九時頃ちゃんと起きて風呂を使う。
十時チェックアウト。
東京駅へ。
こだま号のグリーン車。
どういったからくりなのか普通車両より早割ではグリーン車の方が安いのである。
それで喫煙車両、ところが私はタバコを切らしていた。
他に誰も乗っておらぬと思っていたが写真を撮ったのを見ると前方に人影あり。
富士が私の大好きなる富士がくっきりと見え感銘を受ける。
名古屋には二時半ごろ着く。
とりあえず得三へ行く。
荷物を置いてコーヒーでも。
サイゼリヤがあってこれに這入る。
ドリンクバーにしようと思ったが少し追い銭すればスパゲットも付いてくるのでそうす。
私は食い過ぎだ。
先ほどおにぎり他食べたばかりなのに。
得三に戻るとまだハニーメイカーは来ていなかった。
店の人にラジヲを聴きましたよと言われる。
へ?なんのすか?
いやあ、東海ラジオですよ。
ああ、そういえば先月霞が関のスタジオでゲスト出演したやつがあった。
ハニーメイカーやってきて握手。
入念にリハす。
アンプは服田洋一郎さんが使っていたというツイン。
実に感慨深い。
良いサウンドだ。
得三は実にやりやすい。
それで私は声が出ぬことに気が付いた。
家を出るときのがまたぶり返したのだった。
振り絞っても声が突き抜けぬ。
まあ何とかしたるわい。
みなサイゼリアに行くという。
私は食い過ぎなので止そうと思い居残った。
ところがすぐと腹が減り結句味仙へ足が向いてしまった。
まああすこは量が多くないから良いだろうみたな甘な気持ち。
それで喉に刺激を与えてやりたいというのもあった。
ピリピリと台湾メーランが喉に効く。
喉は悪化した。
馬鹿。
それでまあやはりワイルドハニーに行こう。
そしたら武部さん夫妻と道で鉢合わせて一緒に入る。
ハニーメイカーもやはりおった。
私のアルバムが掛かっていた。
ロジャーティリソンズアルバムを見つけ購入す。
それにJBレノア―は私はレコードでしか持っておらんのでこれを先日聞いたバレルハウスのあの大音量が忘れられなくてCDで買う。
車で聴きたいからだ。
武部さんは流石でロジャーティリソンの来日公演も観たしその時のバックバンドラリーパパ&カーネギーママのライヴも観に行ったしまた行くそうである。
得三に戻る。
楽屋で待つ。
まずは三十分あまりユダくんがやる。
彼は延原さんに似た声だといつも思うがいわない。
それで私には百分も与えてくれた。
まずソロで三曲ほどやりハニーメイカーを呼び込む。
声が出ぬのがバレバレだったので喉の調子が悪いことを告げる。
そんな事言わない方がかっこよかったか。
一人だと繊細も必要だがバンドなれば振り絞りの美学が利く。
存外出ぬ声が気持ちいい。
私は声が出ぬのを本当に楽しんだ。
この声なればの素晴らしい楽曲もあっただろう。
ソロでも段々と、か細いかすれるポイントを掴んでアジャストでけただろう。
ハニーメイカーには私の身勝手さが分かっただろう。
すまぬ。
私のせいでややスリリングな場面もあったがそれがロックンロールというものだ。
すばらしい局面が沢山あった。
タムのギターもいいがユダのギターもいい。
ギタリストとしてもとてもいい。
それで私のギターもよい音がしていた。
少し早く終わったのでアンコールでユダ君とふたりムーライトドリーマーこれも出ぬ声がか細く響くところなんかいいじゃねえか。
私は出ぬ声を掌握してコンツロールしている。
素晴らしい。
マーヴェラス。
バンドはいい。
これでお客が五倍来てくれればとてもいいんだが。
浅井も来てくれておった。
いつも声もかけぬのに来てくれてありがたい。
彼は上客だ。
普通の人の十倍は呑むだろう。
浅井は私を泊めてくれるよういがあったようだった。
しかしながら数日前に武部さんからお誘いがあり泊めてもらうことになっておったので本日はそうする。
Aおきさんみきちゃんらとも談笑す。
それでCDが品切れとなってしまい苦情が出る。
今日はリリース日である。
折角だから私から買おうと来てくれておった人もあったのに。
五名ほどの人の手に渡らなかった。
なんという失態。
おわびにポストカードをプレゼントす。
実はうどん屋の時も名古屋で切らしてしまったのである。
石川君もすまぬ。
〇時ごろまで得三で談笑す。
その後また腹が減りピカイチへ這入る。
で、武部さんのうちまでしーたく。
武部さんが持っていたロジャーティリソンズアルバムを聴く。
それで武部さん私のニューアルバムを鳴らしてみる。
ちょっと聞いただけでこれは!やりましたね!という。
やりましたよと私は冷静にいう。
その後も随分褒めてくれる。
武部さんのような筋金入りの音楽ファンにそう言わせたのだから私も間違いないだろうと思った。
それで自分のアルバムというものは波動が安心の周期なのだろう私は眠くて意識を失った。
武部さん起こしてくれあてがわれた部屋で寝る。