この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『映画 〇月〇日、区長になる女』ー東京都杉並区で女性新市長が誕生した、そのドキュメンタリー映像を見る!

2024-03-29 11:47:07 | 最近見た映画

     【 2024年3月27日 】    京都シネマ

 1週間限定の上映予定で、ヤボ用で時間をとられ、あっという間に時が過ぎ、明日で上映終了というこの日に映画館に駆け込む。劇場の入口に着いたのは上映開始10分前で、悠々間に合ったと思っていたのが、席を指定するモニター画面を見るとほぼ満席。この時間の《この傾向の映画》なら、半数も席が埋まればいい方だとタカをくくっていたらこの有様!

 ホールは人であふれ、熱気に包まれていた。もう5分遅かったら満席で入場できない所だったと冷や汗をかきながら入場して、席に着く。

 映画(ドクメンタリー映像)の概要は以下のとおりである。

        

         
         

        



 2022年の8月に横浜市長選挙があり、「カジノ誘致」の官邸の意向と旧市長の野望を打ち砕いて、新人の山中市長が誕生したことは画期的だった。あの時も市民パワーが大きな力を発揮して大活躍をした。その記憶が新しいから、杉並ではどんな戦いをして勝利したが、映画ができたと知って、興味津々だった。

 2023年当時のニュースで、革新系の女性新人候補が僅差で当選したと聞いたとき、すごいことだと思いつつも、ただ漠然と関心を持っていただけで、その岸本さんがどんな人物で、どうして勝利を収めたのか、具体的なことはほとんど知らなかった。だから、映画を見てびっくりの連続だった。

            
            【 道路拡張工事の反対から始まった 】 

 この選挙は2023年6月に実施された。それまで3選を重ねてきた現役市長が4選を目指していた時、変化が起こった。道路の拡張計画で、自分の住んでいる住居が立退きを迫られることを知った住民が行動を起こしたのだった。
 その住民とは、この映画を作った人=監督で、名前はペヤンヌアキという人。どんな外国人かと想像していたら、杉並区に在住している普通の人。《普通も人》と言ったら怒られるかもしれない。それまで政治やら住民運動などかかわったことなどない《普通の人》だったということで、自分でもそう言っているが、職業は「劇作家・演出家」というから、その方面の才能が十分に生かされたわけで、その行動力がすごいのだった。役所を訪れ、住民の声を集める。折しも次の区長選挙が迫っていた時。根強い住民運動はもともと有ったのだが、それをさらに大きな運動に束ねていくうえで、その発信力が抜群の効果を生んだ。自らも活動する傍ら、カメラをもって町中を走り回りSNSで発信する。                       

        
                                           【 監督:ペヤンヌマキ 】   

 映画の始まりが洒落ている。大きな木がアップで映し出られ、カメラ視線は木の幹に沿って高度を上げていく。その向こうには住宅地の静かな風景。彼女の住むアパートは、その木のすぐ横にある。同居人の猫と亀の他愛ない様子。
  
       
            【 候補者は海外からの帰国者 】

 投票日は刻々と近づくが候補者が決まらない。

 担ぎ出されたのは、それまでスペインに在住のNGO職員の岸本聡子。ただならぬ個性と確固とした変革意識を持った人格が選挙戦に加わっていく。ここから熾烈な闘いが始まっていく。

                                
                                        【 揉める会合ー険しい表情の岸本 】


      
                 【 古参の住民活動家と意見を交わす岸本聡子 】





                   
                           【 盛り上がる夜の街頭宣伝 】



                 

     
             【 聴衆に交じって 】


                                  
                                    【 緊迫の選挙事務所-ここまで僅差で勝てる思っていなかった、と 】

 初登庁の日、どんな姿で登場するかと思ったら、ジャケットと荷物を荷台に乗せた自転車に乗って役所前に現れ、職員に迎えられる。気どらない姿勢に好感が持てる。しかし議会は、旧態然の議員が多数派。この先の苦労が想像されるが、その後の区議会選挙で保守系の議員が13人落選したと聞いて、少しは安心した。

              
                     【 初登庁の日 気どらないラフなスタイルで登場 】
        
 岸本さんは当選後のインタビューで「勝てるとは思っていなかった。負けたら、これが出発点だと考えていた。」、と。 心強い人だ。

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 京都では、この2月に京都市長選があり、市民派弁護士の福山さんが1万6千票余りの僅差で当選を逃したが、杉並区との大きな状況の違いを挙げれば、立憲民主党の立ち位置の違いだろう。杉並では野党が統一し、市民運動と共に岸本さんを支えたのに対し、京都での立憲民主は、泉党首をはじめ、府連代表の福山参議院議員までもそろって、自民公明と共に相手候補を応援していることは理解に苦しむ。
 (ラサール石井さんが、革新が勝利した前橋市長選と京都市長選での立憲のダブル・スタンダードに関して「・・・辻元清美さんまでも松井候補を応援するなんて、・・・がっかりだ。・・・」とSNSの投稿した記事が思い起こされる。)

 それと1つだけ、この映画の映像で気になるのは、たびたび映し出される《岸本聡子予定候補のポスター》だ。ポスターの画面を2等分して同じ大きさの顔写真が左右に並べられたものだが、右側が岸本聡子さんで、左側が誰か別の人。誰かと思って「吉田はるみ」の名前を調べたら、杉並区を含む東京第8区の立憲民主党衆議院議員「吉田はるみ」の顔写真だ。吉田はるみさんの政策や人柄についてとやかく言う筋合いではないが、区長選の選挙活動で使うポスターに、どちらが何の候補者であるか紛らわしいポスターを表に出すのはどうかと思った。




     
  
        『映画 〇月〇日、区長になる女』-公式サイトへジャンプ

       『ペヤンヌアキさんのインタビュー』(KYODO)の映像にジャンプ

       『岸本聡子インタビュー』(東京新聞)の映像にジャンプ






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