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猪熊隆之の観天望気講座19 「海風前線」

2013-09-03 21:20:53 | 観天望気
久しぶりに観天望気をアップします。30日から東京に出張しておりましたが、暑いかったです。それまで、私が住んでいる茅野市は朝、寒い位でしたからなおさら、気温差がきつかったですね。それにしても異常な暑さでした。ここ数日、福岡と東京の昼間の気温差は10℃以上に及んでいます。東京の方が10℃も高いのです。関東では秋雨前線の南側で夏の暑い空気に覆われているうえに、南西風による山越えのフェーン現象も気温を押し上げたのでしょう。一方、秋雨前線の北側に入った福岡では秋の涼しい空気に覆われたうえに、雨雲に覆われて気温があがらない日が続いています。

さてさて、本題に戻りましょう。今日、出張先の東京から茅野に戻る際に、「あずさ」の車窓から面白い雲が見えました(下の画像)。夏の午後にはよくみられる雲です。よくみると、積雲が発達した雄大積雲(入道雲)が連なっています。これは、「海風前線」による雲です。晴れた穏やかな日の日中は、海より陸地の方が気温が上昇するため、海の方が陸地より気圧が高くなり、海から陸へと「海風」が吹きます。海風は海岸から内陸の方に吹いていきますが、内陸に10km~20km位入ったところで侵入がストップします。この海風が入る限界点を結んだ線が海風前線です。海風が弱まっていったり、止まると空気は前に進めなくなり、上昇していきます。そこで、上昇気流が発生するのです。特に、奥多摩方面から雷雲が東に進んでいき、海風前線の西側に入ってくると、この雷雲が吹き出す冷気と海風による暖かく湿った空気がぶつかり、「ゲリラ豪雨」を発生させる積乱雲に発達します。大抵、東京の西側では、川崎市~世田谷区~杉並区~練馬区辺りに出現します。この辺りで、近年「ゲリラ豪雨」が多発しているのもこの海風前線の影響です。したがって、この雲が見られたらその後の発達具合に要注意です。

文責:猪熊
※この文章を許可なく転載・流用することを固く禁じます。

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