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新潟市にある山田コンサルティング事務所

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『スーパーの女』からの気づき(はじめに)

2011年10月23日 | 見聞録
おはようございます! (^O^)/
中小企業診断士の山田まり子です。

久~しぶりに『スーパーの女』をDVDで見ました。以前、テレビで放送されたときに見て以来です。作品紹介のリーフレットを読むと、1996年の作品。そうか、あれはバブルが弾けたころ、みんなが財布をキュッと絞ったあたりだったのね。

“爆笑スーパーコメディー”とあるとおり、テンポがよくて笑い転げてしまう作品ですが、「経営」や「改善」「社員の成長」「トップの決断」といった要素がリアルに描かれています。

そこで、このDVDを見て気づいたことを経営の視点から何回かに分けて書いていきたいと思います。

ご覧になった方も多いと思いますが、まずは簡単にストーリーを…
◆駄目駄目スーパー「正直屋」の近隣に、激安のインチキスーパー「安売り大魔王」が進出してきた。激安の裏に隠されたトリックを見抜いた宮本信子演じる井上花子。彼女は「正直屋」の専務・小林五郎(津川雅彦)の幼なじみ。五郎は「正直屋」を立て直すために彼女を店に迎える。
◆改善に乗り出す花子を襲う職人たちの抵抗や、数々の問題・課題。それをひとつひとつ解決していく花子。優柔不断だった五郎もついに腹をくくり、「鮮度の悪いものは売らない!」という方針を自身の決意として全従業員の前で語るまでになる。
◆改善が実り始めたころ、「安売り大魔王」の社長は「正直屋」の従業員を引き抜きにかかるが、花子の説得でほとんどの従業員が残る。
◆その後、「安売り大魔王」に移ることになった精肉部のチーフが「正直屋」から肉を盗み出し、それを知り駆けつけた花子が冷凍車の荷台に閉じこめられてしまう。…が、五郎が助け出し、「正直屋」繁盛のお正月でハッピーエンドを迎える。

いかがでしょう?
ご覧になったことのある方は思い出されたでしょうか。また、ご覧になったことのない方は、だいたいイメージできましたでしょうか。次回から、どのようなシーンやセリフに対し、どのような気づきがあったのかをお話ししたいと思います。

著作権:山田まり子

ワークライフバランス

2009年06月15日 | 見聞録
去る6月3日にセミナーに参加しました。講師は小室淑恵氏(株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役)。職場復帰プログラム「アルモ」を開発し、「日本ブロードバンドビジネス大賞」を2006年1月に受賞しています。

ワークライフバランスの目的は、仕事とプライベートをうまく調和させ、相乗効果を及ぼし合う好循環を生み出すことです。
例えば、仕事において高い付加価値を提供し成果を上げるためには、広い視野や人脈が必要ですが、それらは仕事以外の場所で身につくことが多いと思いませんか?
つまり、仕事以外の場を大切にすることによって、仕事も短時間で成果を上げることができるようになるのです。いいかえると、仕事での成果を上げるために「働き方の柔軟性を追求する」ということがワークライフバランスの核心であるということです。「ワーク」と「ライフ」を“ハーモニー(調和)”させることで、仕事でも家庭でもより豊かな生活ができるのです。

講演は、以上のような主旨にもとづいた内容でした。
今回、話の中で印象に残ったのは、「長時間労働は、結果的に、企業に悪影響を与えている。」という言葉でした。

そこで、長時間労働が企業にどのような悪影響を与えているか、私なりに次のようにまとめてみました。
(1)効率の低下(生産性の低下)
(2)人間関係の悪化(いじめ)
(3)モラールの沈滞、創造性や活力の喪失
(4)離職率の増加(新しい人を採用し教育しなければならない)
(5)人材の流出(有能な人材の流出)
(6)健康の悪化や過労死
(7)安全配慮義務違反による損害賠償金の支払(有名な電通事件:過剰な長時間労働により心身ともに疲弊して、うつ病になり自殺を図る。損害賠償金額:1億2,500万円(平成9年東京高裁))

これ以外に、直接的には、長期休業による損失、作業能率の低下、医療費、間接的には、ミス、事故等につながるといったことがあります。

今、時代は変化に直面しています。経営環境も人々の暮らし方も。単に変化のスピードが速いだけでなく、どちらの方向に進むのかも定かではありません。このようななか、企業にとって必要なのは、変化に対応できる人材です。自分で考え判断し、行動を起こせる人材、つまり『自律的な人材』が求められているのです。

長時間労働は、この自律的な人材を育成することの対極にあります。長時間労働をなくし、その時間を個人のスキルアップにあてることで、激変する時代に対応できる人材が育つ土壌が生まれます。企業にはよい結果を与え、個人によりよい生活を提供するワークライフバランスの考え方を職場づくりに取り入れてみてはいかがでしょう。

著作権:山田 透

お金:使い方の設計

2008年08月25日 | 見聞録
先日、マコーという会社の創業者の話を聞く機会がありました。マコー株式会社は長岡にある、ウェットブラストという加工技術を核にした事業を展開している会社です。昨年の6月に経済産業省主催の「元気なモノ作り中小企業300社 2007」に選定され、11月には中小企業研究センター主催の「グッドカンパニー大賞」優秀企業賞を受賞しています。

話のなかで一番印象に残ったのは「お金を稼ぐことが目的で、それを貯めておくだけなら単なる吝嗇(りんしょく)。お金を何に使うか、使い方の設計をしなくては」という言葉でした。

事業を行ってお金を稼ぎ、それを貯めていれば(あるいは、貯められれば)いいほうではないでしょうか。むしろ、そこそこ稼ぎはしたが、何に使ったのかわからないうちに、いつの間にか手元からお金が消えているとか、資金繰りだけで精いっぱいといった状況のほうが多いように思います。
これらの状況がなぜ起きているのでしょうか。その答えが「何に使うかが決まっていない」つまり、マコーの創業者の言われる「使い方の設計」ができていないことだと私は思うのです。

経営は、それによって何を実現したいかという目的があるはずで、そのためには必要なもの、買いたいもの、お金を使いたい先があるはずです。もちろん、「暮らしていくために食わねばならぬ」のも事実です。しかし、これとても「死ぬまで」暮らしていくためには、未来に向けての投資が必要です。

例えば、1軒の小さな飲食店であっても、調理ということに情熱を持ち、お客さまに喜んでいただきたいという思いがあるでしょう。それならば、料理の腕を上げるため、新しいメニューを考えるため、勉強もしなければならないし、よそのお店を食べて歩くことも必要になります。それにはお金がかかります。お店も定期的に改装したり、厨房機器を新しくしたり、食器を買い替えたりといったことに気を配らなければなりません。
これらのことをバランスよく行うために、何に、いつ、いくらかけるのかを考える。それがお金の使い方を設計するということの一つだと思います。

著作権:山田まり子

ヒロタの事業を再生した広野道子氏のセミナー

2008年05月22日 | 見聞録
去る5月19日、セミナーを聞きに行ってきました。講師は広野道子氏(21LADY株式会社 代表取締役)、洋菓子のヒロタを再生させた方です。以前、日経CNBCテレビのエコノWOMANに出演しているのを観たことがありますが、やはり、生でお話を聞くのはいいですね。迫力が違います。

1時間めいっぱいという感じで、次から次へと、いろいろなお話が飛び出したのですが、もっとも印象に残ったのは『人の再生』という言葉です。ヒロタを、なぜ、たった3年で再生できたのかというお話のなかで、その理由のひとつとして、『人の再生』ということをおっしゃっていました。

再生の場合は、問題解決においてスピードが大事で、それには人だと。人それぞれ欠点もあるけれど、必ず長所があるので、それを活かす。教育の前に、各人の長所を活かす人員配置をするだけで、かなり業績が上がるというお話でした。

私も外部の専門家として企業経営に関わるなかで、広野氏と同じように感じることがあります。短所や問題点を指摘するのは簡単ですが、指摘してもあまり意味がないのです。もちろん、問題解決のために問題の原因を分析するのは大切ですが、ややもすれば「誰が悪い?」という悪者さがしになりがちです。しかし、「誰が」ではなく「何が」問題なのかを見極め、どうすればいいか、そのためには「どのような人が」担当するのがいいか、というように考える必要があります。

悪者さがしをしない問題解決で、働く人のやる気を引き出し、新しい仕組みをつくっていけば、結果は後からついてきます。

著作権:山田まり子