大項目4 「生理の貧困」対策について 質問と答弁 未定稿
コロナ禍をきっかけに、経済的な理由などにより生理用品を購入できない「生理の貧困」が可視化され、本市においても、生理用品の無料配布や学校保健室に常備して、必要とする子どもに支給するなどの取り組みが進みました。
生理の問題は、貧困ゆえに対応が求められるというだけではなく、ジェンダー平等の視点から、決して一過性の一面的な取り組みとしてはならず、とりわけ、初潮を迎える時期からの思春期の女の子に対する学校でのきめ細やかな対応は非常に重要だと考えます。そこで、以下、質問します。
(1)生理用品の無料配布について
月経のある女性にとって、生理用品がなければ、学校にも仕事にも行くことがでず、日常生活すらまともに営むことができません。これは、その時期の女性だけに課せられた試練でもあり、ジェンダー平等の観点から個人の自己責任ではない対策が求められます。
本市では、コロナ禍から、災害備蓄品として保管していた生理用品を福祉課や社協などで無料配布する取り組みがされてきましたが、在庫がなくなったことをもって終了とされました。取り組みの意義を考えれば、今後も継続することが必要と考えますが、これまでの取り組みをどのように検証しているのか、伺います。
(2) 学校での生理用品の配布の取り組みの状況について、伺います。
(3)学校女子トイレに生理用品を常備することについて
女子トイレに生理用品を常備することは、必要とする子どもが保健室に生理用品をもらいに行くということとは別の意義があります。
トイレに行って初めて初潮を知る可能性のある年齢の女の子や、月経の周期がまだ定まらない思春期の女の子にとって、トイレに行って初めて生理が来たことに気づいたときに、自分で持っていなくても近くに生理用品があれば、どんなにほっとするでしょうか。
美乃浜学園では、小学校4年生から9年生、いわゆる中学3年生が使う女子トイレの洗面所に生理用品が常備されています。この取り組みは、もう3年も前から始まっていますが、なぜいまだに他の学校に広がらないのか、疑問です。
美乃浜学園での取り組みの実績と効果をどのように検証しているのか、また、今後の市の考え方について伺います。
答弁 大和田保健福祉部長
(1)生理用品の無料配布について
生理用品の無料配布については、防災備蓄品等を活用し、令和3年7月から開始し、令和6年9月末までに870セットの生理用品を配布し、用意した数量に達したため無料配布を終了したところです。配布については、福祉事務所各課、介護保険課、女性生活科、那珂湊支所、社会福祉協議会の合計11か所の窓口で行いました。受け取りの時には、お困りの方が受け取りやすいよう各窓口に設置してある案内チラシの指差しやスマホ画面等で市ホームページを提示してもらうなど、言葉に出さなくても受け取れるようにし、できる限り女性職員が対応するなど配慮を行ったところです。
また、様々なご事情によりお困りの方が次の支援につながる一助となるよう各種窓口を一覧にしたチラシを生理用品に同封しました。この事業の性質上受け取りを希望する方には、事情をお伺いすることなくお渡ししましたので、必要になった事情などの検証はできていません。
防災備蓄品等を活用しての配布でしたので、今後についても市民・企業等からの寄付の申し入れや、防災備蓄品の入れ替え等により一定数の生理用品を確保できた場合には、無料配布の再開を検討します。
答弁 箱崎教育部長
(2) 学校での生理用品の配布の取り組みの状況について、伺います。
本市では「生理の貧困」への対策として、令和3年7月よりほっとスマイルプロジェクトと称し、生理用品を学校の保健室に常備しています。養護教諭などから直接配布することにより、経済的な貧困やネグレクトの早期発見につながることを期待しての取り組みです。また、学校のトイレに案内を掲示することにより、保健室に生理用品があることを児童生徒に知らせることで気軽に相談でき、受け取りやすい環境の整備に努めています。さらにこれらの取り組みについては、保険だよりを通じて保護者への周知を図っており、家庭からも必要な時には保健室の取りに行くよう児童生徒に声かけをお願いしているところです。
一方、美乃浜学園では、モデル校として4年生から9年生までの女子トイレの洗面所に生理用品を備えつける方法での配布も行っており、その実態を調査しています。
(3)学校女子トイレに生理用品を常備することについて
美乃浜学園での取り組みの実績としては、月平均20個程度が使用されており、保健室で配布する他の学校より多く利用されています。女子トイレに常備されていることから、より気軽に利用することができるものと考えています。
一方で、だれがどのような事情で使用したのかわからないという課題があると認識しています。保健室での配布は、取りに来た児童生徒への聞き取りや対応時の様子の観察などによって、体面による状況把握が可能となります。中学校の養護教諭に確認したところ、受け取りに来た生徒の中に配慮が必要な生徒がおり、継続的に近況の聞き取りができているというケースもありました。このような事例をふまえると、経済的な貧困やネグレクトの早期発見という当初の目的からは、体面での配布が望ましいと考えています。
モデル校としていた美乃浜学園についても、今後十分に周知を図りながら保健室での配布としていきたいと考えていますが、切り替えによる影響を注視しながら進めていきます。引き続き美乃浜学園での配布方法の変更による利用状況の変化や各学校の養護教諭の意見を踏まえながらより効果的な方法を検討していきます。
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