新潟市にある山田コンサルティング事務所

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休業と保険料

2011年05月30日 | 法律
おはようございます、社会保険労務士の山田透です。
従業員が休職や産前産後休暇、業務災害・通勤災害などで休業した場合、社会保険料や雇用保険料、あるいは住民税の取扱いはどうなっているかについて考えてみます。

■保険料などの取扱い
社会保険料(健康保険と厚生年金保険)は、育児休業期間を除き、被保険者である間は支払わなければなりません(労使折半です)。雇用保険料は賃金が支払われた月ごとに保険料が発生しますので、休業期間中は、賃金が支払われなければ発生しません。住民税は前年の所得に対し発生し、会社が従業員の賃金から住民税を預かり、従業員に代わって市町村に納めます。

■休業中の賃金
賃金はノーワーク・ノーペイの原則があり、一般的には休業中の賃金は支給されません。社会保険などから休業中の従業員の生活を安定させるため、健康保険から傷病手当金や出産手当金、労災保険から休業補償給付、あるいは雇用保険から育児休業給付金などの給付があり、生活費の補填ができる仕組みになっています。

■保険料の支払いは?
健康保険・厚生年金保険は、被保険者期間の続く限り保険料を納めなければなりません。会社が従業員の負担分と合わせて納付します。このとき、従業員に賃金を支払っていない関係上、賃金から保険料を控除することができません。つまり、会社が立て替えることになります。

従業員が休業途中で退社した場合、会社が立て替えた社会保険料が回収できないケースなどが生じないように、休業中の社会保険料の取扱いについて、決めておくのが良いでしょう。具体的には、「社会保険料の支払いについては、指定日までに会社の請求書に基づいて会社口座に振り込む」などの、社会保険料等の取扱通知を従業員に告知します。

社会保険料の金額は1か月でも結構な金額になります。長期間にわたると金額が高額なり、場合によっては生活に影響を及ぼす可能性もあります。そのときトラブルにならないためにも、会社と従業員は休業中の社会保険料等の取扱い方法を明確にしておいたほうがいいでしょう。

著作権:山田 透

本気起業セミナー★2011

2011年05月23日 | お知らせ
大好評につき、今年も開催!
本気で起業したい女性のための応援セミナー

夢を語るだけの起業セミナーではなく、本気で自分の経験と力を使って、稼ぐ仕組みをつくりたい女性限定のセミナーです。

おはようございます! (^O^)/
中小企業診断士の山田まり子です。
昨年度に引き続き、今年度もがむばりまっす!
22日(日)新潟日報の「県からのお知らせ」にも掲載されました。
ぜひぜひ、ご参加くださ~い。

【月 日】
オープンセミナー 6月8日
連続講座 7月6日、8月3日、9月7日、10月5日
※いずれも水曜日
【時 間】 13:30~15:30
【会 場】 新潟ユニゾンプラザ2階
【お申込み・お問合せ】 (財)新潟県女性財団

詳細・お申込みは → こちら!

お知らせ:山田まり子

休日と休暇はどう違う?

2011年05月16日 | 法律
おはようございます、社会保険労務士の山田透です。
国語辞書によると、休日は休みの日。業務・営業・事業などを休む日。
休暇は、会社・官庁・学校などで認められた、休日以外の休み。「―をとる」「夏季―」
となっています。通常はあまり意識することがないと思いますが、法律上この言葉の違いは明確にあります。

労働基準法の定義によると休日は労働義務のない日、休暇は労働義務のある日に労働が免除される日です。

■休日
休日は、原則として午前0時から午後12時までの1暦日をいいます。
会社は従業員に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければなりません。また4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。これが法律上の休日で法定休日といわれます。

週休2日制を採用している会社は、4週間を通じて8日の休日があります。そのうちの4日が法定休日で、それ以外の休日が法定外休日になります。さらに就業規則などで、国民の祝日、正月、お盆休み、会社の創立記念日などを休日としている場合は、それらの休日もすべて法定外休日になります。

■休暇
休暇にも、法定休暇と法定外休暇があります。法定休暇としては、年次有給休暇、産前産後休暇、生理休暇、育児休暇、介護休暇、子の看護休暇があり、それぞれ法律に規定されているので、従業員からの請求があった場合は与えなければなりません。法定外休暇は、一般的には、慶弔休暇、夏季休暇、病気休暇、リフレッシュ休暇などがあります。
休暇を取得した日の賃金の取り扱いは、年次有給休暇を除いて、有給あるいは無給にするかは法律では定めていないので、就業規則などで規定しておきます。

■賃金の割増
休日は労働義務のない日ですから出勤した場合は、割増賃金を支払わなければなりません。法定休日の場合は、割増賃金率は35%以上、法定外休日の場合25%以上と法律で定められています。
休暇は労働義務のある日に労働が免除される日ですから、休暇を取り消して労働させたとしても所定時間外労働にはあたりませんので、割増賃金は発生しません。

■就業規則への反映
法定休日をいつにするかは、就業規則などで定めておきます。また、休暇の有給または無給にするかも就業規則などで定めておきます。割増賃金率の違いや、休暇を取得した際に有給・無給で従業員ともめないためにも、もう一度会社の就業規則がどのように記載されているか確認しておきましょう。

著作権:山田 透

ピークタイムとアイドルタイム

2011年05月09日 | 経営
おはようございます! (^O^)/
中小企業診断士の山田まり子です。

飲食・サービス・小売業といった、いわゆる「お店屋さん」の売上アップを考えるときに重要になるのがピークタイムとアイドルタイムです。ピークタイムは忙しい時間帯、逆に暇になる時間帯をアイドルタイムといいます。

ピークタイムとアイドルタイム、つまり、繁閑の差が激しいというのが一般消費者を相手にする商売の宿命であり、克服すべき課題。これをきちんと現状把握・分析し、対策を立てていきます。

ピークタイムとアイドルタイムは、1日のなかで、1週間のなかで、1ヵ月のなかで、1年間のなかで発生していますので、それぞれに対して対策を考えます。このときに、どのような順序で売上アップ策を考えるかというと…

Step1 売れるときに売り逃さない(ピークタイムはあるか?)
Step2 忙しくてもサービス・レベルを落とさない
Step3 暇な時間帯の売上を引き上げる


1つずつ見ていきましょう。

Step1 売れるときに売り逃さない(ピークタイムはあるか?)

私はヒアリングで店主の方に「やっぱり、18日~24日は売上悪いですか?」と聞きます。どうしても給料日前は消費者の財布のヒモが固くなるので、給料日である25日の前1週間は売上が落ちるのが一般的だからです。

ここで、「いや~、それほどでもないですね。確かに多少は落ちますけど。」といった言葉が返ってきたら要注意! それは、売れるときに売ることができていない証拠であることがほとんどだからです。つまり、ピークタイムをつくれていないわけで、この場合は、まずしっかりとピークタイムをつくることが課題になります。

Step2 忙しくてもサービス・レベルを落とさない

そして、順調にピークタイムの売上が伸びてきたら、次に気をつけるのは忙しいときのサービス・レベル。忙しくなるとどうしてもサービスが行き届かなくなり、お客さまが離れてしまいます。

このとき重要になってくるのがアイドルタイム。アイドルタイムにどれだけピークタイムを支えるための準備ができているかで、売上とお客さまの満足を得られるかが決まってくるからです。

お店が忙しいのは見ればわかります。お客さまだってわかっています。休日の行楽地でランチタイムにレストランが混んでいるとき、そのこと自体で怒るお客さまはいらっしゃらないでしょう。ただ、そのときにお店のオペレーションがきちんとまわっているか、スタッフがキビキビと自分のやるべき仕事をしているか、お客さまに気を配れているか。ここができていないとお客さまは怒りますし、次には来店してくれなくなります。

Step3 暇な時間帯の売上を引き上げる

暇な時間帯の売上を引き上げるというのは、とてもたくさんの努力や工夫をしなければならない割に手に入れられる成果は少ないです。平たくいうと、割に合わない。現実に飲食店では午後2時~5時は閉店にしているというお店もありますよね。それも1つの方法だと思います。

Step3は、ケース(お店の業種や状況)によって対応がかなり違ってきます。まずは、ピークタイムの売上をしっかり伸ばして、アイドルタイムにはピークタイムの準備をきちんとできるようになって、Step3はそれから考えましょう。

著作権:山田まり子

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労使協定と労働協約の違い

2011年05月02日 | 労務
おはようございます、社会保険労務士の山田透です。
労使協定と労働協約の違いについては、なんとなく知っているつもりだが、詳しくは知らないという方が多いと思います。そこで、今回は労使協定を主として取りあげ、労働協約との違いについて考えてみます。

【労使協定】
労使協定は、労働基準法、高年齢雇用安定法、育児・介護休業法で定める事項のいずれかについて、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合が存在するときは、その労働組合と使用者の間で協定を結びます。また、労働者の過半数で組織する組合が存在しないときは、労働者の過半数を代表する者と使用者とが協議し締結します。

労使協定は、本来労働基準法で禁止されている取り扱いを行うために必要な手続きです。労働者を法定労働時間を超えて働かせたり、法定休日に出勤させるためには、事業主と労働者との間で協定を結び、労働基準監督署長に届出ることが必要です。
労使協定なしに法定労働時間を超えて働かせると、事業主は6か月以下の懲役か30万円以下の罰金が科せられます。しかし、時間外労働・休日労働に関する労使協定を届出てあれば、法定労働時間を超えて働かせたとしても労働基準法違反で罰せられることはありません(労基法36条)。労使協定には、法定義務違反や罰則を免れることができる効果があり、これを、刑事免責的効力といいます。

ただし、労使協定には、就業規則や労働協約のように労働契約に勝る規範的効力(効力の強さの順:法令>労働協約>就業規則>労働契約)はありません。
労使協定だけでは従業員に労使協定の内容を強制することはできません。したがって、労使協定の内容を従業員に強制するには、就業規則・労働契約または労働協約にその旨を記載する必要があります。

【労働協約】
一方、労働協約とは労働組合法に基づき、労働組合と使用者との書面による協定です。その内容は労働条件の基準(賃金・労働時間など)や労使間の権利義務などを含むすべての事項を対象とする書面の合意であり、労働協約は、事業の運用に制限を与えたり、特別な労働条件を会社に認めさせる効力があります。
労働協約が就業規則より従業員に有利な内容の場合は、労働協約の内容が有効となります。
(1)締結の主体は労働組合です。労働組合であれば、少数の組合員の組合であっても締結権があります。
(2)拘束の範囲は原則として、労働協約を締結した労働組合の組合員のみを拘束します。他の労働組合の締結した労働協約は、その組合員には適用されません。

労使協定や労働協約を締結する場合は、労使間でよく話し合い、誠実に協議をして、お互い納得できる結論を導き出すようにしたいものです。

著作権:山田 透