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植松聖 きょう判決

2020-03-16 06:50:48 | 日記
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1 NHK 障害者殺傷事件 きょう判決 被告の責任能力が争点

2020年3月16日 4時15分障害者施設 殺傷事件

相模原市の知的障害者施設で入所者19人を殺害した罪などに問われた元職員に対し、16日、横浜地方裁判所で判決が言い渡されます。検察が死刑を求刑したのに対し、弁護士は事件当時、被告に責任能力はなかったとして無罪を主張していてどのような判断が示されるか注目されます。

相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」の元職員、植松聖被告(30)は平成28年7月、入所者19人を殺害した罪などに問われました。

横浜地方裁判所でことし1月から16回にわたって開かれた裁判員裁判では被告の責任能力の有無が争点となり、検察が「完全責任能力があり、卑劣で冷酷無比な犯行だ」として死刑を求刑したのに対し、被告の弁護士は「大麻を長期間使ったことによる精神障害で責任能力はなかった」として無罪を主張しています。

被告は裁判でも障害者への差別的な主張を繰り返すとともに「責任能力を争うのは間違いだと思っています。責任能力はあると考えています」などと述べました。

判決は16日午後1時半から言い渡される予定で、障害者施設の入所者が次々に襲われ19人もの犠牲者が出た凄惨(せいさん)な事件で、どのような判断が示されるか注目されます。

これまでの裁判の経過

裁判はことし1月8日から始まり、16回の審理が行われ結審しました。

初公判で植松被告は起訴された内容に間違いがないか尋ねられた際、殺害などについて認め「皆様に深くおわびします」と述べたあとで突然、指をかむような動作をして暴れました。裁判長は退廷を命じ、この日はその後被告不在のまま審理が続けられました。

これについて被告は接見したNHKの記者に対し「ことばだけの謝罪だけでは納得できず、いちばんいい方法だと思った」などと説明しました。

被告は2回目以降の裁判にはすべて出廷しましたが常に6人の係官に取り囲まれ、手には厚手の手袋をつけたり指に包帯を巻いたりしていました。

3回目と4回目の裁判では、遺族や被害者家族の調書が読み上げられ、犠牲者らの生前の様子や肉親を突然失った悲しみなどが詳しく明かされました。

8回目の裁判から4回にわたって被告人質問が行われ、検察官と弁護士、それに遺族や被害者家族が直接、被告に質問をしました。

被告は「責任能力はあると考えています」などと弁護士と異なる意見を述べたうえで、これまでと変わらない差別的な主張を繰り返しました。

遺族が涙をこらえながら質問したのに対し、被告は表情を変えることなく答えましたが、自分の意見を述べるだけで質問とかみ合わない場面もありました。

また、「あなたが殺害されたら両親はどう思うか」などと問われて一時、ことばに詰まったり、言いよどんでしきりに汗を拭いたりする様子も見られました。

12回目と13回目の裁判では被告の精神鑑定を行った医師と、弁護士から被告の精神状態の分析を依頼された医師がそれぞれ意見を述べました。

精神鑑定を行った医師が「被告には当時、パーソナリティー障害などがあったと考えられるが、事件現場では合理的で状況に応じた判断をしている」などと述べたのに対し、弁護士から分析を依頼された医師は「妄想や思考障害などの症状が出る『大麻精神病』であり、大麻が犯行に与えた影響を低く評価すべきではない」などと述べました。

14回目と15回目の裁判では遺族らが直接、心情を述べたり代理人の弁護士が思いを代読したりしました。

遺族の1人は「息子はいつも幸せをつくっていました」と被告の主張に反論したほか、別の遺族は「どんな刑でも絶対に許しません」と叫ぶように訴えました。

検察は「障害者を1人の人間として尊重する社会の価値観と相いれない犯行で酌量の余地はない」として死刑を求刑。16回目の裁判で被告の弁護士が無罪を言い渡すべきだと主張し、すべての審理が終わりました。


植松被告が問われた罪

今回の裁判で植松被告は殺人や殺人未遂など6つの罪に問われました。

▽建造物侵入
平成28年7月26日の午前1時43分ごろ、相模原市緑区の津久井やまゆり園に通用口から侵入したとして建造物侵入の罪に問われました。

▽殺人と殺人未遂
そして午前1時43分ごろから午前2時48分ごろまでの間に入所していた43人を次々と刃物で襲い、このうち19人を殺害し、24人にけがをさせたとして殺人と殺人未遂の罪に問われました。

▽逮捕傷害と逮捕
この間、施設の女性職員2人に暴行を加えて結束バンドで拘束したうえ頭や顔にけがをさせた罪に問われたほか、別の職員3人を結束バンドで拘束した罪にも問われました。いずれも外部に通報させないことがねらいだったとされています。

▽銃刀法違反
また、事件に使うために包丁2本とナイフ3本を所持した銃刀法違反の罪にも問われました。


争点は被告の責任能力

裁判で植松被告は殺害などについて認め、事実関係に争いはありません。唯一の争点は事件当時、被告に責任能力があったかどうかで、精神鑑定の信用性や大麻を使ったこととの関係などから検察と弁護士の双方が主張を展開しました。

▽検察
検察は裁判所が行った精神鑑定の結果について、「被告をパーソナリティー障害などと診断した結果は信用性が高い」としたうえで、「パーソナリティー障害は人格の偏りにすぎず責任能力に影響を与えるものではない。障害者に対する差別的な主張は病的な妄想ではなく単なる特異な考えだ」と主張しました。

大麻の使用については、「『被告が大麻を使用した影響はなかったか、あったとしても小さかった』などとする鑑定医の意見は信用性が高い」と主張しました。

そして計画的に事件を起こし現場では合理的で状況に応じた判断をしていることなどから、「善悪を判断する能力も、それに従って行動をコントロールする能力もあったことは明らかで、当時、完全責任能力があった」と結論づけました。

そのうえで、「ほとんど抵抗できない被害者を一方的に殺害した卑劣で冷酷無比な犯行だ。犯行の動機は障害者を1人の人間として尊重する社会の価値観と相いれず、反人道的で酌量の余地は全くない。裁判でも自分の考えの正当性を主張し続けていて更生の可能性は皆無だ」として死刑を求刑しました。

▽弁護士
一方、被告の弁護士は「友人が多く後輩からも慕われていた被告をパーソナリティー障害とする精神鑑定は合理性を欠き信用性に疑問がある」と主張しました。

大麻の使用については、弁護士の求めで被告の精神状態を分析し法廷で証言もした医師の意見に即して、「被告は大麻を長期間使ったことによる慢性の精神病だった。大麻精神病が被告の行動を支配した、とみるべきだ」と主張しました。

そして「被告は当時、ブレーキが壊れ変な方向にアクセルが入りっぱなしになった状態で自己を制御する能力はなかった。大麻を長期間使ったことによる病的で異常な思考によって犯行を実行していて、精神障害の影響で心神喪失の状態だった」と結論づけました。

そのうえで事件当時被告に責任能力はなく、無罪を言い渡すべきだと主張しました。


被告の法廷での主張

裁判で植松被告は殺害などについて認め、これまでと変わらない障害者への差別的な主張を繰り返しました。

▽初公判
初公判でははじめに裁判長から起訴された内容に間違いがないか尋ねられると、「ありません」と述べて殺害などについて認めました。

▽被告人質問
その後の裁判で被告の弁護士は「大麻を長期間使ったことによる精神障害で責任能力はなかった」として無罪を主張しましたが、被告自身は「責任能力を争うのは間違いだと思っています。責任能力はあると考えています」と述べました。

さらに「犯罪だと分かっていることを示すために自首しました」などと当時の行動を説明しました。

入所者を殺害するなどした理由については「意思疎通ができない重度障害者は本人や家族の同意がなくても殺害していいと思いました」と身勝手な動機を述べました。また「障害者を殺せば金を持つ権利が得られると思いました」とも述べました。

▽遺族らが質問
差別的な主張を繰り返す被告に対し、事件で大けがをした被害者の家族が「職員として入所者と意思疎通しようと努力したことがあったか」と問うた際には、具体的な答えに詰まる場面もありました。

さらに裁判長とのやり取りの中で、「こちらの要求を理解して入所者が笑ってくれることもありました」と答えた被告に対し、裁判長が「それが意思疎通できたということではないのか」と指摘する場面もありました。

▽最終弁論
被告は審理の最後には「どんな判決でも控訴いたしません。今回の裁判の本当の争点は、自分が意思疎通を取れなくなる時を考えることだと思います」などと意見を述べました。


調書では新たな事実も明らかに

裁判では検察官が調書を読み上げたり被告に質問したりする中で、新たな事実も明らかになりました。

被告に拘束された職員の調書からは、一時、意識不明となるなど事件で大けがをした尾野一矢さん(46)が襲われたあとに取っていた行動が明らかになりました。

この職員は「被告が逃走したあと、部屋から尾野さんが出てきました。『痛い』と言っていて私は『痛いけど頑張ろうね』と励ましました。そして『リビングにある携帯電話を取ってきて、四角いの』とお願いすると尾野さんが持ってきてくれて、私は結束された親指以外の指で110番通報をしました」と述べていました。

大けがをした状態で交わされた息子と職員とのやり取りについて父親の剛志さんは閉廷後、「これまで一矢は刺されたあと気絶したと思っていました。よく頑張ったと褒めてやりたい」と話していました。

別の職員の調書などからは被告に抵抗していたことも明らかになりました。この職員は拘束されて入所者の部屋に連れて行かれた際に「やめてください。なんでこんなことをするんですか」などと泣きながら何度も訴えたということです。

被告自身は法廷で、この職員から「障害者にも心があるんだよ」と言われたことを明かしましたが、当時の気持ちについては「心が動揺して気持ちは乱れましたが、やめようとは思いませんでした」と述べました。

このほか事件の前に被告が殺害の計画を打ち明け、それに対し両親や周囲の人が思いとどまるよう説得していたこともわかりました。

大学時代の友人は調書の中で「説得しようと『絶対に捕まるからやめなよ』と言っても被告は意見を譲らなかった」と述べ、高校時代の友人も「『人を殺したら捕まるからやめたほうがいいよ』と言いました」と述べていました。

一方、被告は、被告人質問の中で「障害者を殺すと50人ぐらいの友人らに話した。半数以上から笑いが起きて、同意されたと感じた」などと述べました。

また、遺族の弁護士から、事件の5か月ほど前に障害者を殺害するという考えを両親に伝えた際の反応を尋ねられると、「『人を殺したら悲しむ人がたくさんいる』と言って止められました」と述べました。


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