安良里ヤマナカ海話

西伊豆安良里ダイビングセンター山中のブログ。安良里や黄金崎の海、生物、人、ダイビングについて思いつくままに

人工呼吸ができなくなっては困ると思うが

2008-05-28 07:21:44 | 安全
4月にも書いたが
人工呼吸が一般のファーストエイド技術から外される可能性が出てきた。
現場でのファーストエイドの蘇生効率を上げるには、いい方向性だと思う。
でも
2005年のAHAの改定にもあるように
水没溺者の応急処置には人工呼吸が重要であることには代わりがないのだ。

ファーストエイド講習で人工呼吸を習わないと、レスキューでできるわけはないし、その重要性さえも理解しない指導者なら・・・

レスキューコースの中で人工呼吸の重要性をしっかり学ぶカリキュラムと水面での人工呼吸のやり方を考え直すときかもしれない。

肺嚢胞→気胸

2008-04-30 16:28:57 | 安全
前にも肺嚢胞について書いたことがあったが

ついに
師匠(本人は弟子とは思っていないだろうが)が
水中で自然気胸を・・・・

「だいぶチーム村田」


詳細は読んでいただければわかるのだが

ものすごい
体験記であり
貴重な医学データでもある。

おそらく
水中で自然気胸を起こし
無事に浮上した事例はあまりないだろう。

<タイミング??>
肺嚢胞が破れる確率は??
 医科歯科大のチャンバー内でもほとんどないそうである。

どんなタイミングで破れるのか?それがわかれば対策の方法も多少あるのだろうが・・。

とりあえず
水中で自然気胸を起こさないようにするための一つの
保護策は肺嚢胞の存在をチェックすることかあ~~~?

喫煙者や喫煙経験者は確率が上がるらしいよ

心肺蘇生法 人工呼吸は不要(2)

2008-04-09 06:53:22 | 安全
asahi.comにもこんな記載があった。

人工呼吸と心臓マッサージの精度がわからないが、
不完全な人工呼吸と組み合わせてやるより、胸骨圧迫を行っただけのほうが効果があがるのだろう。


一般普及型としては
胸骨圧迫だけのほうが断然普及しやすくなるだろう。
胸骨圧迫とAED処置が早く施されることは良いことだ。

心停止、とにかく胸押して 救急医ら調査、指針見直しへ
2008年04月05日13時43分

 心停止状態で倒れている成人を助けるには、胸を押し続けて圧迫するだけでも、人工呼吸を加えた方法と同じ蘇生効果があることが、日本の二つのグループの調査でわかった。調査を受けて米心臓協会(AHA)は、この「圧迫」を蘇生法として市民に勧める見解を発表。日本でも指針が見直される見通しだ。

 心臓発作などで倒れた場合、命を大きく左右するのは早期の心肺蘇生。蘇生法は、胸の真ん中を押す「胸骨圧迫」と人工呼吸を交互に行うのが原則で、海外でも同じ。ただ、第一発見者の多くはたまたま居合わせた人。他人に口をあわせる人工呼吸に抵抗感があるのが課題だった。

 ところが京都大の石見拓・助教や大阪府の救急医らの調査で、人工呼吸を省いても効果が変わらないことがわかった。調査対象は、98~03年に心臓病で心停止して倒れたが、近くに人がいた大阪府民の事例約4900件。倒れて1年後に、後遺症なく社会復帰できた率を調べた。

 すると、倒れて15分以内に救急隊が到着したケースでは、居合わせた人から基本蘇生法を受けた場合の「後遺症なし復帰率」は4.1%。胸骨圧迫のみは4.3%で、ほぼ同じ効果がみられた。首都圏の医師らの調査でも同様の傾向だった。

 AHAは蘇生法の国際的な指針づくりに強い影響力を持つ。子どもについては、基本の方法を勧めている。

 日本救急医療財団心肺蘇生法委員長の坂本哲也・帝京大教授は「手法の難しい人工呼吸を無理にするより、圧迫だけでもたくさんの人に取り組んでもらえれば、より多くの命を救える」と話す。(田村建二)

アサヒ・コムトップへ

心肺蘇生法 人工呼吸は不要

2008-04-07 07:27:52 | 安全
今朝のNHKニュースから
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発作を起こした人などに対して心臓マッサージを行う際、同時に人工呼吸を行わない方が社会に復帰できる確率が高いという日本からの報告が国際的なガイドラインに採用され、突然倒れた人には心臓マッサージだけを行うよう方針が改められました。

アメリカ心臓協会が作る国際的なガイドラインでは、心臓発作などで突然倒れた人に対する心肺そせいの方法について、これまで人工呼吸と心臓マッサージを交互に行うとしてきました。しかし、日本の医師たちが調べたところ、患者が1か月後に社会復帰した率は、心臓マッサージだけを行った方が、同時に人工呼吸を行った場合に比べて1.5倍高かったということです。こうした報告を受けて、アメリカ心臓協会は、心臓マッサージだけの心肺そせいが有効だとする新たなガイドラインを発表しました。ガイドラインでは、突然倒れた人を目撃した場合は、まず消防に連絡するとともに、胸の真ん中の辺りを1分間に100回の速さで強く圧迫するよう求めています。日本循環器学会は、このガイドラインに沿って、心臓マッサージのみの心肺そせい法を今後、全国に広めることにしていますが、一般の人は口を付けて行う人工呼吸に対して抵抗感が強かっただけに、救命率が上がるのではないかと期待されています。

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だそうだ
応急手当は簡素化し一般の方が手を出しやすいように指導する傾向になるので、
早急に改定がされそうである。

以前
小田原での医学セミナーでも講師の先生からも
「いずれ人工呼吸は指導しなくなるかもよ」とお聞きした記憶がある。

我々が接する可能性が高い「溺水」患者などには
早急な人工呼吸は効果が高いと思うから
今後、ガイドラインがどのように提示されるのか?

気胸

2008-02-08 00:16:25 | 安全
久し振りです


11月からしばらく自己研鑽も兼ねて
講習やセミナーやイベントにも参加していた。

その中で
1月小田原セミナーで大岩先生が
「「気胸」=絶対禁忌止ではない」とおっしゃっていた。
「気胸=問題なし」ではないが
やはり
ダイビングが大好きで肺嚢胞を抱えている人には
希望の持てる話である。
関係する方は
一度受診してみるのもいいかも

南あたみ第一病院

自覚がなく肺嚢胞を持っている方もいるはず。
浮上はゆっくりすべきである。
「水中でパニックになる可能性のあるダイバーを作らない」
なんて当たり前だが・・・・
インストラクターは肺嚢胞のことを考えると
もう少しトレーニングの程度も変わってくるかな?


背が高く痩せている若い男性に発生率が高いようだ。

気胸「wikipedia」より一部引用

病因
多くは自然気胸(原発性自然気胸 Primary spontaneous pneumothorax および特発性自然気胸 Secondary spontaneous pneumothorax)で、肺胞の一部が嚢胞化したもの(ブラ Bulla)や胸膜直下に出来た嚢胞(ブレブ Bleb)が破れ、吸気が胸腔に洩れる事でおこる。胸痛をきっかけに受診することが多い。聞きなれない病名のため、喘息などと勘違いして放置されることもあるが、日本ではそれほど珍しい病気ではない。

年配の人の気胸の場合は肺気腫・結核・肺癌などの基礎疾患に伴う続発性気胸が多い。女性の場合は子宮内膜症が横隔膜や肺に広がり月経とともに剥がれ落ちて起こる、月経随伴性気胸の場合もある。交通事故などによる肋骨骨折が原因となる外傷性気胸や、中心静脈カテーテル穿刺、鍼による肩背部・胸部などへの直深刺などによる医原性気胸もある。

重傷の場合は静脈や動脈の損傷に伴う血気胸となり、左右のバランスが崩れる緊張性気胸では対側や心臓・大血管を圧排し、これらの場合では呼吸循環動態が極めて不安定なショックを呈することもある。


[編集] 疫学
自然気胸は、背が高く痩せ型の若い(10代〜20代)男性に起こりやすい傾向にあるが(BMIが20前後の男性では、6%程度にブレブの発生が見られた[1])、背の低い人、太った人、年配の人、女性が発病する事も稀ではない。

嚢胞が発生する原因や破れる原因ははっきりとは判っておらず、それ故に自然気胸と呼ばれる。喫煙や運動、猫背などの姿勢、気圧変化(夏よりも秋から冬にかけての発症が多い)などによって肺に強い負担がかかったため、または成長期では骨の急成長に肺の成長が間に合わずに肺が引き伸ばされてしまったため、心的ストレスや睡眠不足等の生活習慣の悪化のためとも考えられているが、いずれも確証は得られていない。







自然に対するリスク認識

2007-05-31 08:34:24 | 安全

黄金崎公園は西風でもわずかな角度の違いで、風が回って目の前だけでも東風になることがある。
日曜日も昼前から西風が強く吹いていたが、黄金崎の湾内は見るからに強い東風だった。

ビーチの監視のおじさんが
「オイ山中、カヌーがなんか変だけど、何じゃあれは?」
といわれて見たら、
沖で二人乗りカヌーが一艇ひっくり返っていた。
しばらく双眼鏡で様子を見ていたが、自力で乗れる様子も無く、仲間も助けることもできず、東風でどんどん沖へ流されていた。

一応ライフベストを着けていたのだが、これではこのまま流されると思い、
普段ダイビングをやってくれている船長が釣り客を乗せて釣りをしていたので、携帯で連絡して救助してもらった。

風が強くて、初心者が多く、しかも転覆しても起こすスキルが無く、サポート体制も無くてまったくよくやる。

良いとか悪いとか言う前に
自然や危険に対するリスクを感じる能力が欠落している。
私のレベルなら、あの状態で絶対カヌーはやらない。
これって
自然体験の少なさも原因だろうが、
何でも「危ない」という理由の元に、危険から遠ざけてきたらこうなるのだろう。
リスクと経験
子供のころから教えないといかんな~~

ダイビングや今凝っている着衣泳やはピッタリだ!

ダイビングや自然体験の指導者は大切な役割を担っているのだが・・・・
え!
イントラも危ないって??
アハハハハ~~~~




顔が厚いらしいが・・・・

2007-05-23 06:34:31 | 安全
【北京22日】中国の唐家セン国務委員は21日、地球温暖化対策について、豊かな国々がもっと努力をして、貧しい国々には持続的な経済発展の追求を認めなくてはならないと語った。新華社電が22日伝えた

政治ネタは書かないようにしてるんだけど
凄いこと言ってるな~~

でも
よく考えると
その国に沢山投資して安く商品を作っているのは日本企業(先進国)
その商品を喜んで買っているのは
我々か~~
(また中国に投資して利益を上げている企業の株を買っていても同じ)

出来るだけ自国で使うものは自国で生産するほうが、良いような気がするけどな~~

たまには見せしめで
日本人も過激に
製品ボイコッ運動でもやって見せたら
こんななめた発言しなくなるかも




健康診断のすすめ

2007-05-18 08:59:29 | 安全
JCUEでも触れているのだが
ダイバー体調管理に健康診断をもう少し関連付けると安全性が増すかな?
と考えている。
特に40歳代!!


最近
疾患が起因して事故につんながっているケースが増えているような気がする
もしかたら
昔からあったのに
死亡事故が減ったので帰って目立つようになったのかもしれない。

一般的健康診断のほかに
肺のCTや動脈硬化などの検査もしておくと良い
特に
メタボリックな方や喫煙者、糖尿病、運動不足のかたなどは
是非一度受診してほしい。

安良里DCでガイドを受けるかたで、
メタボリック体型で初心者やブランクだダイバーは、スタッフ間ではこっそり注意を払っているんですよ(^_^;)

靴は浮力だ

2007-05-15 15:27:52 | 安全
全ての靴がそうではないのだが、
布のコンバースのような布素材中心の靴でなければ
今のスニーカーはかなり浮力がある。

海(川でもいいんだけどね(^_^;))に落ちると
「靴を脱げ!」と言う人多い。

確かに靴を履いて泳ぐのは泳ぎにくいが、
浮いているだけだったら、スニーカーはとても浮力があり、脱ぐのはもったいない。
仰向けに浮くのであれば靴は脱がない方が良い
脱ごうとして動き回って
せっかく服の隙間に入り込んだ空気までも、捨ててしまうことになる。

このアディダスの靴でも1~2キロは浮力があるんじゃないかな?
これに
2リットルのペットボトルがあれば
楽勝で浮いていられる

服も着ていたほうが暖かいし
しばらくは浮力になるし

どうも
着衣泳にかんしては
誤解や偏見も多いようだ

覚悟を決めて

2007-05-01 08:01:58 | 安全
私は減圧計画潜水には否定的なのだが、テクニカルダイビングでは減圧潜水をすることが多くなる。
テクニカルダイビングのおかげで器材や減圧についての新しい展開が生まれているのはありがたいことだ。
ただ
減圧停止をしている間に、体調不良などの理由で急に浮上せざる得なくなったときは怖い。
無限圧潜水ならバディや仲間のダイバーが水面に引き上げてレスキューを行えばよいが(良いことではないが(^_^;))、減圧潜水の場合一緒に潜っている人も減圧症のリスクを負うことになる。多少の減圧停止を無視するくらいならやるだろうが、長い減圧時間を要しいているダイバーなら・・・・リスクは多きい。

仲間に緊急浮上が必要な状態でトラブルダイバーだけを水面に上げることができるだろうか?
おそらく多くのダイバーは冷静に判断力が保てない状態だろう
救助される側も救助する側にも危険な状態だ。

長い減圧停止が必要な状態であれば、
理想的には

予め陸(船)にサポートチームを予め配置した状態でダイビングをはじめ、
トラブルダイバーが水中にとどめて置けるなら、水面にエマージェンシーフロートを上げて、サポートダイバーにトラブルダイバーを救助させる、またはトラブルダイバーだけを浮力で浮上させるしかないだろう。

減圧潜水をするにはこの程度の準備をすべきだと思うが・・・
はたして現実は?

テクニカルダイビングは難易度の高い山に登る登山と同じ感覚でいてほしい。
オウンリスクはもちろんのこと、高度なスキルと救助体制も整えてから始めてほしいものだ。

テクニカルに関わらず
事故で人が亡くなると残された家族のことはもちろんのこと、
仲間にとっても大きなダメージを与えるのは間違いないのだ。
事故は起こしてだめだし、小さなトラブルで処理しなければならない。
人間の適応外の世界に踏み入れるときの鉄則のようなきがする。

頭が固いのかな??