WILDnaLIFE :「ワイルドなライフ!!」

米国アイダホ州より英語トレーニングルームがお届けします。 http://www.eigotraining-usa.com

PIG ROAST

2015-04-25 | 日記
14週目終了。

春学期もあとわずかということで、昨日は人類学部恒例の PIG ROAST(豚の丸焼き)パーティーがあった。

話には聞いていたが、実際に参加するのは初めて。ホントに豚がこんがりと丸焼きになっていた(合掌)。なぜ豚?おそらく人類学部としては原始人の食事に近いものを再現しようということなのだろう、と勝手に思ってる。

持ち寄りパーティーなので奥さんと一緒にフルーツを持っていくと、いたいた、ローサー教授。すでにビール片手にご機嫌である。(もっとも、この人の場合いつでもご機嫌でハイテンションなのだが…。)

近くにいた同じTA仲間の大学院生(半教職員)のレベッカとそのボーイフレンドとご対面。なんでも彼女はJ-Popのなんとかというグループのファン(超マニアック)で彼氏は姉妹都市プラグラムで日本に行ったことがあるとか。さらに驚いたことにはローサー教授も含め3人とも生魚大好きだということだった。「本当にアメリカ人なのかあんたたち?」と内心思ってしまった(笑)。

「ウニが一番好き。タコはちょっとガムみたいで苦手だけど。」と教授。銀ダラとイボダイの刺身が好きとは聞いていたが、まさかウニとは!さすがリトル・トウキョウ(教授の実家のそば)とホノルル(高校時代を過ごした)で日本文化に親しんだというだけのことはある。それでなんで今まで日本に行ったことがないのだろうか???

教授のお母さんは麻雀が得意(!)。2回日本に行っていて美智子皇太后とも会っているとか。LAの実家の周りには日本人がたくさん住んでいるんだそうだ。

「花札ならよくやったよ、高校時代ハワイで」と教授。”呂多進”という日本人名まで持っているこの人、なんでも来年初めての日本行きを計画していてそのために漢字を毎日20ずつ覚えているということだ。

珍道中になること請け合い。どうなることやら…。


将棋イベント

2015-04-18 | 日記
13週目終了。

先週は、ジャパニーズクラブのイベントで将棋をやった。

将棋はジャパニーズ・チェスともとばれるくらいで、世界中にあるチェスの一種である。インドに始まり、西はヨーロッパ・アフリカ、東は日本まで長い年月をかけて伝わり、また変化してきた(ancientchess.com というサイトで世界のチェスが比較できます。要チェック!)。

一般に知られる西洋のチェスとの大きな違いは、何と言っても相手の駒をとったら今度は自分の駒として再利用できるところだろう。言い換えれば、チェスが単なる殺し合いなのに対し、将棋は敵兵を生け捕りにして洗脳した上で自分の兵隊として使うということ(ちなみに日本の将棋しか知らなかい人には西洋のチェスのルールは新鮮です)。この日本の将棋独特の複雑なルールのせいで、人間に勝てるコンピュータ将棋の開発には相当時間がかかったとか…。

もう一つの違いは、将棋の方が後戻りできない駒が多いこと。西洋のチェスにはまず香車がなく、桂馬にあたるナイトも横にも後ろにもいける(かなり将棋プレイヤーにとってはムカつくルールです)。あとはチェスでは昇進できる駒がポーン(将棋の「歩」)のみなのに対し、将棋では王と金以外の駒は敵地に入れば「成る」ことができる。これもチェス・プレイヤーにはかなりオドロキである。

その他のルールは驚くほどチェスと似ているので、チェス好きなアメリカ人なら将棋を覚えるのはそう難しくない。ただ将棋においては好きなところに駒を貼られてしまうので王様を「囲い」ながら同時に攻めないといけない。これがまず初心者にはできないので、教える方は基本的な駒さばきさえ知っていれば、相手の駒をいくつか取ったら王手王手でまず勝てます(今回もそうでした・笑)。

学ぶ側にとっての一番の難関は駒の名前と動きを覚えることだろう。形でわかるチェスの駒と違って将棋の駒は同じ形、書いてある字を読んで識別しなければならない。漢字を読む勉強には確かになるのだが…。(ちなみに、アメリカ人に教えるにあたってはまず駒の動きがいちいち表面に書いてある公文の「スタディー将棋」という商品がオススメです。)

20年前、日本で友達になったチェス名人の同年代のアメリカ人に調子に乗って将棋を教えていたら、最終的に負けてしまったことがあった。(この時は悔しかった。将棋でアメリカ人に負けるとショックでかいですよ。あんまり悔しかったから直後に腕相撲で負かしたくらいです・笑)これもチェスと将棋がよく似ていることの証拠だろう。

最近はコンピュータ将棋が簡単にダウンロードできるご時世なので、負けても一度面白いと思ってくれれば次回対戦するときには練習して別人のように進歩していたりします。そうなってくれればこちらも差していて面白いんですが。将棋クラブを作って現存するチェス・クラブの連中に片っ端から将棋を教えたら楽しいかも…。

試験監督

2015-04-12 | 日記
12週目終了。今学期も残すところあと1ヶ月だ。

私は2回目(最後)の教育実習も無事に終わり、やれやれ一安心といったところ。ローサー教授も今回は本物の日本人(ここでは貴重な存在)による日本語についての講義を75分間も聞けてご満悦のご様子。自慢のヒゲをヒクヒク痙攣させて(ウソ)喜んでいました。

さて、今週は「古代ローマ」の2回目の試験があった。前回例の「某国の人たち」によるカンニング疑惑があったクラスである。

「試験が始まったらトイレはダメ、ケータイに触っているところを見つかったら即試験中止、監視カメラつきの個室で受けてもらうからそのつもりで。」
ローサー教授も前回の私の報告を受けて事前に厳重注意してくれた。今回は、念のため私は奥さんにも応援で試験監督を頼んだ。
「この女性も日本人で、しかも空手の黒帯だからね。悪いことをしている時、不意に首の後ろに痛みを感じたらユーコだと思ってね。」

この紹介に対するリアクションは「爆笑」かと思いきや、意外と「シーン」。みんな真に受けてビビったのだろうか(代わりに私が爆笑してました)。

試験開始。10分も経たないうちに一人目が提出。いくら選択とマルバツのみとはいえ驚異的な早さ。30分もするとほとんどの生徒が提出していく。

開始45分。70人中残り5人。やっぱり残るのは全員キレイに某国の人たち。ローサー教授が黒板に日本語で何やら書いている。「⚪︎⚪︎人おそい」。これには私も奥さんも爆笑。今度は口頭で「このひとたちは、5時15分(試験終了時刻)までいますか?」。「そう思います。このひとたちは、教授が出て行くのをまっています。」と私。⚪︎⚪︎人たちは唖然。試験管に分からないと思って母国語で堂々と情報交換しようとする彼らのお株を見事に奪った格好だ。

残り5分。試験管が3人もいてはさすがの彼らもどうすることも出来ず、一人、また一人と提出していく。最後に残った一人が面白かった。一時間以上かけているのに答案がほとんど真っ白だったので、「何か書かなくちゃ。選ぶだけんなんだから簡単だろう?特にマルバツなんか、あてずっぽでも半分正解になるんだよ。」といったら。「もう一度このテストを受けたいからあえて今回は書かない。書いてしまうと再受験できなくなる。」と彼。「それは君の勝手だけどもう一度受けられる保証はどこにもないよ。目の前のものに全力を尽くしてみたら?」という私の言葉も虚しく、彼は提出し試験は終わった。

結局その学生の点数は100点中の6点。ちなみにアメリカでは60点未満は評価Fで落第、単位になりません。学生ビザで規定単位を取得できないと即刻ビザ取り上げの上母国に強制送還になります。時にその彼の場合、試験開始時から一番後ろの席に座るなどカンニングする気満々。怪しいと思った奥さんが終始張り付いて監視したほどです(ご愁傷さまでした)。

仲間ネットワークを使って楽に単位が取れそうな授業に集まってくる⚪︎⚪︎人たち。今回は日本人TA(私)とその「空手黒帯の」奥さんの活躍で、彼らの計画は見事にくじかれた事をここに報告します。めでたしめでたし。

2回目の授業

2015-04-05 | 日記
11週目終了。

今週はローサー教授の「言語学入門」でTAとして2回目の授業をする予定。トピックはズバリ「日本語」。

私は日本人なので日本語を客観視するのは難しい。自分の脳みそを顕微鏡で覗くようなものだからである。前回ちょっと触れた「あげる/くれる」の違いも、日本にいると当たり前のことなのでアメリカ人に教える機会がなかったら一生うまく説明できなかったことだろう。言葉を正しく使えることとそれを説明できることは全く別だと痛感した。

ちなみに、1人称「私(たち)」を中心に、その外に2人称「あなた(たち)」さらにその向こうに3人称「その他の人(たち)」を置き、外側に物が移動する場合は「あげる」で、内側に物が移動する場合は「くれる」。3人称同士の場合は「あげる」になる。この説明スゴくないですか?私は感動しながら納得しました(笑)。

今回の授業は日本語の音と字の仕組みについて。これも日本人にとっては当たり前のことなのだが、一応英語と比較しながら説明してみよう。まず音。日本語単語のの音節構造は子音+母音でワンセットになっている(open syllable)。ちなみに英単語は cat のように子音で終わるのが普通だ(closed syllable)。

日本人が英語が聞き取れない一つの理由がここにあって、例えば [t] という子音で単語が終わると、日本人の耳には雑音にしか聞こえない [t] のおかげで「cat」が「キャ(+雑音)」になる。でも字をみると cat とわかるので、『ああ、なんだ、「キャット」ね、』と最後に余計な母音 [o] を入れてしまう。その「キャット」をいくらネイティブ・スピーカーに向かって発音してもわかってもらえないのだ。

次に字。日本語はカタカナ・ひらがなの両方とも音節文字(syllabary)だ。当然だが、音節文字は音節の中にある子音と母音の区別は表せない。ローマ字(alphabet)書きを教わるまでは、例えば「か」の音が [k] と [a] (音素という)に分解できることは知りようがないのだ。

このようなことは逆に、closed syllable で alphabet 書きの英語ネイティブには新鮮に聴こえる。アクセントシステムの違い(英語は stress sccent, 日本語は pitch accent)も手伝って、音の高低 (pitch) を聴く習慣のないアメリカ人には箸(はし)と橋(はし)の区別が全くつかない(ホントです・笑)。彼らは単語のどこかに強く読むところ (stress) を置かないと単語として認識できないので普通に「カラテ」と言えないで「クラーディ」、「カラオケ」が「クリオーキー」になってしまいます。面白いですね。