整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

ロータリー振動機

2017-08-23 11:10:25 | 効率アップ
ウエステックの製品の中に、
ロータリー振動機という物が有ります。
ロータリー式整列機ではありません。
整列させるための機械ではないのです。

ロータリー式整列機から、揺動機構を
取り除いた物です。



かつ、コントローラで制御するのではなく、
本体に起動スイッチと振動ボリューム、
そして振動時間を設定するタイマーしか
付いていません。

起動させると、水平のまま、
ボリューム設定された振動数で
回転振動をして、タイマーの設定時間で
止まるだけです。

それだけ?何に使うの?
と言われそうですが、結構使い道が有ります。

部品が出荷トレーの穴の中に1個ずつ入っては
いるものの、向きがバラバラ、という事は
結構あります。



これは、トレーの穴が、向きを揃えられる穴形状に
なっていないためです。
他の部品でも使えるように、トレーを共通化して
しまっていたり、
運送中の損傷を防ぐため、取り敢えず部品が1個ずつ
仕切られていれば良い、といった場合です。

しかし、部品をトレーから取り出して使う時は、
向きが揃っていなくては困る場合が大半です。



そんな時に、ロータリー振動機の出番です。

トレーのままですと、向きを揃えられないため、
向きが揃うような治具に一旦これを移し替え、
それをロータリー振動機に掛けると、
向きを揃えられます。



また、整列機の補助的な使い方もできます。

以前のブログで、ウエステックのユーザーが
持っている整列機は、横振動タイプが9割以上、
という話をしました。

そこで、横振動タイプの整列機しか持っていない
ユーザーが、回転方向の向きを揃えたい場合に、
ロータリー振動機の登場です。

横振動タイプの整列機で、取り敢えず整列穴に
部品を1個ずつ入れてしまいます。この時点では、
回転方向の向きは揃っていません。

その状態の整列治具を、ロータリー振動機に乗せ換え、
ロータリー振動機で向きを揃えるのです。

ロータリー式整列機を買って戴ければ、
一度で済む作業ですが、ロータリー振動機は
ロータリー式整列機の半値ほどの価格ですので、
コストを抑えられます。

あと、ロータリー振動機はネジ締めにも使えます。

わかりやすい例で言いますと、ボルトとナットです。
まずボルトとナットを、同じ整列ピッチで同じ数を
並べます。

その後、ナットの整列治具の上に、ボルトを重ねて置き、
ロータリー振動機に掛けると、ボルトがナットに
ねじ込まれて行きます。



ボルトとナットを例えば100個ずつ並べておけば、
100個いっぺんにネジ締めできる事になります。

ロータリー振動機は逆回転も出来ますので、
逆ネジにも対応できます。

また、ナット以外の、メネジのタップ穴が切ってある
部品であれば、もちろん対応可能です。

その部品に、メネジが例えば4ヶ所あっても、
その同じ位置にボルトを並べ、ロータリー振動機に
掛ければ良いわけです。

なお、この場合のネジ締めは、あくまでも
ボルトの自重を利用したものですので、
締め付ける場合は、最後に増し締めが必要です。

補足ですが、ロータリー振動機をネジ締めに使う時、
ボルト(オネジ)がナット(メネジ)を貫通して
裏側に飛び出す場合は、トグルクランプなどを使って、
整列治具を上から押さえ付けておく必要があります。



オネジの飛び出した部分が、整列治具を持ち上げて
しまうためです。ネジジャッキと同じ原理です。


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