河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑185 / おやまあ

2024年10月31日 | 菜園日誌

ビニールハウスを建てることに集中している間は、他の野菜はほうったらかしにしていた。
ハウスがほぼ完成して、他の野菜をのんびりと見に回る。
あらまあ!

多品種少量時間差植えの畝が大きくなりすぎて、満員電車状態になっている。
少しずつ収穫していく予定だったが、それを忘れるほどにハウス造りに集中していたのだ。
こりゃなんとも採りきれない。
道端だったら「お好きなものをご自由にお持ち帰りください」の看板を揚げたいほどになっている。
まずは壬生菜を一株収穫。
これを食べるだけでもニ、三日かかりそうだ。

もう一つ、頭の中から存在が消えているのがあった。
農小屋の裏手にあるので、意識して見にいかないかぎり、存在に気づかない。
ミカン!
ひょっとして……と見に行くと……おやまあ!

ひょっとしてと思った通りのひょっとして状態になっている。
♪たわわー、たわわー、たわわー♪
実が地面近くにまで垂れ下がって、枝が折れそう。
とりあえず、30個ほど収穫したが、枝はまだ折れ曲がったまんま。
かくして、ここ一週間の食卓は野菜とミカンの日々。
おそらく、ここしばらくは続く。

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畑184 / お預けの秋

2024年10月29日 | 菜園日誌

久々の投稿。といっても、遊んでいたわけではない。
秋祭りの三日間をはさんで、ひたすら動いていた。
10月10日頃から、新たにビニールハウスを造り出した。
一昨年の春に、百姓を引退した先輩から、長さ10mのビニールハウスの骨組みやら資材一式を頂戴した。
去年の秋に、落花生やら里芋の出荷が落ち着いた11月頃に建てようと計画していたが、ちょうどその頃に体調がおもわしくなくなった。
それで、やむなく中止した。
それを横目で見ていた資材をくれた先輩百姓が、「おまえは、よう建てへんやろなあ……」とポツリと言う。
その一言が頭にカチーンときて、心にボッと火が着いた。
今年は何が何でも建ててやる!

幸か不幸か、アライグマやらカラスのせいで、落花生の収穫が早くに終了して、時間的余裕が出来た。
よっしゃ! 建てるとするか!
まずは、きれいな長方形になるように地取りをする。
次の日からは、それに従って曲管支柱パイプを45㎝間隔で、30㎝の深さで埋め込んでいく。
しかし、ここで難題につきあたる。
我が畑は黒土だが、20㎝ほど掘ると砂と石の地層に突き当たった。
かつては、大和川の支流石川の低湿地帯を開拓した土地だと、真左様に納得できる。
砂と石の河原に、我がご先祖は、大枚の金を投じて大量の畑土を入れたのだ。
長老によると、金持ちほど多くの畑土を入れたのだという。

日本全国の畑や集落に、大きな石を積み上げた石垣の道や畔がある。
どこから石を持って来て、どのようにして造ったのかと感心する。
その労力たるや膨大であったろうと感服する。
ご先祖が、何十年、何百年後の子孫のことを考えて命を尽くしたものなのだ。
それはさておき、ご先祖に、なるほどと感謝しつつも、さてどうしよう?
考えあぐねた末、25㎝まで穴を掘って、5㎝ほど土を盛ることにした。

五日ほどかけて26本の支柱を立てた。
そこへきて豊年満作の秋祭り。
祭り三日は酒浸り。
よろよろよたよたの三日間が過ぎて、再びビニールハウス造り。
補強を入れて、裾のビニール(おこし)を張って、後は天井のビニールを張れば完成というところまでいきついた。

しかし、台風21号が発生。
こいつものろのろよたよたと北上して、異例の本土上陸しそうな雰囲気。
とりあえず、台風一過まで、ビニールハウスの完成はお預け。
おまけに、11月1日から岡山の友人宅へ行く予定もお預け。
今年は、実によく自然に振り回される。

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畑183 / あんさん別れまひょ

2024年10月10日 | 菜園日誌

三日連続で「曇→雨」の日が続いて、昨日は曇り、今日は見事な晴天。
天高く馬肥ゆる秋。
と、言いたいが、晴れると、さすがに夏の陽射し。
9時頃になると、もう畑作業が辛くなる。

朝の6時から落花生の畝の片付け。
やりやーがった!
落花生の残りの一畝をシートで囲って、絶対に入れないようにしていたのに……。
シートを上から押さえつけやーがって、継ぎ目から潜りこみやーがった!
これで6畝全部やられたことになる。
5万円くらいは食べられた。
見るのも癪に障るので早々に撤去!
やり終えて、ほぉーっと息を吐き、天を仰ぐ。
天高くアライグマ肥ゆる秋。
しかし、これでスッキリした。
もう、朝早く起きなくてすむ。
もう、これで、あの野郎ともおさらばだ!

彼岸過ぎに植えたニンニクが芽を出し始めた。
種球を4キロ買って、400個ほど植える計算だったが、600個種球が採れたので全部植えた。
ニンニク600個もどないするねん……?!
我ながら呆れる。
それでも、ほぼ出そろったニンニク畑を見て、独りご満悦。
そして、足下をふと見る……、アライグマの足跡。
もう、やめてや、ニンニクの芽は折れやすいのやから……!
もう、あんさんとは別れたいねん!

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畑182/ リング

2024年10月07日 | 菜園日誌

どうやら午後から雨が降りそうなので、気持ちをさっぱりさせようと、アライグマがほとんど食べた落花生の枯れたのを燃やした。
野焼きは原則的に禁止だが、「農業・林業または漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる必要な廃棄物の焼却であって、軽微なものは許可する」という例外措置がある。
もちろん、周りに住宅があると迷惑がかかるので野焼きは出来ない。
しかし、我が畑は田園地帯のど真ん中にあるので心配ない。

昨日、サツマイモを試しに掘ってみた。
六月中旬という遅い時期に植えたので、まだ小さいだろうと思っていたら、小ぶりのラグビーボールくらいのが4、5個ついていた。
こりゃ大きくなりすぎじゃわい!
大きすぎるのは道の駅に出しても、料理しにくいので売れ残る。
だから、我が家では、大きいのは四等分して、蒸して干し芋にするのが定番。

〈次から次へ〉の意味を表す「芋づる式」は、サツマイモの収穫から生まれた言葉だ。
柔らかい土や砂地だったら、小学生でも芋づる式に簡単に掘ることが出来る。
だから、「サツマイモ掘り体験」なんぞというレジャーになる。
しかし、我が家の粘土質の畑ではそうはいかない。
かなりしんどい肉体労働だ。
まず、畝の端から株元30㎝くらいまでの土を、備中鍬で崩す。
「あっ、やってもーた!」
株元から離れた所についた行儀の悪い芋が、備中鍬にブッスリと刺さって出てくる。
次に、手で土を崩しながら慎重に芋を探っていく。
学生時代に、アルバイトでやった遺跡の発掘作業を思い出す。
見つかったら、その下からシャベルを入れる。
「あっ、やってもーた!」
真っ二つになった芋の片割れが出てくる。
10株を掘るのに、6時から始めて9時までかかった。

一昨年に、サツマイモを植えて、ヌートリアに全滅にされた。
それで、去年は植えなかった。
ところが、去年はヌートリアの出没はなかった。
だから、今年は一か八かで植えた。
すると、目出度く収穫にいきついた。
しかし……。
すっかり燃えつくして、サッパリとした落花生の畝を見る。
さて、来年はなんとか対策せねば……。
パラダイスだった畑が、明日のジョーのリングになろうとしている。

来るなら来い!

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畑181 / 秋色佳也

2024年10月06日 | 菜園日誌

♪薄紅の秋桜が秋の日の 何気ない陽だまりに揺れている♪
岡山の友人宅でもらってきたコスモスが満開になった。
秋の心を知っている花だ。
秋の陽のやさしい光を背にうけて、畑にほほえむコスモス。
薄化粧した湯上りの女性のような嫋(たお)やかな色気がある。

もう一つ満開なのがニラ。
赤い花でも咲かせてくれれば美しいのだが、小さな白い花で目立たない。
それでも、これだけ群生すると、なんとなく見栄えがする。
しかし、種を付けさせると株が弱るので、写真を撮った後に株元から刈り取る。
去年は種を採ってやろうとおいておいた。
が、今年に種を蒔くまでもなく、こぼれ種が芽を出して雑草状態になっている。

こっちの花は、もう終わりかけの青シソ。
畑のあちこちに10株ほどあるが、2株ほど残してあとは刈り取る。
その時のご褒美がシソの実。
指でしごいて実を採り、洗ってから水分をぬいて、糊の佃煮のビンに入れて醤油で漬け込む。
これが実にいい酒のアテになる。
プチプチした触感がなんとも答えられないほどいい。

カラスに猛暑にアライグマ。
なんだかんだとあったものの、季節は黙って巡りくる。
秋祭りの練習をしている太鼓の音が遠くから聞こえる。
秋色ようやく佳なり。

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