河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑170 / 夕立

2024年07月29日 | 菜園日誌

梅雨明けしてから雨が降らないので、一昨日は、隣の田んぼの水を落花生の畝に引いて水浸しにした(「おひたし」と言う)。
今日も今日とて警戒アラートが出る晴天で、雨が降らないままに13日目。
もはや夕立は期待できない。
落花生は青々と元気いっぱい。
さぞかし、他の野菜も水を欲しているだろう。
というので、今日はトマトやナスの畝に水を入れた。

こんな小咄がある。
■え~夕立屋でござい。夕立のご用はおまへんかいな。
▲変わった商売が来たがな……、おい、夕立屋!
■へい!
▲夕立屋て、どんなことすんねん?
■へぇ、お金を頂きましら、夕立を降らしまんねん。
▲そんなことができんのんか?
■へぇ、さっきも隣の町内で「この町内だけにちょっと降らしてんか」というんで、ザ~ッとひと雨降らしてきましたがな!
▲へ~、町内だけ?
■へぇ、ですから「ここの三軒だけやってくれ」言われたら、三軒だけ夕立を降らします!
▲ほぉ~、何ぼぐらいすんのや? なになに……うちと隣とで2万円? 高いなぁ! 1万に負からんか?
■いやぁ、一軒につき一万円ちゅうことになってますので、お隣と二軒、それにお庭も広いし、二万円は頂かんことにわ……。
 と言うてますと、そばから女の子が、
◎あのぉ~、夕立屋さん!
■へぇ!
◎50円分だけお願いします。
■50円の夕立? どこへ降らすのや?
◎この、朝顔へ。

水を入れている間は、休耕地の草抜き。
水飲み休憩に、時たま、農小屋の西のオアシスへ。
ここは日陰で風が良く通る。
今日はいつもと風が反対からくるので、座る向きを逆にする。
久々に見る蜜柑の樹に、まだ青い実がたわわについている。
しばし味わう爽やかな夏景色。

8時に家に帰って、行水。
盥(たらい)ではなくシャワー。
11時頃に畑へ行く。
水を入れた所だけ土が真っ黒になっている。
これで水遣りの手間が省けた。
夕立屋に感謝!

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畑169 / たのむで!

2024年07月28日 | 菜園日誌

豪雨が続いた後、梅雨明けしてから、十日余り雨が降らない。
おまけに「極めて危険」のアラートが続く。
去年のカレンダーを見てみると、七月に「危険」が7日で、八月に「極めて危険」が三日あっただけ。
それが今年は、「極めて危険」がすでに九日ある。
このままいけば、今年の8月はどうなるのだろう?!

落花生が盛んに花をつけている。
これから実を太らせるために水が必要になる。
仕方なく、今年二回目の「お浸し(畑に水を入れる)」。
朝の5時から水を入れて、8時に家に帰って、昼前に水を止めに行く。
土が水を吸って畝全体が真っ黒になっている。
水を得た気持ちの良さに、落花生の葉はしゃんとして笑っているようだ。

日本の南西数百キロに小さな島の、山奥深く入った所に一本の樹がある。
その樹の花は人間の顔をしていて、人が話しかけると花が笑う。
何度も話しかけると、花は大笑いしたあげくに楽花するという。
江戸時代の百科事典『和漢三才図会』にある話である。

岩や木など、見ようによって人間に見える時がある。
山の彼方の空遠くに、もくもくと大入道が身体を立ち上げている。
一雨 頼みます!

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畑168 / みどり

2024年07月23日 | 菜園日誌

春夏冬ごとに四分の一を休耕にするのだが、今年は里芋の出荷を取りやめたので、四分の一増えて、半分が休耕地。
草抜きが追い付かない。
それに、くそ暑い。
しゃーない! 薬をかけるか!
というわけで、今年二回目の除草剤の出番。
これで一週間分の手間が省ける。

あとは、のんびりと夏野菜の畝の間の草抜き。
五本植えしたオクラと、トマトの間を這いずる。
ちょうどいい日陰で気持ちいい。
よく熟れたトマトを見はからって朝食替わり。
2、3メートルごとに休憩。
べしゃりと地面に座り込む。

トマトのコンパニオンプランツにするバジルが余ったので、適当に植えておいたら、摘み芯しないのによく茂っている。
じっと見ると、なかなか綺麗な葉っぱだ。
花や実ばかりに目がいくが、じっくり見れば葉っぱも見ごたえがある。
中でもひときわ美しいのが台湾芋。

なんともみごとな黄緑の葉っぱに見とれる。
何枚あるのやろ?
ハッパ=64!
おもろないがな!
独りでボケて一人でツッコミ。
それで葉っぱには64(むし)がつくのだ……。
ええかげんにせえ!
緑は人を穏やかにさせる。

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畑167 / オアシス

2024年07月22日 | 菜園日誌

落花生の二回目の土寄せを終えた。
憎きカラスに200株の苗を引っこ抜かれるという事件があったせいで、例年より十日ほど遅い。
いつもは中旬から野良仕事は軽めの夏休みに入るのだが、今年はあと一週間ほどかかりそうだ。
それでも一段落がついて少し気が楽になった。
のんびりやればいいのだが、お天道様しだいだから、のんびりが滞ってせかせかしなければならない時もある。
それに、極めて危険な暑さの中で、のんびりなんぞしていたら干物になってしまう。

土寄せを完了して、例年の夏場の指定席にドカリと座る。
農小屋の西側で、日陰で風がよく通る。
すぐそばを細い用水路が流れている。
せせらぎ(浅い川の流れる音)はしないが、きらきらと光りながら流れる水に涼しさを感じる。
生い茂る雑草の中に黄色い花をつけているのはヒレタゴボウ。
鰭田牛蒡と漢字で書いた方がわかりやすい。
茎に魚の鰭のような葉をつける。
けっこうやっかいな雑草だが、花を見ている限りは癒やされる。
早く帰ってシャワーを浴びたいが、ここは案外居心地がいい。
ちょっとした畑のオアシス。

のどの渇きを水筒の麦茶で潤す。
心の渇きは畑のオアシスで潤す。

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畑166 / 雑草

2024年07月17日 | 菜園日誌

明日、畑で何しようという目的と明日の天気で、何時に起きるかが決まる。
毎度の猛暑で8時頃までしか動けない。
やることがいっぱいあれば4時30分に起きて、5時から畑へ。
あまりなければ6時に起きて、のんびりと畑へ。
目が覚めて、外で雨音がしていれば、ゆっくりと寝る。

この一週間、雨が降れば豪雨という日が三回。
土の渇く間がなく、畑の中に入れなかった。
ようやく今日になって梅雨前線が北上。
さっそく5時に起きて畑へ。
と言っても、まだ土が湿っているから畑には入らずに、土が固い通路や畔の草抜き。
雑草は抜いても刈っても容赦なく生える。
雨降り前に抜いて放ったらかしにしていた雑草なんぞは、もう生き返って根を伸ばしている。
なんとまあ……と呆れるとともに、なんとも逞しいものよ……と感心する。

 ♪生きる事がつらいとか苦しいだとか言う前に
 野に育つ花ならば力の限り生きてやれ♪
  (松山千春『大空と大地の中で』)
考えてみれば、自分だって雑草のように生きてきたではないか……?!。
そよともしなかった稲田に風が渡り、鼠でも走っているかのように波が立つ。

さあ、もう少し抜くとするか……。
雑草が雑草を抜く。
 ♪果てしない大空といつの日か幸せを
 広い大地のその中で 自分の腕でつかむよう♪

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