目を背けない優しさ
渡辺健二のソロプロジェクト、スネオヘアーが、約3年ぶりの新作「スネオヘアー」(キング)を出した。
さわやかで切ないメロディーと、日常をテーマにした歌詞が持ち味。新作にはテレビアニメ「荒川アンダーザブリッジ」のエンディングテーマなど12曲を収録。パーカッションを多用し、あえて「音色を減らす」ことを意識したという。「間引くことで、水墨画の余白のように、鳴っていないところも音になる。長く聴けるもの、残るものを作っていきたい。シンプルなものづくりをすれば、時代の音の影響を受けない」
注目は、6月に結婚した女優のともさかりえと詞を共作し、デュエットした「家庭に入ろう」。鼻歌のように出てきたメロディーを基にした。「周りが恥ずかしくなるぐらいのことをズバリ歌っていくことがポップ。先の見えない時代、ただただポジティブ(前向き)なハートを歌うのがいいなと思った。奥さんからは『大丈夫!?』と言われましたけど」
終盤の「さらり」では、「曖昧なものは曖昧なままで」と歌った。処世訓のようなメッセージは、現在の心境。映画「アブラクサスの祭」で僧侶を演じたことも影響した。「良くないこと、悲しいものごとを完全に排除することは無理だと思う。そこから目を背けるのではなく、受け入れることで湧いてくる感情がある。それは初めての優しさです」Yaff.showAffTag({'disp':'li','iseven':'','irakuten':'','w':'','t':'','a':'','m':'','p':'','seven':'','rakuten':'','isbn':'B00572XAVW'});
(2011年9月29日
読売新聞)
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