ドイツ人の勤勉さを象徴するともいえる文化だと思う
Vesper
私の住んでいる南部ではこれをフェシュパーと発音する。
北部出身のドイツ人で『フェスパー』とわざわざ標準語の発音にかえている人もいるが、
標準語で言うなら Zweites Frühstück とか Zwischenmalzeit
『2回目の朝食』ってことで、朝ご飯とお昼ご飯の間、だいたい午前中の9時から10時にかけてくらいに食べるパンやスナックのことである。
時間は違うけど日本の『おやつ』みたいなもの。
あ~、ほんわかしてしまう響きの言葉だな~、『3時のおやつ』って
だいすき~
『おやつ』は甘いもののイメージだけど、Vesper は黒パンのサンドイッチのイメージ。
ちなみにラテン語の Vesperaフェスペラ が語源らしい。
フランクフルトに遠い昔に住んでいたときにはこんな文化があるとは知らなかったけど、
ドイツの人々はなんたって朝が早い。
うちの子供たちの学校の始業時間は朝7時半。
冬時間まっただ中は、朝まだどっぷりと暗いうちに登校する。
日本では考えられない。
うちの家から学校は歩いてせいぜい3分くらいなのでそれほど気にならないけれど、電車やバスで通学している子供たちもたくさんいて、毎朝5時に起きるなんていうのもそれほど珍しくないらしい。
そんなわけなので、学校では9時過ぎくらいと11時くらいに15分の休憩があって、そこでVesperを食べる。
子供たちはパンにソーセージかチーズをはさんで持って行く。ときどきリンゴなどの果物やチョコとかを添えたりもしている。
Vesperを職場や学校に持って行くのは幼稚園に行っている頃からの習慣。
でも考えて見ると、
毎朝子供たちのVesper を作るために早く起きているけど、
パンにソーセージを挟んでVesperboxに入れて持って行くだけのことなんだから、
ティーンエイジャーになったうちの子供たちはそろそろ自分で用意して持って行ってくれればいいのに、
と思うのだけど。
そうしたら、私だけ早起きしなくてもすむのにな、、、と思う今日この頃である、、、
でもそのくらいのことはやってあげるべきなのかな~?
こちらVesperbox
いろんな大きさのものがセットになって売っていることがある。こちらはちなみにアルディで購入したもの。
もうひとつ小さいのがあったはずだけど、見つからず
カラフルな色のものや、ドイツのキャラクターものもある。
これにサンドイッチとか果物をラップも何もせず放り込むだけ、というご家庭が多いようであるので、
私もそれにならって、放り込む
ちなみに、日本でドイツ学園に子供たちが通っていた時もこの習慣はやっぱり同じ。
わざわざドイツパンを調達して、わざわざドイツのソーセージも調達して持たせることも我が家ではあったな~。
娘のクラスにいたツワモノのドイツ人のお子さんで、納豆(!)を持ってきている子がいたらしいけどね。
よっぽどお口にあったのかな~。
娘が小学校3年か4年生くらいのときで、あのネバネバのパッケージから納豆を救って食べているドイツ人のクラスメートの姿を想像すると、『洋服とか机とかにネバネバがくっついちゃってなかったのだろうか? もしかして同じクラスだったうちの娘の洋服にもいつかはそのこぼれネバネバがくっついちゃっていることがあったのかもしれない』なんて、余計な心配。
気が付くともう5年くらい前の話ですし。。。 はやっ
かつて私が日本でOLをしていた時の上司(ドイツ人)も朝は必ず7時にはもうオフィスに来ていた。
ドイツ人の社長をはじめ、ドイツ人スタッフはみんな出社は早かったと記憶している。
日本人のスタッフが来るのはせいぜい9時頃。遅い人は10時くらいに出社という人もいたくらい。
日本の『3時のおやつ』は、12時に昼食で夜7時の夕食まで時間があるから3時はちょうど小腹が空いてくる時間だと考えると、
ドイツでみなさん朝7時くらいから働いているのだから、10時くらいにお腹空くのも当然。
オフィスでぬくぬくと働いている人たちにはこのVesperはそれほど重要ではないと思うけど、
例えば職人さんとか、工場で働いている人には大事なエネルギー補給の時間なのだろうと思う。
ドイツ南部にはたくさんのメーカー企業がある。
先週のニュースでは、それでなくても少ない失業率を誇るわがBW州では、またさらに失業率が下がったと報じていた。
これって、早起きしてVesper食べてがんばる勤勉な南ドイツ人気質のおかげなのかもしれない。
その結果、私もその勤勉さに恩恵を受けているわけなので、
感謝しなくちゃ~
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