コーヒータイム(与太話)

これ何だか分かります?
CADで書いた六角ナットの図面です。
2つの六角ナットの中心間のピッチ(距離)を
15mmから14mmに変更しておいて、と言ったら、
こんな修正がされました。
ナットの中心のネジ部だけが、14mmになっています。
ナットに対して、ネジ部が動いてしまっているという
驚きの図面です。
ギャグでも何でもないですよ。実際に起こった話です。
研修段階でしたが、ボルト・ナットを知らない新人が、
こういう図面修正をやりました。
確かに、指示者は、ナットの中心間のピッチを直せ、
と言っただけで、外側の六角形もネジ部と一緒に
移動させなくてはならない、とは一言も
言っていません。
それは、これは六角ナットという部品だから、
という頭が有るからです。
しかし、六角ナットを本当に知らない人にやらせると、
こういう修正も有り得るんですね。こういう発想は
普通は無いですけどね。
ボルト・ナットの知識が無い、とは聞いていたものの、
知っている人が想像する「知らない状態」と、
本当に知らない人の「知らない状態」というのには、
別次元と呼べるほどの差が有るのですね。
「これは5円玉の穴と同じで、穴だけ動いたり
しない物なんだ」と説明し、「ナットというのは
規格化された物で、部材どうしの締め付けに
使われる部品で」って、どこまで説明すりゃ
良いんだよ、と、これから先もいろんな事を
この調子で教えなきゃならんのかと考えると、
気が遠くなる思いでした。
聞くと、子供の頃から、プラモデル組み立てたりとか、
家の物を修理したりとか、時計を分解したりとか、
そういう事を一切やって来なかったらしいのです。
そして、車の免許も持たず、文科系の大学を出ました。
モノ作りから遠い環境で育ったわけです。
しかし、そうだとしても、あまりにも物(製造品)を
知らな過ぎます。
ゆとり教育の弊害かどうかは分かりません。
実際、モロゆとり世代でも、高専出て加工の仕事を
バリバリこなしている社員もいます。
この新人は極端な例かも知れませんが、
外で遊ばず、バーチャルなゲームばかり
やっていて、実際の物を知らなくても、
普通に成長して、大学まで卒業できるんだな、
と思いました。
分数の計算ができない大学生がいる、と聞いた事が
ありますが、似たような感じでしょうか?
確かに、日常生活では、整数さえ理解していれば、
生きて行くのに支障は無いかも知れませんが、
例えば円周率を3にしてしまっては、そこで思考が
止まってしまいますよね。
円周率が3.14・・・と、規則性の無い数字が
どこまでも続く事を知ると、何故だろうと
考え出す子供がいます。有理数と無理数の違いを
認識し、すると素数や√(平方根)の考え方も
頭に入って来ます。
設計職でも、さすがに微分・積分までは使う機会は
少ないと思いますが、もしかすると将来、
優秀な科学者になるはずだった芽が摘まれて
しまった可能性は有ります。
また、円周率を3という具合に簡略化する思考を
身に付ける事で、それが良くない方向に助長されると、
物に対する好奇心が育たず、生活環境によっては、
六角ナットの中心にあるはずのネジ部が動く、
というところまで行き着くのかも知れません。
ダリの歪んだ時計も、時計という物が硬く、
針が円周上を正確に回る、という事を皆が
知っているからこそ、あの絵はインパクトが
有りましたが、美大生が同じ効果を狙って、
六角の中心からネジ部がズレたナットを書いても、
そういうもんだ、と疑わずに見ている人がいると
知ったら、さぞかしビックリするでしょう。

これ何だか分かります?
CADで書いた六角ナットの図面です。
2つの六角ナットの中心間のピッチ(距離)を
15mmから14mmに変更しておいて、と言ったら、
こんな修正がされました。
ナットの中心のネジ部だけが、14mmになっています。
ナットに対して、ネジ部が動いてしまっているという
驚きの図面です。
ギャグでも何でもないですよ。実際に起こった話です。
研修段階でしたが、ボルト・ナットを知らない新人が、
こういう図面修正をやりました。
確かに、指示者は、ナットの中心間のピッチを直せ、
と言っただけで、外側の六角形もネジ部と一緒に
移動させなくてはならない、とは一言も
言っていません。
それは、これは六角ナットという部品だから、
という頭が有るからです。
しかし、六角ナットを本当に知らない人にやらせると、
こういう修正も有り得るんですね。こういう発想は
普通は無いですけどね。
ボルト・ナットの知識が無い、とは聞いていたものの、
知っている人が想像する「知らない状態」と、
本当に知らない人の「知らない状態」というのには、
別次元と呼べるほどの差が有るのですね。
「これは5円玉の穴と同じで、穴だけ動いたり
しない物なんだ」と説明し、「ナットというのは
規格化された物で、部材どうしの締め付けに
使われる部品で」って、どこまで説明すりゃ
良いんだよ、と、これから先もいろんな事を
この調子で教えなきゃならんのかと考えると、
気が遠くなる思いでした。
聞くと、子供の頃から、プラモデル組み立てたりとか、
家の物を修理したりとか、時計を分解したりとか、
そういう事を一切やって来なかったらしいのです。
そして、車の免許も持たず、文科系の大学を出ました。
モノ作りから遠い環境で育ったわけです。
しかし、そうだとしても、あまりにも物(製造品)を
知らな過ぎます。
ゆとり教育の弊害かどうかは分かりません。
実際、モロゆとり世代でも、高専出て加工の仕事を
バリバリこなしている社員もいます。
この新人は極端な例かも知れませんが、
外で遊ばず、バーチャルなゲームばかり
やっていて、実際の物を知らなくても、
普通に成長して、大学まで卒業できるんだな、
と思いました。
分数の計算ができない大学生がいる、と聞いた事が
ありますが、似たような感じでしょうか?
確かに、日常生活では、整数さえ理解していれば、
生きて行くのに支障は無いかも知れませんが、
例えば円周率を3にしてしまっては、そこで思考が
止まってしまいますよね。
円周率が3.14・・・と、規則性の無い数字が
どこまでも続く事を知ると、何故だろうと
考え出す子供がいます。有理数と無理数の違いを
認識し、すると素数や√(平方根)の考え方も
頭に入って来ます。
設計職でも、さすがに微分・積分までは使う機会は
少ないと思いますが、もしかすると将来、
優秀な科学者になるはずだった芽が摘まれて
しまった可能性は有ります。
また、円周率を3という具合に簡略化する思考を
身に付ける事で、それが良くない方向に助長されると、
物に対する好奇心が育たず、生活環境によっては、
六角ナットの中心にあるはずのネジ部が動く、
というところまで行き着くのかも知れません。
ダリの歪んだ時計も、時計という物が硬く、
針が円周上を正確に回る、という事を皆が
知っているからこそ、あの絵はインパクトが
有りましたが、美大生が同じ効果を狙って、
六角の中心からネジ部がズレたナットを書いても、
そういうもんだ、と疑わずに見ている人がいると
知ったら、さぞかしビックリするでしょう。
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