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山口建設

社長の独り言

伊勢神宮 式年遷宮の宮大工

2013年09月29日 07時42分52秒 | 日記
宮大工 総棟梁不在、一丸で乗り越え 神様の御殿に命吹き込む

建築に携わる者として気になった記事が目に付いた。

(産経新聞)
 「他に類例がない」ことから、「唯一神明造」と称される伊勢神宮(三重県伊勢市)の正殿など、65の建物を20年ぶりに造り替える「式年遷宮」。永遠をもとめて新たな命を吹き込むのは、地元で匠の技を伝え続けてきた宮大工たちだ。切磋琢磨(せっさたくま)しあい、黙々と造営作業に取り組んできた。

 「神様の御殿だから、目に見えないところまで、すべて丹念にきちんと造る。それが宮大工の誇り。造営を重ねるうちに、崇敬の心も生まれてきます」

 20年前、平成5年の式年遷宮で内宮の「総棟梁(とうりょう)」を務めた宮間熊男さん(81)=伊勢市田尻町=は宮大工の思いを語る。

 20年ごとの式年遷宮を2度経験した熟練工でなければ務められない「総棟梁」。ところが実は、有資格者がいない-という「非常事態」に陥っていた。伊勢神宮の神宮司庁と宮大工たちが協力し、1300年の伝統を守り抜いたのだ。

 式年遷宮では、内宮、外宮ともに7、8人の宮大工でつくる班が4班、造営にあたる。棟梁が各班をまとめ、その上にリーダーたる総棟梁が立つ。2度の遷宮を経て、そのときには60年の経験を培うことになる「先達」がいない。

 中学を卒業してすぐに弟子入りしていた昔と違い、高校卒業者が増えた現代。総棟梁の有資格者がいなくなることも想定しなければならない。遷宮も大きな“節目”を迎えた。

 リーダー不在のまま迎える、初めての遷宮。神宮を管理する神宮司庁神宮式年造営庁は、所属技師ら6人による事務所を17年1月に立ち上げ、技師らが作った工程表を分担し、受け持つ形にした。

 樹齢200年を迎えようかという、貴重なヒノキから部材を無駄なく取る「墨掛け」。最初から、気の抜けない大事な作業が続く。技師と各班の棟梁で設計図や原寸図とにらみあわせ、慎重に作業を行う。

 柱や桁の組み方も部分ごとに細かく分けられている。微調整するため、ほぞに埋める作業を行うが、これまでの経験と勘が頼りの作業だ。しかし助言を請うべき総棟梁はいない。

 代表して取材に応じた技師で神宮司庁営繕課長の野崎芳郎さん(54)は「カンナを一回かけるかどうか、というほどの細かな造作を、昔の技術から学び取らなければならない。互いに切磋琢磨し、心を一つにして成し遂げました」と話す。宮大工は20代~70代の計66人が参加。18年4月からさまざまな造営作業にあたってきた。遷宮が佳境を迎える10月2日、内宮や外宮の造営作業を終え、宮大工たちは別宮の造営に取りかかっている。

 時代の変化をチームワークで乗り切った宮大工。前回の遷宮で棟梁を務めた伊勢市中島の山下攻(おさむ)さん(71)は「伊勢に生まれ、素晴らしい木を使い、日本一のお宮さんを造らせてもらう。宮大工冥利(みょうり)に尽きる仕事」とたたえた。


仕事とは己の人生の生きかたの証明である。


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