安良里ヤマナカ海話

西伊豆安良里ダイビングセンター山中のブログ。安良里や黄金崎の海、生物、人、ダイビングについて思いつくままに

覚悟を決めて

2007-05-01 08:01:58 | 安全
私は減圧計画潜水には否定的なのだが、テクニカルダイビングでは減圧潜水をすることが多くなる。
テクニカルダイビングのおかげで器材や減圧についての新しい展開が生まれているのはありがたいことだ。
ただ
減圧停止をしている間に、体調不良などの理由で急に浮上せざる得なくなったときは怖い。
無限圧潜水ならバディや仲間のダイバーが水面に引き上げてレスキューを行えばよいが(良いことではないが(^_^;))、減圧潜水の場合一緒に潜っている人も減圧症のリスクを負うことになる。多少の減圧停止を無視するくらいならやるだろうが、長い減圧時間を要しいているダイバーなら・・・・リスクは多きい。

仲間に緊急浮上が必要な状態でトラブルダイバーだけを水面に上げることができるだろうか?
おそらく多くのダイバーは冷静に判断力が保てない状態だろう
救助される側も救助する側にも危険な状態だ。

長い減圧停止が必要な状態であれば、
理想的には

予め陸(船)にサポートチームを予め配置した状態でダイビングをはじめ、
トラブルダイバーが水中にとどめて置けるなら、水面にエマージェンシーフロートを上げて、サポートダイバーにトラブルダイバーを救助させる、またはトラブルダイバーだけを浮力で浮上させるしかないだろう。

減圧潜水をするにはこの程度の準備をすべきだと思うが・・・
はたして現実は?

テクニカルダイビングは難易度の高い山に登る登山と同じ感覚でいてほしい。
オウンリスクはもちろんのこと、高度なスキルと救助体制も整えてから始めてほしいものだ。

テクニカルに関わらず
事故で人が亡くなると残された家族のことはもちろんのこと、
仲間にとっても大きなダメージを与えるのは間違いないのだ。
事故は起こしてだめだし、小さなトラブルで処理しなければならない。
人間の適応外の世界に踏み入れるときの鉄則のようなきがする。

頭が固いのかな??



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5 コメント

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自分ひとりではないんですよね~ (トミヤマ)
2007-05-01 17:37:18
ちょっぴりずれるかもしれませんが、私は減圧潜水でも無限圧潜水でもレスキュー時の減圧症のリスクはあると思います。

自分が助けたいと思う人と、そんな仲間とダイビングすることが本当のバディーシステムだしダイビングのスタイルだと思うんですよね~

下手な人には介護役のベテランダイバーがいる?それがバディーみたいに思っている方が多い気がしますが・・・

究極は人間の生活すべき場所以外の世界に機械を使って行くという行為事態運命共同体という意識が希薄になっているかもしれないような気がします。

ベテランでも突然の体調の変化や器材の突然の不調はあるしそこでチームとして対応できるようなダイバーが増えて欲しい・・・・・・・

それが本当のダイビングの指導のような気がします。

究極の事態では、仲間のために、仲間の家族のために自分のすべてのスキルと知識と運を傾注して対応する覚悟ができている方と楽しいダイビングをしたいな~

なんて思いました。
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Unknown (Terry's W)
2007-05-01 18:12:50
ヤマさん、トミヤマさん

同意です。
バディのあり方、ダイビングのあり方・・・。
誤解されている方多いですね。

直さないと。ですね。

沖縄からでした。
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安全へのクリアランス (あおいそめ)
2007-05-02 06:31:22
テク・ダイビングはどれだけ安全への余裕度を切り詰めていくダイビングかと思っています。ブリザードに一晩吹かれれば、凍傷で手足を失うような登山も、丹沢のハイキングも登山です。境目はありません。おなじようにテクもレクも技術的、器材の面で差があるだけで、境目はありません。自分で一線を引くしかないのだと思っています。街中の60km/hと高速道路の120km/hのどちらが安全を比べるようなものです。しかしリスクへの許容度の幅は同じでしょうか。と考えると無限圧と減圧ダイビングの間の谷はかなり深いとおもっています。管理人さんのおっしゃるように、十分な準備がないままに、コレを越える
べきでないと感じています。テクからフィードバックはすばらしいものもあります。ただテク・ダイビングの減圧事故の多くは、減圧用のガスが切れた、あるいは流されて減圧用のロープが見つからないといった、ケースで、ダイビングの普遍的なリスクによるもののようです。
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Unknown (アラリヤマ)
2007-05-02 07:50:32
私自身が、アル事故をきっかけに今ちょっとナイーブになっているのでしょうが・・・。

もし
テックダイビングをやっていて、減圧停止が数十分必要な状態から、バディ(自分でも)急激な体調不慮を起こした場合、私ならどうするだろう。
選択肢は2つ
バディを水面サポートダイバーに任せて浮上させる。
または自分自身の減圧症のリスクをかえりみず一緒に浮上する。

2重事故の予防の大原則からすれば
サポート体制を稼動させるしかないのだろうが
それでも
仲間だけを浮上させて自分が減圧をしていることを思うと、苦肉の選択のような気がする。

さらに
水面サポートをつけてテクニカルダイビングをやっている人ってどのくらいの確立でいるだろう?
それとも
テクニカルといえども無限圧潜水に近いダイブプランで潜っているのだろうか?

作業ダイビングの世界では水面サポートは当たり前、さらに酸素チャンバーを装備している会社も多くある。彼らからはレジャーダイバーのテクニカルがどのように見えているのだろう?
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1人じゃないね (アラリヤマ)
2007-05-02 08:04:00
もう親父なんだな~
昔なら自分のことだけ考えていたのだろうが

残される者の事や仲間のことを考えると
無理はできなくなる。
また
もし亡くなった方の家族に小さなお子さんでもいようなら、事故の当事者でなくても落ち込んでしまう自分がいる。

海に潜るという大きな一線を越えて、さらに人を導いている重さを考えなければいけないのだろう。
そのためのトレーニングや知識や自分自身の体調や集中力を維持し続けなければならい。

さらに
まっすぐに浮上できないという、更なる一線を越えてしまうダイビングをするには、より覚悟が必要だと思う。


こんなこと考えるとビジネスにならないから考えないに越したことは無いのか~~~アハハハh(^_^;)
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