山の天気予報

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猪熊隆之の観天望気講座17

2013-06-12 07:50:36 | 観天望気
前回は東風が吹いているときの八ヶ岳における気象特性を書きましたが、今回は南東風のときの八ヶ岳、および北アルプス北部の天気を見ていきましょう。今日は、下記天気図のように等圧線が北西から南東方向に走り、下層の風向は南東風です(天気図からの風向の読み取り方は山岳気象大全P29参照)。

太平洋から富士川を通って甲府盆地方面から湿った空気が入る八ヶ岳では南部ほど雲が厚く(一番上の写真)、北八ヶ岳では晴れてます(二番目の写真)。ここまで極端に分かれることは珍しいのですが、典型的な風向と山岳地形による天気の違いが分かります。

北アルプス北部でも後立山連峰の東面(白馬村方面、猿倉、八方尾根、栂池)と、立山・剣岳方面で天気が全く違っております。この方面ではウィンドプロファイラ(図参照)で見ると東風が卓越しており、東側から湿った風が入る白馬連峰東面では雲が発生してガス(下から2番目の写真 提供:白馬村 http://www.vill.hakuba.nagano.jp/livecam/livecamera.php?id=1)に、西面の立山連峰では晴れ(一番下の写真・提供:立山黒部アルペンルート http://www.alpen-route.com/livecam/index.html)という極端な天気の違いが表れています。ただし、いつもこうなるとは限りません。南東風に変わると白馬連峰東面も晴れることが多くなり、湿った空気の入りこみ具合でも天気が変わります。

※この文章と写真の転載、流用、複写を禁じます(ウィンドプロファイラは気象庁ホームページより)。
文責:猪熊隆之

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