時々眺める富士山

父とパソコン(2)

N5200は、父の高価なおもちゃであった。
65歳で定年退職しているが、父はまだ、いろいろな仕事を持っていた。

ただ、自由時間は格段に増え、その時間を使って暦の計算を始め、いろいろなことに使用した。ただ、住所録の整理と年賀状の印刷は、最後まで最重要のパソコン作業であった。

N5200は、こちらは一切触れなかったし、当時の機械が一切残っていない今となっては、詳しいことは分からなくなっているが、プリンターは、左右両端付近に丸い穴が開いている用紙を使用するドットインパクトプリンターであった。確か、132列の幅の広いプリンターがあったが、幅の狭い72列のプリンターもあったように思う。

このプリンターで年賀状を印刷するために、自分で用紙に細工をしていた。

当時はインターネットもなく、横の情報交換はなかったことから(父は結局のところ、インターネットによる情報交換は行わなかったが)、すべて自分で考えて作業を行っていた。

当時、パソコンを所有している人は珍しかったし、年賀状印刷ソフトなどもなかったことから、パソコンで印刷した年賀状はずいぶん珍しかったと思う。

ただ、父の年賀状には内容はなかった。定型文と自分の住所が記載されているだけで、近況について書き加えるつもりなど一切なかったようだ。

 
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