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最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『マリー・アントワネットに別れをつげて』-何が云いたいのかよくわからない、盛り上がりに欠ける映画

2012-12-24 22:26:38 | 最近見た映画


        【2012年12月22日】    京都シネマ


 以前、ソフィア・コッポラ監督の『マリー・アントワネット』(2006年、アメリカ映画)を観て、「なんてつまらない映画をつくるのだろう」とがっかりしたことを覚えているが、今回も衣装は凝ってはいるが、何と面白味の無い映画だ。

 原作はフランスでベストセラーになったというから、魅力のある小説かもしれないが、この映画に関しては盛り上がりに欠け、主題がはっきりしないぼんやりした失敗作だ。《原作の本》と《できあがった映画》は、どちらかがいいにせよ(双方を全部読んだり観たりはしていないものの)『全く別物』と常々思う。


 バスティーユでフランス革命が勃発した7月14日からの3日間を描いたというにしては、あまりにも緊迫感がない。ヴェルサイユ宮殿の貴族達の立ち振る舞いも平板にしか描かれていないし、外部の革命の騒々しさも伝わってこない。


 貴族や王がどのような役回りで歴史を動かしていたのか、マリー・アントワネットがどのような人物でどのような運命を辿ったかなどが、映画には全く描かれていないから、世紀の大事件である『フランス大革命』を背景とした映画だといっても、まるで緊張感がない。障子に描いた絵みたいな、実在感のない背景になってしまっている。

                                           
                   

 《朗読係》が王女を一方的に慕って、裏切られたという《モチーフ》も表現しきれていない、観る者に伝わって来ない。
 どうも、ピンボケなのである。


 主役の《朗読係》をしている女優(レア・セドゥー)が、以前観た『4分間のピアニスト』の主役の女の子(ハンナ・ヘルツシュブルク)に似ていたので同一人物かと思ったが、調べてみたら別人だった。

                                           



 《朗読する話》といえば、『愛を読む人』が思いつくが、そちらのほうが圧倒的にいい。(もちろん、時代背景も状況も人間関係も全く違う話だが

     
   『4分間のピアニスト』-「マイ・ブログ」ページにジャンプ

   『愛を読む人』-「マイ・ブログ」ページにジャンプ

   『マリー・アントワネットに別れをつげて』-公式サイト




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