五十音図について
日本語を学ぼうとした時、最初に覚えなければならないものに「五十音図」があります。この「五十音図」は、じつは、皆さんが今いる、この山代温泉で作られたものなのです。
それでは、五十音図は、誰によって、いつ頃、何のために作られたものなのでしょうか? 作ったのは明覚というお坊さんです。作られたのは1093年です。「五十音図」は、人が正確に日本語の発音ができるようになるため、そして正確にお経に書かれた文章を発音して読めるようになるために作られました。
日本語には「母音」として「アイウエオ」があります。そして、喉の付け根(軟口蓋)、歯、舌、唇など口の中で調音する「子音」と母音を合わせて発音すると、「カ行、サ行、タ行、ナ行、マ行、ラ行、ワ行」の言葉がきれいに出ます。
お経は、当時、人の願いを叶えてくれる魔法の言葉でもありました。魔法は正確な言 葉で発音しなければなりません。もちろん、人と話をする時も同じです。「五十音図」は、山代温泉で生まれた日本語の魔方陣なのです。
ここに複製を行ったのは、現在、大東急記念文庫に所蔵される『反音作法』に見える明覚の五十音図です。
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山代温泉湯の曲輪(ゆのがわ)にあるオブジェ