WILDnaLIFE :「ワイルドなライフ!!」

米国アイダホ州より英語トレーニングルームがお届けします。 http://www.eigotraining-usa.com

初授業

2015-02-22 | 日記
6週目終了。

火曜日にアメリカで正式に初授業をしました(教師プチデビュー)。

ローサー教授も着席しての教育実習、学生の数は70人以上。トピックは前回の予告通り「英語の5文型」だ。

教壇に上がって開口一番、”Hello, my name is Junichi. I'm from Japan, and I'm currently functioning as Dr. Loether's Teaching Assistant. 「どうも、ジュンイチです。日本人です。ただいまローサー教授のアシスタントをしています。」とまずは自己紹介。

"Surprisingly enough, today's topic is not about Japanese but the English language. Have you ever heard 5 sentence patterns?"(驚いたことに、今日の話題は日本語ではなくて英語です〈笑〉。「5文型」って聞いたことあるかな?)と言ったら予想通り誰も知らない。「留学生の人はどうかな?」と聞いてみたら、台湾ではノー(これは意外だった)、カリブ海でもノー。

”Then, do you believe it if I say there are only 5 patterns in English sentence?" (「じゃあ、英語の文には5つしかパターンがない」って聞いたら信じるかな?)の質問には大勢が首を横に振って「ノー」。「日本の学校ではこの『5文型』を使って英語の仕組みを説明するんだ。ちなみに日本では英語を使うチャンスがほとんどないから英語はコミュニケーションの道具と言うよりは学校で教わる教科の一つに過ぎないんだよ。あっ、君たちはネイティブスピーカーだからこんなの分かる必要ないからね。でも、これが分かったら移民や留学生に自信を持って英文法を教えられるようになるよ。」

”This 5 sentence patterns is English teachers' common-sense in Japan, but not students'; they always struggle in understanding this system. I've been teaching this for a long time in Japan, but, you know what? I have never dreamed of myself speaking something like this in front of bunch of native speakers." (この「5文型」は日本では教師の常識。生徒たちはこれを理解するのにかなり苦しむけどね。僕は日本でこれを何年も教えてきたんだけど、まさか大勢のネイティブ・スピーカー達の前でこの話をするなんで夢にも思わなかったよ。)と言ったら学生たちは爆笑。なんとかウケて一安心。やれやれ。

結局ワークショップ形式で練習問題をみんな(教授も)で解いては解説を5セット繰り返した。「75分全部使って構わないよ」ということだったが、本当に全部使ってしまった。”Are you enjoying, or strugglng?" (これ楽しい?それとも難しい?)の質問には”Both"(両方)だって(笑)。ああ面白かった。

いよいよ初授業

2015-02-15 | 日記
5週目終了。

今度の火曜日はいよいよ70人のアメリカ人学生の前で教壇に立つ日。言語学入門の授業、トピックはなんと「英語の5文型」だ。

この「5文型」、日本人なら英語を勉強する上での常識なのだが、なんとここアメリカではほぼ全員が「ナンダソレ?」状態。一年前、驚いた私は早速日本の英文法教授法についてペーパーを書いたところ、このローサー教授が大喜び。「全く新しい英文法への見解だ!ぜひ学生向けに授業をしてやってほしい。」とのことだった。

「言語学の教授がなんでこんなこと知らないの?」と真面目に思ったのだが、よく考えてみればそれもそのはず、アメリカ人はネイティヴ・スピーカーなので英文法なんか勉強する必要がないのだ。ちょうど日本人が日本語の文法を説明できないのと同じである。本能的に道具として言葉を使いこなしている証拠なのだろう。

「日本においては、英語はコミュニケーションの道具ではなくて入学試験のための1教科に過ぎない。」とはTESL担当、英語学部ののウォルター教授(日本で英語を13年間教えて日本人と結婚、現在5人の子供 [!] がいる)の言葉なのだが、まさにその通りだと思う。「日本の大学で日本人教師と組んで授業をやらされたけど、その場合『ここの発音をお願いできますか』とか頼まれるだけで自由にしゃべれなかった。オレはテープレコーダーじゃないぞ!」と憤っていたのも無理はない。

日本の学校では英語教師がそもそも会話がデキナイ場合が多いので、ペアを組んだ外人講師に台本なしで話されると本人が理解できなくて生徒達の前で権威を失墜してしまう恐れが多分にあるから自由には喋らせないのだろう(ヒドイ話…)。「もしアメリカ人と自由自在にしゃべれたら教師なんかではなく3倍稼げる商社マンになるはずだ。だから学校の日本人英語教師に英会話を期待してはイケナイ。」とは私の見解。自分の父親がそうだったので間違いないと思う。ネイティブとのペア授業導入のおかげで少しずつ改善されてきているのではあろうが…。

話はそれたがこの「5文型」による英文法の説明、アメリカの大学生たちがどんな反応を示すだろうかと考えるとワクワクする。待て次号!



証城寺の狸囃子

2015-02-07 | 日記
4週目終了。

木曜日はジャパニーズ・クラブのイベントで「折り紙教室」を開催した。

この折り紙、実はアメリカ人の間でもかなり人気で、スターウオーズのダース・ベイダーとかXファイターなんかを折る人もいるらしい(ビックリ!)。

「ハート」やら「ボート」やらを折った後に定番の「鶴」の見本を折って見せに行ったら、日系人のメアリーさんが既にそれらしきものを折っているではないか。古い記憶を辿って折ったのか、辛うじて鶴に見えるかな、という出来栄え。

細かいところを直してあげていると、「この歌知ってる?」と言ってメアリーさんが歌い出したのはなんと「証城寺の狸囃子」。「ショ、ショ、ショジョジ」と始まる例の古い歌である。うろ覚えの日本語で最後まで歌った後、今度は英語バージョンを披露してくれた(またまたビックリ!!)。

このメアリーさん、見た目は完全な日本人のおばちゃんなのだが、日本語は全くわからない。「孫によく歌ってあげるのよ、コレ」といいながら、嬉しそうに隣の別の日系人のティナさんにも教えてあげている。

ここアイダホ州ポカテロという町は昔の交通の要所で、その鉄道建設に戦中・戦後肩身の狭かった多くの日系人が携わったという話である。その時の大活躍のおかげなのだろうか、ここでは日本人はなにかにつけ勤勉、誠実で真面目であると尊敬されているとのこと。メアリーさんもその子孫なのだろうか?

2年前のことだったろうか。同じ日本語の分からない日系人のブランドンという学生が同じようなノリで歌い出したのが「もしもしカメよ」だった。
「ヨイヨイになったお爺ちゃんが寝たきりのベッドで何度も何度も歌っていたので子供心に覚えてしまったのだが、この歌詞どういう意味なの?」
と言う彼の質問にこたえて全歌詞を解説したのを覚えている。

日本にいては決して遭遇しなかったであろう歴史の生き証人たちに出会った気がした。