整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

面単位での部品供給のメリット

2018-01-25 09:28:47 | 効率アップ
ウエステックの整列機は、整列治具に部品を
並べる装置ですが、整列治具は整列パレットとも
呼ばれるように、板状の製品です。

つまり、面単位で部品を供給する装置、
という事になります。

この面単位、というところで、お客様の既存の
設備とのマッチングが大変な場合があります。

つまり、お客様の既存の設備が、1個単位で
部品が供給され、生産や検査などが行われる
ラインになっている場合は、そこに面単位で
処理する整列機が入り込むと、生産効率を
うまく上げるのが難しい事があります。

パーツフィーダーで1個ずつ部品が供給され、
その後の工程も、基本的に1個ずつ処理するような
ラインにおいて、仮に組立工程だけを整列機を使おう
とすると、その組立工程だけで余程の効率UPが
実現できないと、全体としての効果の波及が
限定的になってしまいます。

例えば、部品の製造→部品検査→部品供給→
製品組立→製品検査→荷造り→出荷、と
なっているとして、それぞれの作業負荷が
仮に均一だったと仮定しますと、
部品供給と製品組立の工程だけ、
作業効率が1.5倍になったとしても、
全体としては、目立った効果は
現れ難いです。

これが、組立の負荷がライン全体の半分を占める、
という事であれば、組立工程だけで整列機を
導入しても、それなりの効果が見込める事に
なります。

そのため、整列機を使った組立作業を
オフラインで行い、その後の工程に戻す、
という具合に切り分けて作業している
お客様もいます。

しかし、これは既にパーツフィーダなどで
ライン組みをしてしまっている場合が多いから
に他なりません。

新規にラインを立ち上げる時は、
面単位での作業を広く展開できるよう、
検討して戴ければと思います。

整列機は、面単位の部品供給装置と
言ってしまえばそれまでですが、
組立そのものにも使える点は、
面単位ならではの大きな特徴と
メリットになります。

面単位で供給された部品どうしで、
重ね合わせ・挿入・圧入・勘合等々の、
治具だけで完結する作業はもちろんの事、
半田付けやロウ付け、電極印刷、封着といった、
次工程への供給も、そのまま面単位で行えます。

セラミック部品を焼成する場合や、
リフロー炉で表面実装部品を半田付けする場合は、
面単位で行なった方が効率が良いからですが、
他にもまだ、面単位で部品を供給しなければ
ならない、もしくは面単位で供給した方が良い、
という部品は、実は意外と多いのです。

微小な電子部品の導通検査治具は、面単位で行える
構造になっている物が少なくありません。

その場合、その治具のパターン通りに向きを揃えて
整列治具に部品を並べ、検査治具に移し替えれば、
非常に効率的です。

他にも、例えば、ゴムをライニングする
金属やプラスチックの部品を、
成形金型内に挿入する場合も、
面単位で、しかも一気に行わなければ
なりません。

溶かしたゴムを金属部品やプラスチック部品に
ライニングしますので、その金型は、
待機状態でも、それなりに高温です。

触ったら一瞬で火傷する程ではないですが、
全部で例えば100個の部品を、金型に一個ずつ
入れて行くと、早い段階で金型に挿入された
部品は、金型から伝わって来る熱で、
徐々に暖まって来ます。一方で、最後付近で
挿入された部品は、入れられたばかりですから、
まだ冷たい状態です。

その状態で金型を閉じ、ゴムをライニングすると、
溶着状態が均一になりません。

よって、100個なら100個、一気に部品を
挿入しなければなりません。

或るお客様は、整列機を導入する前は、
一気に100個の部品を金型に落とせる
構造をした治具に、向きを揃えて100ヶ所
手並べしていたそうです。

部品の向きを揃えて100個並べるのは
時間も掛かりますし、並べている間、
作業者は他の作業が一切できませんので、
非常に効率が悪い状態でした。

整列機を使うと、作業効率が飛躍的に上がりました。
並べるところは整列機に任せっきりで良いのです。

また、同じ部品を多数個、真空焼入する場合も、
真空炉が大気圧から真空になるまで、
時間が掛かるので、できるだけ多くの部品を
炉に入れたいところです。

この場合は、部品の向きまでが揃っている必要は
必ずしもありませんが、隣どうしの部品が触れたり
している状態は避けた方が良いです。

部品の形状によっては、向きを揃えて置く事で、
隣の部品との隙間を確保したまま、整列の密度を上げ、
炉に入れる事ができます。

また、不活性ガス炉・雰囲気炉の場合、流れるガスが
部品に対して均一に熱を伝える必要がありますので、
この場合も部品の向きが揃っていた方が都合が良い
ケースがあります。

また、部品に特殊な表面処理を施すのに、
粉末状の調合剤の中に埋め込まなければならない、
という場合も、面単位での部品供給が効果的です。

その他、部品を特殊な溶剤で超音波洗浄する場合にも、
面単位、もしくは面を何段にも積み重ねた状態での
部品供給の方が、作業効率が上がる事があります。


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