。

朝、雲っていたからといって登山を諦めてしまうのは早とちり。気温や風、雲の種類(この場合、層積雲)やその後の変化を見て、雲の上は晴れていることを喝破しましょう。

※図、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

文責:猪熊隆之

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