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河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑207 / 愛しき花たちよ

2025年06月09日 | 菜園日誌

去年の秋に植えて冬を越したエンドウ・玉ネギ・ニンニクの収穫。
春先に植えたジャガイモ・キャベツ・レタスの収穫。
ナス・トマト・オクラ・スイカなどの夏野菜の植え付け。
里芋・薩摩芋・落花生などの秋野菜の植え付け。
春の農事は春夏秋冬が一度にくる。

なんとも忙しかったが、それもそろそろ終盤。
梅雨入りまでに全て終えてしまおうと、四月から芽出しさせていたサツマイモを植えて終了。
落花生の草抜きをしていると、雨がぽつぽつと降りだした。
タマネギ・ニンニク干場で雨宿りしていると、ラジオで近畿・東海地方の梅雨入りのニュースが流れる。

帰り支度してから、春の農事の名残を味わおうと畑を一周する。
雑草捨て場の片隅に咲く朝顔。
土手に咲いていたのを採取してきたもので、朝顔が野生化した野朝顔。
500円玉ほどの花をつける。
園芸種のような派手さはないが、野趣があって年寄りには、こんなのがいい。
不美人でありながらも生涯光源氏と関わり続けた女性の名にちなんで末摘花(すえつむはな)と詠んでいる。

緑の中に浮かんでいるのは気球ではなく桔梗。
植えた記憶はないのに生えてきた。
どこからか飛んできたのか?
だから、桔梗ではなく「気球」と呼んでいる。

畑の中でひときわ目立って咲いているのはズッキーニ。
カボチャの仲間だが、一回り花が大きく、色も濃い。
畑の女王様と呼べそうだが、花言葉は「ほのかな恋」だそうな。
「ほのかちゃん」と呼んでいる。

雨が続けば、しばしのお別れ。
なんとも愛しい花たちよ。

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畑206 / 至福のグルメ

2025年05月26日 | 菜園日誌

雨をはさんで8日間、実質作業6日間かけて600個のニンニクを収穫した。
ニンニクは掘ってお終いではなく、根を切って、皮を剥いて、根の付け根を平らにしなければならない。
ハサミやカッターナイフを使うのだが、毎日100個ともなると手が痛い。
ニンニクのうま味成分といえばアリシンだが、アリシンには非常に強い殺菌力があり、皮膚の潤いを保つアミノ酸を破壊する。 
すると、皮膚の細胞が壊れて、火傷と同じような症状を起こしてしまうのだ。
作業を終えて、家に帰ってオロナイン塗って、風呂に入ってからハンドクリームを塗っての毎日。
ようやく、収穫し終えた。

これでお終いというわけにはいかない。
4個ずつ束ねて、紐で縛って、吊って、干して、乾燥させなければならない。
そのためには、新しいビニールハウスを建てたので、要らなくなった古いハウスを干場に改修しなければならない。
骨組みだけを利用して、防水シートを買ってきて、被せて、ロープで固定して、中を整理しなければならない。
そして、天井からスチールパイプを吊って、束ねたニンニクを吊るして……。
猫の手も借りたいほど「て」の多い作業に3日かかった。

UV加工したシートなので中は日陰になっている。
ドアを外し、裏のビニールを剥がしたので、風がよく通って涼しい。
夏場の休憩場所にうつてつけだ。
椅子に座って天井を見上げると、600個のニンニクのお尻が丸見えだ。
こんなのも乙なもんだ。
今は、ニンニク干場がお気に入りの場所になってしまった。

今日も今日とて、吊り下げたニンニクに頭をぶつけながら、どかりと椅子に座る。
さて、朝食にするとしよう。
夕べに造っておいた弁当。
おにぎり一つと卵焼きとタクアンに、畑で採りたての大葉。
なんとも粗末な朝食だが、目の前の田園ビューを眺めながらの朝食は、至福のグルメである。

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畑205 / 貧乏爺(ジジイ)

2025年05月15日 | 菜園日誌

ニンニクの葉がだいぶんと黄色くなってきた。
さて、今日は、のんびりと気楽にニンニクを掘るとするか。

去年、種ニンニクが安い所をネットで見つけたので買った。
一袋(1K)が1100円。
4袋セットだと3200円。
歳をとっても貧乏根性の治らないジジイだから、必然的に4袋セットを買った。
一袋に10個入っているから、一個で10片取れるとして……、一袋で100片の種が取れる。
4袋だから、しめて400個で、ちょうどいい数になる。
そう思っていたら、届いてびっくり下谷(したや)の広徳寺で、一袋に15個入っていた
つまり、4袋で600個……。
どうしよう?
貧乏根性の抜けないジジイは、600個を植えたのである。

ビニールマルチが剥がしやすいように、葉っぱの下で茎を切る。
マルチを剥がして、しばらく土を乾かす。
土が白くなってきたら、シャベルを使って掘り起こす。
根っこに付いた土が落ちやすいように、再び、しばらく乾かす。
乾いたら、ハサミで根を切る。
ニンニクは掘れば、目出度く収穫というわけにはいかない。
皮を二枚残して剥がし、根の付け根の部分をハサミやら包丁やらで平らにする。
これでようやく、店で売っているニンニクの姿になる。
しかし、これで終わりではない。
二日ほどして、残した皮がしんなりしてきたら、4個ほどを束ねて紐でくくる。
これを雨のあたらない場所に吊るして干す。
一ヶ月干して、ようやく完成する。

畑でニンニクを掘り起こして乾かしている間、刈り取ったニンニクの葉をトマトやスイカの株元に置いてやる。
土の乾燥防止とともに、ニンニクの防虫・抗菌作用の利用だ。
剥いた皮も堆肥作りをしている囲いの中に入れてやる。
それに、今晩のオカズもできた。
ニンニクの花(茎の芯)だが、「ニンニクの芽」とか「茎ニンニク」と呼んでいる。
スーパーに並んでいるのは99%が中国産。
今晩は、豚肉と炒めて1%の国産をいただくとしよう。
貧乏ジジイにとって、ニンニクは、なんともリーズナブルな野菜なのだ。

しかしである。
今日。朝夕合わせて6時間の農作業で収穫したのは50個ほど。
ということは、600個を収穫するのに12日もかかることになる。
タマネギも大きくなってきたし、ジャガイモも収穫しなければならないし、落花生も定植しなければ……。
「おいおい、600個もニンニクを植えたのは誰やねん?」
「わい(我)や、わいや、わいですがな!」
「貧乏根性を出しくさって、ドアホめ!」
「わいがドアホということは、おんどれ(おまえ)もドアホやろ!」
自問自答をしたところで行きつくところは無い。
かくなるうえは、残業……。
一日100個を目標にするしかない。
かくして、貧乏ジジイは、貧乏暇なしになった。

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畑204 / 2025万博

2025年05月14日 | 菜園日誌

我が町会の地車(だんじり)が、9・10日に2025大阪・関西万博に出展された。
その間、出演者連絡用のライングループに楽しそうな写真が投稿されてくる。
本来なら、新しく買ったカメラで、自分も投稿していたのに……。
神経痛で行くことができなくなった。

YouTubeでも、今回の万博で目玉の総木造造りの大屋根リング(外径675m・高さ12m)の中を、賑やかに曳行されていく地車が投稿される。
本来なら、その中に自分がいたのに……。

見るまいとするのだが、自分が、その中にいるような気がして、ついつい見てしまう。
神経痛の痛みをかばいながら、ひょっこりひょっこり歩いている自分が居りはしないかと……。
ひょっとしたら、地車の上で、「河内俄の口上」を上げている自分が居りはしまいかと……。

しかしである。
その間、くよくよ、いじいじしていたわけではない。
我が畑で、万博に出演した。
今日、畑で、独りで、祭の俄の口上を上げた。

  ◇

チョーン、チョン(拍子木)。
東西、とーざい。
心が萎(しお)れりゃ、身体(からだ)が枯れる。
万博なんぞは、生きてりゃ、また来る。
河内男の心意気!
腕や背中にシップを張って、痛みに耐えつつ六日間。
本物の、大屋根リングにゃ及ばぬけれど。
外径34.5m、高さはたったの2m。
上下四方、すべてをネットで囲ったカラス除け。
去年は植えた落花生、200株すべて抜かれたけれど。
今年ゃ来てみろカラスども!
一寸たりとも隙間の無い。
ワイ(我)が自慢の大屋根リング。
来るなら来てみろカラスども。
今年の秋は、2025、ワイの畑で万博じゃーい!

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畑203 / 夏を待つ

2025年05月02日 | 菜園日誌

前回書いたごとく、例年より10日ほど早く周囲で田植えが始まった。
持ち主が水稲栽培業者に委託している田んぼだ。
我が家が貸している隣の田んぼにも水が張られた。
これで東西南北四方を水で囲まれたことになる。
どこからでも水を汲むことができるので水やりが楽になった。
ナス・トマト・キュウリ・ピーマン・トウガラシ・スイカの夏野菜の苗を定植する。
畝の準備はすでに完了しているし、自家消費用で四、五株ずつだから、たいして時間をとらない。
♪夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る♪
日向の作業で少し汗ばむ。
若葉は茂っているが、季節はすでに夏!

人参の間引き菜と食べられそうな豌豆を少し持って帰る。
今日の昼食はかき揚げ丼に決まる。
我が相方が「薩摩芋まだある?」と訊いてくる。
それで、保存用のハッポースチロールの箱の蓋を久々に開けた。
包んでいた新聞紙が少し湿っぽい。
取り出してみると芽を出しかけているではないか。
一緒に保存していた台湾山芋を見ると、びっしりと白い芽が出ている。
暑さ好きの台湾山芋(大和芋)は、五月の中旬に植えようと思っていたのに……。
おやおや、夏が待ちきれなかったのかよ!

かき揚げ丼を食べ終わって、台湾芋を持って畑へ。
15㎝ほどの穴に、芽をつぶさないようにそっと植える。
♪日和つづきの今日このごろを 心のどかに植えつつ唄う♪
蔓を伸ばすから、芽が出ればどんどん大きくなる。
そして、実にみごとな黄緑の葉で覆われる。
晩秋にトロロにして食べるのも楽しみだが、緑のカーテンで夏の陽射しを遮られた陰で休憩するのも楽しみだ。
夏野菜や台湾山芋とともに、本格的な夏を迎えよう。

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