突き出しで嘉風(手前)を下した稀勢の里=奥西義和撮影
大相撲春場所3日目(13日・大阪府立体育会館)――稀勢の里の表情がさえない。
2009年初場所以来となる初日からの3連敗は免れたが、今場所は相撲に不安定な感じがつきまとう。
過去6勝1敗と圧倒している嘉風戦は、右で突き起こしながら出た。好調な時ならば馬力で一気に勝負を決めてしまいそうなものだが、この日は押し返され、バタバタした相撲になった。足が流れてバランスを崩しかけ、何とか踏みとどまって突き出した。「前に出ることだけを考えた」と言うものの、相手に圧力が伝わっていないのは明らかだ。
初日に、栃乃若に敗れて黒星発進。その新鋭を難なく退けた白鵬は「(栃乃若が)力を付けたのは確かだけど、稀勢の里に問題があると思う」と異変を指摘した。体調には問題がないといい、2連敗を振り返った大関自身も「勝たなきゃいけない気持ちがあったのかなあ」と首をかしげた。
新大関として期待を一身に集めた先場所は、11勝と奮闘。知らず知らずのうちに、心身に疲れが蓄積していてもおかしくはない。
だが、北の湖理事長(元横綱)は「ここで流れを変えなきゃいけない。勝ち進んでいくこと」と、奮起を促した。どんな状況でも安定した成績を期待されるのが大関という地位。試練と向き合う春の土俵だ。(平山一有)
(2012年3月13日20時59分
読売新聞)
関連ニュース
・
石川遼、3打差の10アンダー5位に後退
・
稀勢の里に異変…心身に疲れ?持ち前の馬力なく
・
ローズ逆転優勝、ウッズは負傷で棄権…米ゴルフ
・
富山