河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑118 / 畑のトラ

2023年12月05日 | 菜園日誌

なんだかんだと雑用があって、二日ぶりの畑。
着いてすぐに、先日に作った我が隠れ家のビニールハウスで休憩。
農小屋に置いていたラジオを持って来て、スイッチ入れて「ありがとう浜村淳です!」
 さて、みなさん、今日は大阪で初霜が降りた所がありました。寒いですねえ。しかし、関西では「寒い」とは言わずに「さぶい」と言います。えげつのうさぶいのは「さっぶい!」。今日は「さっぶい!」一日です。
なるほど、外の温度は5度でさっぶい!
しかし、ビニールハウスの中は、陽があたっているので20度。
おお、よしよしと15分ほど我が世の春に浸る。

ご機嫌になって外に出て、まずは買ってきたパッカーで、やり残したビニールを留め、ドアを付けてビニールハウスの最終仕上げ。
入口にビニールを垂らして隙間風が入らない造りにしたので、ちょっと見っともないが、来年の6月までもてばいい。
15分ほどで完成したハウスの中に入って休憩。
密閉されたハウスの温度は28度。ラジオから、
 さて、みなさん、こんなさっぶい日は暖かいお部屋で熱いコーヒーを飲むのも、ちょっとした冬の楽しみです。
おお、そうだ。今のお気に入りは業務市場で買った「しょうが湯」。
350mlの水筒に一袋でちょうどいい味になる。

身体の芯まで温まって、20分ほどして、さて次は何しよう?
最初に植えた極早生玉葱の草でも抜くとするか。
スズメノカタビラという、放っておくとびっしりと根を張る厄介な冬草。
2、3㎝ほどの時に根ごと綺麗に引き抜く。
200本の苗の草を30分ほどで除草。
さっぱりした畝に満足して、再びハウスの中へ。

ゆったりと残りのしょうが湯を飲んで、のんびりとラジオを聴いていると、ゲストの落語家が『動物園』というネタを披露している。
 大家さん:「ええ若い者がいつまでもブラブラしてたらアカンがな、どんな仕事あったらエエねん?」
 喜六:「まぁ、朝十時頃からボチボチ仕事にかかって、力仕事なんかせんと、人と応対するようなことも無しに、昼が来たらご飯食わしてもろて、午後になったらのんびりブーラブラしてて、そいで、四時ぐらいで仕事がしまいで、贅沢は言ぃまへん、日に一万円ぐらいくれるような所があったら……。
すると、大家さんが「それとぴったりの仕事があるがな」と、移動動物園のトラが死んだので、縫いぐるみを着てトラの役をするというアルバイトを紹介するという噺。
なんだか自分のことのようだと聴きいっているうちに、
 そろそろお時間がやってまいりました。今日もお聴きくださって、みなさん、ありがとう!
もう十時か、ならば自分も動物園のトラの檻(おり)に帰るとするか。


檻の中で適当にブラブラしていると場内放送があった。
「さてただ今より、当移動動物園が誇る一大イベント。あれなるライオンをトラの檻の中へと放ち入れます。
密林の王者トラと、百獣の王ライオンとの一騎打ち。いかなる死闘・激闘が展開されますか、手に汗握る猛獣ショー!」
「ええ! そんなん聞いてないがな。こら一万円安い。ああアカン! ホンマにライオン入って来たがな!」
ガタガタ震えながら「なまんだぶ、なまんだぶ、もうアカン!」
ライオンは悠々とたてがみを振りながら、トラの耳もとへ口を持って来て……。
「心配すな、わしも一万円で雇われたんや」


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