今日は上空に強い寒気が入りました。北アルプス北部では昼前から、関東地方でも午後は各地で落雷を観測しました。稜線でこのような雷に遭遇すれば、落雷の危険が高まります。急激な天気の変化を、雲の変化から察知しましょう。
まずは天気図を見ていきましょう。下の図は今日12時の天気図です。
日本海に低気圧があって南東に進んでいます。この低気圧は上空に寒気を伴っています。500hPaの気温を見てみると(下図)、-24℃以下の寒気が新潟付近まで南下していることがわかります。これは18時の状況ですが、12時では北陸地方まで南下しました。このように、上空に強い寒気が入ると、大気が不安定になり、積乱雲(落雷や短時間強雨、突風をもたらす入道雲が発達したもの)が発達しやすくなります。
大気が不安定なときにまず、現れるのは積雲です(下の写真)。
この雲が上へ上へと発達していくときは要警戒です。
さらに、これと前後して青空に、巻雲と呼ばれる刷毛で刷いたような雲が現れることがあります。この雲が下の写真のように、竜が昇っていくような形をしているときは要注意です。上層で大気が乱れれているときに現れる雲だからです。
このようなとき、積雲が上方へともくもくと発達し、下の写真のように発達したときは、稜線などの高いところから低いところへ逃げましょう。天気図と周囲の雲の様子を総合的に判断して、落雷のリスクから身を守りましょう。
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文責:猪熊隆之