WILDnaLIFE :「ワイルドなライフ!!」

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2回目の授業

2015-04-05 | 日記
11週目終了。

今週はローサー教授の「言語学入門」でTAとして2回目の授業をする予定。トピックはズバリ「日本語」。

私は日本人なので日本語を客観視するのは難しい。自分の脳みそを顕微鏡で覗くようなものだからである。前回ちょっと触れた「あげる/くれる」の違いも、日本にいると当たり前のことなのでアメリカ人に教える機会がなかったら一生うまく説明できなかったことだろう。言葉を正しく使えることとそれを説明できることは全く別だと痛感した。

ちなみに、1人称「私(たち)」を中心に、その外に2人称「あなた(たち)」さらにその向こうに3人称「その他の人(たち)」を置き、外側に物が移動する場合は「あげる」で、内側に物が移動する場合は「くれる」。3人称同士の場合は「あげる」になる。この説明スゴくないですか?私は感動しながら納得しました(笑)。

今回の授業は日本語の音と字の仕組みについて。これも日本人にとっては当たり前のことなのだが、一応英語と比較しながら説明してみよう。まず音。日本語単語のの音節構造は子音+母音でワンセットになっている(open syllable)。ちなみに英単語は cat のように子音で終わるのが普通だ(closed syllable)。

日本人が英語が聞き取れない一つの理由がここにあって、例えば [t] という子音で単語が終わると、日本人の耳には雑音にしか聞こえない [t] のおかげで「cat」が「キャ(+雑音)」になる。でも字をみると cat とわかるので、『ああ、なんだ、「キャット」ね、』と最後に余計な母音 [o] を入れてしまう。その「キャット」をいくらネイティブ・スピーカーに向かって発音してもわかってもらえないのだ。

次に字。日本語はカタカナ・ひらがなの両方とも音節文字(syllabary)だ。当然だが、音節文字は音節の中にある子音と母音の区別は表せない。ローマ字(alphabet)書きを教わるまでは、例えば「か」の音が [k] と [a] (音素という)に分解できることは知りようがないのだ。

このようなことは逆に、closed syllable で alphabet 書きの英語ネイティブには新鮮に聴こえる。アクセントシステムの違い(英語は stress sccent, 日本語は pitch accent)も手伝って、音の高低 (pitch) を聴く習慣のないアメリカ人には箸(はし)と橋(はし)の区別が全くつかない(ホントです・笑)。彼らは単語のどこかに強く読むところ (stress) を置かないと単語として認識できないので普通に「カラテ」と言えないで「クラーディ」、「カラオケ」が「クリオーキー」になってしまいます。面白いですね。

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