ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

沖縄署警察官による高校生失明事件について(20220204)

2022年02月04日 | 弾圧

 2022年1月27日深夜に沖縄市宮里の住宅街で起きた事案について、三度言及したい。本日の沖縄タイムスに追っかけ記事が出ている。沖縄県警捜査1課は、昨日事案が起きてから1週間後に初のコメントをだしたという。「非常に重大と認識している」「警察官をかばうつもりは全くない」とのことだ。

 右目失明という重大な被害に遭った高校生の母親は、「なぜ初動捜査の段階で重大事案として受け止めなかったのか。抗議がなければ、報道がなければ、単なる事故として処理されていたのではないか」と疑義を呈しているとある。

 現場は人通りもなく、監視カメラもなかったようだ。警察官は警棒を手に持っていたのだ。バイクの暴走事案の情報を受け、パトカーから一人で降り、暗闇の中での警備だ。しかしバイクの音を聞こえたはずだ。一台だと認識しただろう。たとえ、バイクのヘッドライトでまぶしくてもその程度の認識をえられただろう。「職務質問しようとして両手を上げて停止を求めたという。バイクが止まらなかったため、警棒をもった状態で手を伸ばし、バイクを制止しようとして強くぶつかった」と言っているようだ。

 前稿と繰り返しになるが、停止をもとめたことと、ぶつかったの間がすっぽりと抜けている。まして当の高校生は、停止をもとめられていないと言っている。これは水掛け論になりそうだ。しかし時間にして数秒、距離は10mもない間のことだろう。結果は右目失明に至らしめるという過酷な加害を与え、大失態となった。警察官の状況判断が全く自己本位であり、警察官職務執行法をわきまえない行為だと断じざるをえない。

 当該の警察官は県警の調べに対して「一瞬のことでどこが高校生に当たったのか分からない」と話しているようだ。嘘つけ! だいたい警棒を手にもち、振り回したら、バイクの金属部に当たったのか、腕の骨に当たったのか、柔らかい部位に当たったのかわかるだろう。その程度の皮膚感覚がないわけがない。それとも興奮して、殴りまくったので、わからなかったとでもいうのか。高校生の怪我は、右目だけであり、そんなことはないのだ。

 また「相手に怪我をさせた認識がなかったという。接触後、巡回業務に戻り、同僚にも伝えていなかった」と同記事にある。警棒を振り回して相手の身体に当たれば、怪我をするほどの打撃力があるものだと、警察官が知らないのか。たまたまその場に倒れなかったので、逃げられたと思ったのか。こうした状況を同僚にも伝えていなかったというのだから、呆れかえる。

 この警官は、27日深夜、警察官たる「公務」に就いていたのかという強い疑いをもつから、私は呆れかえるのだ。もしも被害に遭った高校生が自分で救急車を呼び、やられたとのことをSNSで流さなければ、闇夜に消されていた事案となっただろう。お陰で沖縄署に対する抗議の声があがり、投石騒ぎにまで起きた。これはやり過ぎだとしても、私もこの怒りを共有する。謝罪しない、釈明しない(1週間後だ)、事実関係を明らかにしないのだから、当該の警官の責任を超え、沖縄県警の問題になっている。

【警察官職務執行法第2条(質問)】「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、もしくは犯そうとしていると疑うにたりる相当な理由がある者又は既に行われた犯罪について(中略)質問することができる」のだ。

 この手続きに従えば、彼の暴走行為を認めたか、音をきいたので関係者だと疑ったということになる。そこを出会い頭に殴りつけたとすれば、完全にアウトだ。違法行為。もしも停止をもとめたのに、逃走したとなれば、その段階で、捜査が始まるのかも知れない。しかし同僚にすら伝えていない。ありえないだろう。それは当該の警官がやりすぎたかもしれないと、伝えることをためらったのではないか。警職法第一条は「いやしくもその濫用にわたるようなことがあってはならない」と定めているのだ。

 

【教訓】制服を着た警察官を見たからといって、「公務中」だとは限らないのだ。上記のような手続きを踏まえているのかのチェックが何よりも肝心だ。又、出会い頭の遭遇は、状況が分からないからお互いに怖い。余計な力が入る。バイクだとバックできないし、避けられない。その分慎重な走行が重要だということだ。

【日本国憲法】第13条「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」。

同第31条「何人も、法律に定める手続きによらなければ、その生命もしくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない」

ということなのだ。こうした規定を守るのは公務員。守らせる努力を重ねていくのは私たち市民なのだ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。