7月5日~6日にかけて、車山高原~霧ヶ峰で行われた静岡県自然ガイド協会の気象講習会が行われましたが、7月5日に車山高原でやや珍しい光学現象が現れたのでご紹介します。
まずは、比較的良く現れる現象、日暈(ひがさ、にちうん、英名ハロ)です。
写真1 車山高原スキー場で見られた日暈(ハロ)
空に浮かんでいる薄い雲は氷の粒でできています。この氷の粒に太陽光が屈折する(折れ曲がる)ことによってできます。光は色によって折れ曲がる角度が違うことにより、色が七色に分かれて見えるのです。
詳細は、観天望気講座93をご参照ください。http://blog.goo.ne.jp/yamatenwcn/e/3f8e6696c91739f680fe1f447cf2236a
続きまして、こちらは比較的珍しい現象、環水平アークです。
写真2 車山高原スキー場で見られたハロ(上)と環水平アーク(下)
先ほどのハロの下に、薄い虹色の大きな弧が見られます。これが環水平アークです。
空にある薄い雲は氷の粒(氷晶)でできていますが、環水平アークができるのは、
1.この氷晶が薄くて水平に浮かんでいる
2.太陽光が薄い氷晶の天面(上の面)から横面(横の面)に抜けて2回屈折する
上記の条件がそろったときにできます。ハロと同じように太陽光が氷晶に屈折し、プリズムの原理で色が分かれることによって虹色に見えます。ハロと違うのは氷晶が水平にそろっていないといけないことや、薄い氷晶でないとできない点です。その分、現れる頻度は現象します。
光学現象が見られたらまた、皆様にお知らせしますのでお楽しみに!
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写真、文責:猪熊隆之