私の予定表の昨日3月10日は、「嘉手納基地にPAC3の機動展開訓練を撮りに行く」だった。しかし体調の問題から取りやめた。この機動展開訓練とは、弾道弾ミサイルを打ち落とす地対空ミサイルパトリオットを、出動から模擬発射(打たない)、撤収までの段取りをやってみる訓練だ。
そもそもミサイル防衛の鳴り物入りで導入されたPAC3だが、これがカバーできる範囲は極狭いとされている。住民を守ることはできず、基地・嘉手納基地防衛でしかないのだ。
で、私が興味を抱いていることは第5高射群(那覇基地)のどの部隊が出たのかだ。第5高射群傘下に南城市に第16、18高射隊が、恩納村に第19高射隊が、那覇に第17高射隊が配置されている。報道によれば、10両がでたとのことであり(空自発表なので、何処まで本当か?)、2セットだろう。1セットは発射機、射撃管制装置、レーダー、通信アンテナ、電源車などの5両が組んで機動展開する。大型トラックが5両以上動ける敷地が必要であり、嘉手納基地・嘉手納弾薬庫周辺の何処でやったのか、興味深い。
琉球新報には、知念分屯地(南城市佐敷町)からでたとあるが、これも本当だろうか?
なお、1個高射群(第5高射群)に4個高射隊がおかれており(第16、17、18、19高射隊)、1個高射隊に発射機は5台あるそうだ。実際に1個の射撃管制装置・レーダー等で同時に何本のミサイルを打ち込めるのかなど不明な点が多い。私が東京近辺で90年代に見てきた範囲で言えば、1セットでしかなく、複数の発射機を統制するのをみたことがない。1発射機にPAC3なら16発を装填できる。
嘉手納基地がヤバいときは、周辺の住民もヤバイのだ。多分、基地外に外れて飛んできたミサイルまで現在の航空自衛隊に迎撃する余裕はないだろう。だから、そうした事態にしないことが肝心なのだ。