みなさんの会社では、従業員が欠勤や遅刻、早退をした場合に、賃金カットの計算はどのようにしていますか?
労働基準法では、賃金カットに関する規定はありません。
考え方としては「ノーワーク・ノーペイの原則」があるので、月給制であったとしても労働者が欠勤、遅刻、早退等によって所定労働日あるいは所定労働時間の一部を労働しなかった場合は、その労働しなかった日数、時間数に応じた賃金部分は支払わなくてよいということになります。
月給制の場合、欠勤した日数に応じ、賃金を差し引く場合の計算はどのような方法があるか考えてみます。
1. 労働基準法施行規則第19条(割増賃金の計算方法)を準用する方法
この計算方法は、通常の場合はほとんど問題を生じませんが、例えば1ヵ月全部を欠勤した場合などには、ノーワーク・ノーペイの原則からはずれることになり、少しおかしな感じになります。
2. 労働基準法施行規則第25条(有給休暇の期間に支払われる賃金の算定)第4号で定める「月によって定められた賃金については、その金額をその月の所定労働日数で除した金額」、つまり22日の月には欠勤1日につき22分の1をカットし20日の月には20分の1をカットする方法
この計算方法は、月によって賃金のカット額が変動します。これは、月によって所定労働日数に違いがあっても、毎月、同じ賃金を支払う月給制に基にしているために生じます。
3. 月給額を最も所定労働日数の多い月の所定労働日数で除した額をカットする方法
この計算方法は、月によって賃金のカット額が変動しません。
4. その他の方法
・欠勤1日につき月給額の30分の1をカットする方法
・欠勤1日につき月給額の50分の1をカットする方法
・欠勤5日程度まではカットせずそれを超えた分はカットする方法
いずれの方法も、労働基準法上は問題はありません。
HPから無料でダウンロードできるモデル就業規則や市販されている就業規則のひな形には、この項目が記載されていないものが多く、そのためか、企業の(本物の)就業規則に賃金控除の項目が作成されていないケースを散見します。欠勤等で賃金を控除するのであれば、計算方法は就業規則に明示しなければなりません。
参考文献:「賃金の法律知識」中川恒彦著(労働法令協会)
著作権:山田 透
労働基準法では、賃金カットに関する規定はありません。
考え方としては「ノーワーク・ノーペイの原則」があるので、月給制であったとしても労働者が欠勤、遅刻、早退等によって所定労働日あるいは所定労働時間の一部を労働しなかった場合は、その労働しなかった日数、時間数に応じた賃金部分は支払わなくてよいということになります。
月給制の場合、欠勤した日数に応じ、賃金を差し引く場合の計算はどのような方法があるか考えてみます。
1. 労働基準法施行規則第19条(割増賃金の計算方法)を準用する方法
この計算方法は、通常の場合はほとんど問題を生じませんが、例えば1ヵ月全部を欠勤した場合などには、ノーワーク・ノーペイの原則からはずれることになり、少しおかしな感じになります。
2. 労働基準法施行規則第25条(有給休暇の期間に支払われる賃金の算定)第4号で定める「月によって定められた賃金については、その金額をその月の所定労働日数で除した金額」、つまり22日の月には欠勤1日につき22分の1をカットし20日の月には20分の1をカットする方法
この計算方法は、月によって賃金のカット額が変動します。これは、月によって所定労働日数に違いがあっても、毎月、同じ賃金を支払う月給制に基にしているために生じます。
3. 月給額を最も所定労働日数の多い月の所定労働日数で除した額をカットする方法
この計算方法は、月によって賃金のカット額が変動しません。
4. その他の方法
・欠勤1日につき月給額の30分の1をカットする方法
・欠勤1日につき月給額の50分の1をカットする方法
・欠勤5日程度まではカットせずそれを超えた分はカットする方法
いずれの方法も、労働基準法上は問題はありません。
HPから無料でダウンロードできるモデル就業規則や市販されている就業規則のひな形には、この項目が記載されていないものが多く、そのためか、企業の(本物の)就業規則に賃金控除の項目が作成されていないケースを散見します。欠勤等で賃金を控除するのであれば、計算方法は就業規則に明示しなければなりません。
参考文献:「賃金の法律知識」中川恒彦著(労働法令協会)
著作権:山田 透