【2012年12月19日】 京都シネマ
《R-18》指定だし、最初の出だしの映像を見た時、「これは見る映画を間違えたかな」と一瞬思ったが、なかなかの映画である。
単なる青春映画、エッチ映画で終わらないで、若者の置かれている立場や、世情がうまく描かれている。
永山絢斗(卓也役)と窪田正孝(卓也の親友:福田役)が演じるふたりの青年がいい。ふたりを中心に別の世界が広がるが、全くかみ合わない別の世界でなく、《厳しい現実》で結びついている。厳しさの中でふたりが堅く繋がっているのが、観る者にも励ましにもなっているし、爽やかささえ感じる。
卓也の実家が個人経営の小さな『産院』であるという設定も面白い。《生》と《性》を語るにはもってこいの背景である。
ここでの、母親役の原田三枝子も小気味いいし、それを手伝う“助手”もいい清涼剤だ。
田畑智子の演技もいいが、《R-18》指定にしておくにはもったいない、後味のいい青春映画である。
『ふがいない僕は空を見た』-公式サイト