※①~②のつづきです。旅17から読んでください。
岡山県は、瀬戸内海と中国山地に囲まれ、温暖で晴れの日が多いことから「晴れの国」をキャッチフレーズにしている。
なのだが、過去5度来たうちの半分以上が、晴れるはずなのに雨だった。
だから、「晴れの国」ではなく「ハズの国」だと愚痴っていた。
そこで、昨年の秋の旅からは天気予報に合わせて日程を組むことにした。
今回も同様に日程を組んだので、見事な晴れの国の三日目となった。
午前中は、昨日立てた畝に、私が持って来た里芋と菊芋を植えた。
秋に来た時の楽しみにするためである。
農作業を早々に切り上げて早い昼食をとる。
スーパーで買った100円ラーメン。
オジン二人の食事は実に質素だ。
酒の肴を含めても、三日分でしめて3000円。
しかし、なににも勝るご馳走である。
昼食を終えて、すぐに家を出る。
桜が咲いてないのなら梅にしようというので、津山の梅の里公園に向かう。
◇
よく整備された山あいの道を縫うようにして進む。
ぽつんぽつんと山桜が咲いているが、肝心の染井吉野は咲いていない。
ふと嫌な予感がよぎる。
ひょっとして、梅が咲き誇っているはずなのに……まさか散っていたとは……。
そのまさかが現実になるのが、「ハズの国 岡山」なのだ。
人里をを抜けると急に視界が開け、広い駐車場があり、その奥に小高い丘がある。
まさか……。
「梅まつり」と書かれた赤い幟(のぼり)が、あちこちではためいている。
そして、その幟が見えないほどに梅の花が覆っている。
まさか……咲いているとは!?
嫌な予感が外れた喜びよりも先に驚く。
◇
約4haの丘陵地に2000本の梅の木が咲き誇っている。
今年は、どこも梅の開花が遅く、この公園もまだ七分咲き。
梅の花の香を味わいながら遊歩道を上るうちに、ようやく、嫌な予感が外れた喜びがこみあげてきた。
♪梅は咲いたか桜はまだかいな
柳なよなよ風次第
山吹や浮気で色ぱうかり しょんがいな~♪
遊歩道を上りながら、端唄の一つでも口ずさみたい気分になる。
津山市街に出て、奥津温泉に向かう。
日帰り温泉に入るはずなのに……定休日だった……去年の秋に来たときのリベンジである。
なだらかに流れる吉井川が急流になるにつれて、またしても嫌な予感がよぎる。
まさか……臨時休業では……。
その時はその時、ブログのネタにすればいい。
おかしな期待が湧いてくる。
しかし、その期待は外れた。
開店していた。
残念なような嬉しいような気持ちで、広い湯船につかった。
※④につづく